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覚悟が道を切り開く

初めまして。主夫でWebライターのアザレア(@azalea_blog)です。
超RIZIN&Bellatorの感想を書きます。書かずにはいられなかった。

今大会の総括としては、覚悟
これが問われる大会でした。

緊急参戦組の覚悟

扇久保、サトシ、パトリシオ、鈴木千裕は全員が緊急参戦でした。
2週間ないし、6日前という対策はおろか、減量さえ厳しい期間での試合です。

それでもやる。YESと答えた以上精一杯をやるのがプロです。実力差のある相手であっても、格闘家は強い奴と戦うことが本分ですからね。

扇久保、サトシの意地は見事でした。与えられた期間で最大限の準備をして、戦いに挑んでくれました。本当に素晴らしい。しかし、サトシに限っては、いつもの怖さがありませんでした。

というのも、あまりにショートすぎる期間で、パトリッキーという強豪相手に戦うのは無謀です。そして、勝てばGP進出という更なる地獄へ。この覚悟を6日で作るのは不可能です。本当によくケージに入ってくれました。

問題はパトリシオVS鈴木千裕。
あまりに覚悟が違い過ぎました。勝てば金星の千裕に対して、極東のブンブン丸の小僧相手に舐めていたのか覇気のないパトリシオ。もっとも、6月に61㎏で試合したばかりで、セコンドのつもりで来日して急に試合は不可能です。

不可能です。

何故受けたんだ。

PFPという輝かしいブランドを持つパトリシオを、1週間前にオファーなんて真似を許したCEOに対しても怒りすら覚えます。全て結果論ですが、彼が築いてきた実績もBellatorの看板も全ておしまいです。売却直前に自暴自棄にでもなったのかと、吐き捨てたくなります。

勝てば世界のスターになれるチャンスを掴んで離さない若者
VS
観光で日本のファンへのサービスタイムでの試合に挑む老兵

では覚悟が違いました。千裕の勝利は祝いたいですが、あまりに無様な結果に本当に悲しくなります。裸で戦場に現れるな。

明日がある若者の覚悟

堀口恭司のパーリングした前手が、ダッキングした神龍誠の右目に入り、偶発的なアイポークによりノーコンテストとなったBellatorフライ級タイトルマッチ。

もちろん、アイポークによる視覚障害は危険です。打撃によるダメージとはわけが違いますし、ストップは妥当です。僕もそこに関しての批判はありません。

ただ、試合後に堀口が言った「自分なら続行した」これが覚悟の差だなとは思います。

ようやく自分の階級を設立してもらい、4月に試合を飛ばされながらも即タイトルという優遇を受た堀口
VS
23歳という若さでタイトルに抜擢され、RIZIN契約下で北米メジャーに挑戦する神龍誠

年齢・キャリア全てに差のある2人の試合なだけに、覚悟が違います。
神龍誠の頭の片隅には「ノーコンテストなら再戦はあるだろう」という僅かな計算もあったかもしれません。もちろん、それは契約で取り決めていれば正しいです。ビジネスですから。

ただ、堀口には今しかありません。今日フライ級の王者になることにすべての意味があった。

「じゃあ堀口くん。アイポークだから年末もっかいね」なんて悠長なこといえるほど、彼はもう若くない。

本当に残念な事故であっただけに、2人の覚悟の差が対比された試合でもありました。試合後、神龍誠は「プロとしてやるべきだった」と口にしていますが、何が正しいのかは自分で決めて進んでくれることに期待します。
彼にはそれを悩む時間があるのだから。

国の英雄になりにきた男の覚悟

アゼルバイジャンという国は、南コーカサスにあり未だに紛争や差別が絶えない国と聞きます。以前RIZINライト級のGPで優勝したトフィックムサエフは、帰国後歩けないほどのファンに囲まれ、大統領と謁見するほどの祝福を受けました。

まさに国の英雄。

その背中を見て、日本にやってきたのがケラモフ。朝倉未来とフェザー級のベルトをかけて対決しました。

「俺も英雄になりたい」とやってくるも、コロナによる渡航制限・戦争による徴兵で戦線離脱。ようやく日本に来るも斎藤裕に敗北し