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コロナ禍に造血幹細胞提供(骨髄提供)をしてきました・③

※この記事は、最後まで無料で読めます。

ということで、前回からの続きです。予告した通り、今回は 3回目の適合通知から最終同意面談について話をしていきたいと思います。



3回目の適合通知

適合通知を受け取った当日

 3件目の適合通知も、SMSによる事前通知なしにA4サイズの分厚い封書が届きました。今回も提供方法は決まっているらしく、適合通知は「骨髄提供についてのご案内です」という文面でした。

前回の適合通知から 1年間ほど空いていましたが、適合通知が届く少し前に献血をしてきたばかりで、「タイミング的にどうなのだろうか?」という状況でした。しかし、手術までにかかる日数を考えると問題は無さそうにも見えます。気になったらお医者さんに聞いてみることにして、その日の内に問診票を書いていきました。

問診票には、前回まで別紙で来ていた被ばくに関する確認書類が問診票内の設問になっていたり、新型コロナウイルスに関する質問項目(感染の有無について、ワクチン接種について)が追加されていたり、少し変化がありました。その他は従来と同じ内容であり、私も 3回目の記入となるため、翌日にはレターパックに封入して投函することができました。


適合通知から7日目

骨髄バンクから問診票について確認したいことがあるという電話が入ったため、対応しました。


適合通知から11日目

再び骨髄バンクから電話が入りました。医師に問診票を確認してもらって話を進めていくことになったため、担当コーディネーターの連絡先を書いた文書を郵送するとのこと。


適合通知から13日目

話に聞いていた文書が届きました。担当コーディネーターは前回と同じ方でしたが、面談施設が前回とは別の病院になったため調整医師も別のお医者さんに変わりました。


適合通知から15日目

担当コーディネーターから電話が入り、確認検査の日程について希望を聞かれました。 3つ候補を挙げられましたが、どの日程でも問題ないと伝えて電話を終えました。


適合通知から16日目

担当コーディネーターから、調整医師と決めた確認検査の日程を電話で伝えられました。告げられた日程は、適合通知から数えると48日目。

ひと月後という遠い日程に、「そんなに日を開けて大丈夫なほど患者さん側に余裕があるのだろうか?」と疑問も浮かびました。しかし、こちらからは何も注文を付けずに先方で調整した結果なので、了解したことを伝えて電話を切りました。

既に 2回も患者さん理由によるコーディネート終了を経験している私は、この時、あまりにも遠い日程で確認検査が決まったことから「自分は 3番手 4番手のドナー候補であって、また検査前にキャンセルの連絡が入るだろう」と予想をしていました。


適合通知から47日目

途中でコーディネート終了の連絡が来るだろうと予想をしていましたが、何事もなく確認検査前日となりました。昼に担当コーディネーターから電話が入り、当日の持ち物(本人確認書類、ドナーのためのハンドブック、交通費精算用に印鑑)と待ち合わせ場所、交通手段の確認をしました。

この日の晩、時刻表を確認すると、待ち合わせ時間よりもだいぶ早く現地に着くことが判明。次の便だと遅刻するため、病院の中にある喫茶店で時間を潰そうか等と考えながら寝ました。


適合通知から48日目(確認検査)

渋滞もなく定刻通りに病院へ着いたため、病院の中にある喫茶店で紅茶を飲みながら30分ほど過ごすことにしました。コロナ禍でアクリル板が置いてあったりはしましたが、通常通りに営業をしていたので助かりました。

待ち合わせ時間の15分前に喫茶店を出て待ち合わせ場所に移動すると、既に担当コーディネーターが来ていたので声をかけました。

応接室があった前回の病院とは勝手が違うらしく、病院受付で担当コーディネーターが調整医師に電話をかけて受付で合流することになったため、先にこの日の交通費を精算し、合流を待つ間に自動血圧計で血圧を測ることになりました。喫茶店で飲んだ紅茶が原因なのか随分と数値が高く、血圧は後で調整医師に測り直してもらうことになりました。

受付の待合スペースでしばらく待っていると調整医師がやってきたため、3人で診察室へと移動しました。

診察室に入ると、担当コーディネーターと調整医師とでやり取りがあって、調整医師は一旦退室。まずは担当コーディネーターから30分ほど説明を受けることになりました。『ドナーのためのハンドブック』に沿った説明は前回聞いたものとほとんど同じ内容でしたが、忘れていた部分もあったため改めて耳を傾けて聞いていました。

担当コーディネーターからの説明が終わると、診察室に戻ってきた調整医師による診察が始まりました。この時に改めて測ってもらった血圧は正常値だったため、血圧計で測った時はカフェインが効いていたのかもしれません。

問診は前回とほぼ同じで、事前に提出した問診票を参照しながら、調整医師から気になる項目を聞かれるという形でした。アレルギーの有無や健康診断で疑われた病気の有無、遺伝性の病気と診断された近親者の有無、直近 1カ月以内に献血をしたか、飲酒・喫煙の習慣などを聞かれました。

献血のことを聞かれた際に直近の献血の話もしましたが、既に献血からは 2カ月以上経っていたため「問題ないでしょう」とのこと。また、適合通知を受け取ってから半月ほど経った頃、一度腰を痛めてストレッチでほぐして改善させたという話もしましたが、今は痛みもなく病院に通うほどの症状でもなかったことを伝えると、「問題ないでしょう」と言われました。

前回の問診と変わっている点としては、骨髄バンクから調整医師に渡される問診票が紙からタブレット端末になっていたこと。私が紙で提出した問診票をスキャナで取り込んで使っているようでした。時機的に、WEB問診票導入の前段階だったのだと思います。

15分程度の問診を終えると、検査室に移動して、血液検査用の採血をしました。採血管 6本分の血を採る時間は長く、これは慣れることが出来ません。

前回、書き忘れていた通院証明書の話をしておこうと思います。

確認検査等で病院に行った日、勤務先のドナー休暇やボランティア休暇を使うために通院証明書が必要な場合は、担当コーディネーターに申し出をすると後日に証明書を郵送してくれます。電話で後から申し出ても対応してくれるはずですが、忘れないタイミングで伝えておくことをおすすめします。

一方、自治体によるドナー支援事業に申請する際にも証明書が必要になると思います。こちらは多くの自治体が横並びで、そもそもの支援対象の要件が「造血幹細胞の提供が完了した」となっていて、支援を受けられる日数上限も「7日間」と決められていると思います。

骨髄採取の場合だと、確認検査、最終同意面談、健康診断、自己血採血そして 3泊 4日の入院で日数上限を超えるはずです。骨髄バンクの方もそれに合わせた動きとなっており、ドナーが退院してから術後診断を待っている間で自治体提出用の証明書をドナーに郵送してくれます。


適合通知から56日目

血液検査の結果が届き、「骨髄バンクの基準では問題ありませんでした。」となっていました。

さらに、この日の昼過ぎに担当コーディネーターから電話が入りました。電話を取ると、私が第一候補であることが告げられ、再度、手続きを先に進めるかどうかの意思確認をされました。

担当コーディネーターからは、「まだ同意書に署名をしておりませんし、今の段階であればどういう理由であっても辞退は可能です。しかし、最終同意面談で同意書を作成すると撤回はできなくなります。◯◯さん以外にも第二候補、第三候補の方がおられるはずですので、◯◯さんの都合を最優先で、慎重に考えてください」ということでしたが、私の決意はとうに決まっていたため「やります」と即答しました。ところが、担当コーディネーターからは、「骨髄バンクと致しましては、ご家族のご意向も確認していただきたいと思っております。いま一度、ご家族とご相談していただいて、また明日返事をお伺いするのでよろしいですか?」と返ってきました。

この時、家族と相談する際に必要な情報として、患者さんから出ている手術希望日を知らされました。また、調整医師から申し出があって、最終同意面談を採取医に引き継いで採取手術をする政令指定都市の病院で行うことになったため、手術日から逆算して来週には面談を行いたいこと。健康診断を面談の翌週に入れる方向で調整していることを聞かされました。

話を聞いていて、最終同意面談を、確認検査をした地元の病院ではなく、採取手術をする政令指定都市の病院で行うという話が勝手に進んでいることに私は引っかかりました。『ドナーのためのハンドブック』では最終同意面談に立ち会うのは調整医師となっており、私は地元の病院で行うと思っていましたし、家族にもそのように説明をしてありました。

ところが、急に政令指定都市まで出てくるように言われた訳で、「ハンドブックとは違う動きを、私の都合を聞く前に何で始めるのだろうか?」と、まあまあカチンと来ていました。とはいえ、ここで骨髄バンクの調整下手に腹を立て、話をひっくり返して患者さんを巻き込むのはおかしい訳で。「家族に説得する話が増えたなぁ」と思いつつ、担当コーディネーターとの電話を終えました。


最終同意面談に同行してもらう家族代表は既に決めていたため、骨髄バンクからあった話をすぐに相談しました。

骨髄提供にはこれまで通り賛同してくれましたが、案の定、政令指定都市の病院まで行くことにはあまり良い返事を得られませんでした。確認検査の時に「コロナ禍にあるため、家族代表は電話参加で対応することもできる」という話を聞いていたため、そのことも含めて骨髄バンクには再度調整するよう話すことにしました。


適合通知から57日目

昨日と同じ時間帯に担当コーディネーターから電話が来たため、話を先に進めてほしいという私の意思表示と、家族と相談した内容を伝えました。

政令指定都市の病院までの同行は難しいため家族代表を電話参加としたいことを伝えると、担当コーディネーターからは「出来れば直に会ってお話したい」と返ってきました。私は頭の中で「確認検査の時に『電話での参加も対応できます』と話したのは貴方でしょう?」と思いましたが、担当コーディネーターから各医師と再度調整をするという話が出たため、その日は電話を終えました。

以下の網掛けは、私の愚痴が混ざりますから、59日目の見出しまで読み飛ばしても結構です。

先方の事情は察します。

造血幹細胞移植には、患者さんの治療をしている患者主治医、ドナーから造血幹細胞を採取する採取医、ドナー候補を最初に診察する調整医師という 3人の医師が関わっています。

調整医師は、ドナー候補に対する診察やドナー候補から聞かれた質問に医学の専門家として回答する役割を担っていますが、ドナーの造血幹細胞を使うかどうかは最終的に患者主治医が決めますし、調整医師がドナー候補への説明を任されている採取手術も手術自体は採取医が行う訳で、その立ち位置は中途半端に見えます。

特に私は医学的回答が必要な心配事を訴えることのないドナー候補でしたから、調整医師のお医者さんは、ドナー候補に負わせるリスクと調整医師として取れる責任とを比較した時、早い段階で骨髄採取を行う採取医に引き継いだ方が良いと判断されたのだと思います。これは、専門家として正しい判断だと私も考えます。

しかし、造血幹細胞移植全体の仕組みから考えると話は変わってきます。

まだ手術まで行くかどうかが不明なドナー候補に対する確認検査および最終同意面談を、都市部の病院に限定すること無く、広く各地域にある血液内科設置病院でも行える現行の仕組みは、面談手続きの負担分散を狙ったものに見えます。しかし、私が地元の病院で確認検査を受けられたのはこの仕組みのお陰であり、ドナー候補の通院負担を下げている側面もある訳です。

私の場合で言うと、地方に住んでいる私が政令指定都市の病院まで行こうとすると、その通院時間は地元病院までのものから 4倍に増えます。ドナー候補である私だけなら問題なく通いますが、家族代表の方は別です。家族代表は他人の治療を手伝うと言っているドナー候補に同席するという立ち位置であり、その熱意はドナー候補よりも低く、わざわざ面談の日程に都合を合わせるだけでなく、通院時間も予定から 4倍に増えるというのは直接的にハードルを上げます。

ドナー候補に対する説明の充実を考えた場合、確認検査も造血幹細胞採取も同じ病院で行うようにして、確認検査の段階から採取医がドナーと会って自身で行う手術の説明をする方が、話はずっと分かり易くなります。しかしこの様な理想形は、患者さんが必要としているドナー候補が、造血幹細胞移植にかかわる全過程を担当できる大病院の近郊に住んでいること、都市部在住でもなければ条件が揃わないでしょう。

実際には、患者さんが必要としているドナー候補が地方・山間部在住であることも多い訳です。地方・山間部在住のドナー候補を、初手から遠く都市部の採取病院まで呼び出すことは、ドナー候補の脱落を誘発してしまうかもしれません。しかし、各地域にある血液内科設置病院で最終同意まで話を詰めることができれば、それは患者さんが必要としているドナーの確保に寄与するワンクッションとなります。

造血幹細胞移植全体の仕組みを考えれば、確認検査を担当した調整医師に最終同意面談までをやりきってもらう方が、特にドナー候補が地方・山間部在住である場合には都合が良い訳です。

そこで重要になってくるのが、27,558件(2023年3月末現在)の非血縁者間移植実施データを持っている骨髄バンクの役割です。調整医師が確認検査から最終同意面談までを全うできるように、ドナー候補の何をどう診てほしいのか、どの状態なら主治医の判断を待たずに取り止めるのか、専門家として責任が取れるよう「事前に十分な擦り合せ」を骨髄バンクがやらないと、調整医師の中途半端な立ち位置は解決できないように思います。


最終同意面談の日程を打診してきた56日目の電話で、担当コーディネーターが繰り返し慎重に答えを出して欲しいと言ってきたのは、骨髄提供は決して強要できる話ではないため、意識して行っている辞退圧力だと感じました。担当コーディネーターがあまりに言葉を重ねてくるため、「骨髄バンクは本当に辞退させたくて、『やる』と言い張っている私が空気を読めていないのではないか?」と思ったぐらいです。

しかし、ドナー候補側の都合を聞く前に最終同意面談の場所について予定変更をするのは調整下手であって、無意識に発揮した辞退圧力に見えました。

後でトラブルを起こされても困るでしょうし、意識して行う辞退圧力はある程度あっても良いとは思います。ですが、無意識の辞退圧力は患者さんに不必要な害を与えるだけであるため、極力減らしてもらいたいと思います。


適合通知から59日目

夕方に担当コーディネーターから電話が入りました。最終同意面談を調整医師の立ち会いで地元の病院で行うこととなり、ついては日程調整をしたいとのことでした。

私としては、家族代表に政令指定都市まで同行してもらうよりもずっと都合をつけ易いため、候補として挙がってきた日程はいずれも問題ないことを伝えて電話を終えました。


適合通知から62日目

昼に担当コーディネーターから最終同意面談の日程(適合通知から75日目)を知らせる電話が来ました。

結局、まとまった日程は、56日目に打診のあったものから 2週間ほど遅くなりました。私としては、骨髄バンクと各医師の間で面談場所を地元病院から採取病院に変更する話が出た時に、向こうで日程調整が走り始める前に、遠い病院まで来てもらうことで都合が悪くならないかドナー候補側の話も聞いて欲しかったと今でも思っています。


適合通知から68日目(手術日の内定)

昼に担当コーディネーターから、手術日(適合通知から113日目)が内定したという電話が入りました。

その日で特に問題はないと答えると、手術日からの逆算で健康診断の日取りも聞かれましたが、候補として挙げられた日はいずれも都合を合わせられると答えて電話を終えました。

最終同意面談から採取手術までの間で 1カ月ほど開きがあるのは、ドナーにも手術実施前に健康診断などの準備が入るためです。

簡単に流れを説明すると、最終同意面談の後日、ドナーは採取病院で手術ができる健康状態かどうかを確認する採取前健康診断を受けます。その時の血液検査結果などが出揃ってから手術可能と判断されると、手術の時に貧血予防で輸血する自己血を採って病院で保存してもらいます。手術は、この自己血採血から回復した頃に行います。

ドナーが採取手術によって健康被害を負うリスクは極力減らす必要があるため、この 1カ月間は省略できない 1カ月間となります。


適合通知から75日目(最終同意面談)

予定通り、家族代表に同行してもらって、自家用車で最終同意面談を行う地元の病院に向かいました。待ち合わせ時刻よりも30分ほど早く着いたため、車中で家族代表と手術をする病院のことや、コロナ禍のため見舞いはできないこと、骨髄提供に対する自分の決意などについて少し話をしました。

待ち合わせ時間が近くなったため病院の受付まで行くと、そこで担当コーディネーターと骨髄バンクから来た立会人と合流しました。

最終同意面談では、ドナーが必要とする場合は第三者立会人を立てることができます。立会人は、担当コーディネーター・調整医師が十分な説明を行っているか、ドナー本人と家族代表はきちんと内容を理解しているか、手術への同意が強要されたものではなく自発的意思に基づいているかを確認するため、面談に同席します。

原則、骨髄バンクの地区事務局が立会人を手配しますが、ドナーが自身の関係者に立会を依頼して同席してもらうことも可能です。

病院受付で、自宅から病院までのガソリン代の精算などをしながら、調整医師の到着を待つために少し待機。調整医師と合流すると、先日の確認検査の時と同様に診察室へと移動しました。

最終同意面談の冒頭で、担当コーディネーターから適合通知が来たときの心境を聞かれたため、「そもそも『やる』と覚悟を決めた上でドナー登録をしたので、『いよいよ来たか』という思いだった」と答えました。

私の動機形成は前々回に詳しく書きましたが、「提供するつもりが無いのであれば、最初からドナー登録しなければ良い話なのでは?」から始まっています。珍しい例なのかもしれませんが、私は「やる/やらない」の判断をドナー登録する際に終わらせている訳で、今になって、うろたえたり、迷ったりということはありませんでした。

ここで、一旦、調整医師は退室。担当コーディネーターによる『ドナーのためのハンドブック』に沿った説明を、立会人が同席する中で、家族代表と一緒に聞く時間となりました。

個人的には、この骨髄バンクがドナーに対して説明をしている最中も調整医師が同席していて、専門家としての補足を都度で入れてもらう方が、医学の専門家が関与する意義は強くなると考えています。

骨髄バンクが今までこうしてきたという事情もあるでしょうし、調整医師には忙しい合間を縫って協力してもらっている事情もあるでしょう。しかし、既に時間を割くところまでは協力を得られている訳ですから、もっと深く関与してもらった方が調整医師もやり甲斐があるように思います。

ハンドブックを読みながら、度々「質問はありませんか?」と聞かれるのですが、私の場合は「これは聞いておかなければ!」という質問を持っておらず、丁寧に尋ねてくれる分だけ割りと対応に困る時間でした。むしろ、他のドナー候補がどんなことを聞いているのかを知りたいです。

ひと通り説明を聞いて、家族代表は「思ったより大変そうだなぁ」と感想をもらしていましたが、「本人がやると言っているので」と私の意思を尊重して手術に同意してくれました。もう 1人の家族とも「心配しているけど、あなたの体のことだから、最後はあなたが決めれば良い」という話をしてあるため、そのことを担当コーディネーターに伝えました。

ここからは調整医師が再び同席し、何か質問がないかを聞かれました。

私からは特にありませんでしたが、家族代表からは私が採取手術を受ける病院の手術実績などの質問があったため、調整医師がそれに答える時間が取られました。

面談の最後に、私は同意の最終確認を聞かれたため、ドナー登録をする前に報道をきっかけとして骨髄移植に興味を持って、自分でドナー経験者の日記や骨髄採取手術について調べて、自分に話が来たら骨髄提供をするという意思を固めた上でドナー登録をしているという話をしました。今日のこの話も自分でドナー登録をしなければ来ていない訳で、「やるつもりでここに来ているので、よろしくお願いします」と最後に答えました。

立会人から「強要はありませんでした」という確認結果を聞き、そこから同意書の作成に移りました。 1通は骨髄バンクへの提出用、もう 1通はドナーの保管用となるもので、計 2通の同意書を作成しました。


またこの時、「骨髄・末梢血幹細胞提供者由来の遺伝学的情報を含む臨床的意義のある情報開示に関するご意思の確認について」という説明書を渡されて、こちらの説明もありました。

骨髄・末梢血幹細胞提供者由来の遺伝学的情報を含む臨床的意義のある情報開示に関するご意思の確認について

簡単に説明すると、造血幹細胞を移植した患者さんの移植後検査において、患者さんは既にドナーから提供された造血幹細胞を使っているため、ドナーの方でも注意が必要となる遺伝子の異常が見つかる場合があります。その時に、異常が見つかったことをドナーにも知らせるかどうかを決めて欲しいという話です。

なぜこれを聞かれるのかというと、自分自身に異常が出るまでは怖いから知りたくないというドナーも居れば、分かったことは少しでも早く知って必要な治療を始めたいというドナーも居るからです。

その場で決めて署名することもできますし、返信用封筒を受け取って採取前健康診断までに返事を郵送することもできます。(採取前健康診断の日に持参することもできた気はしますが、メモに残しておらず記憶が曖昧なので、面談の時に確認してください。)

適合通知から78日目(ドナー手帳交付)~同110日目(PCR検査) ⇨ _④_ へ
適合通知から112日目(入院)~同115日目(退院) ⇨ _⑤_ へ
適合通知から116日目(退院翌日)~同255日目(厚労相感謝状) ⇨ _完_ へ


③のあとがき

以上、3回目の適合通知から最終同意面談についてでした。

適合通知の受け取りから最終同意面談までで 2カ月半。

非血縁者のドナー候補は、患者さんが何処の誰なのかは知らされませんが、自分の造血幹細胞を必要としている患者さんが居ることは分かっている状態にあります。この状態でドナー側の都合で日程が遅くなっていくのは、心苦しく思っていました。

担当コーディネーターから挙がってくる候補日の内、最遅の日程に決まるということは無かったため、相当の調整をして貰っていたのだと思いますが、それでも「このペースで、患者さんの治療に間に合うのか」と心配になる日々でした。

次回は、健康診断と自己血採血から話をしていきたいと思います。(了)



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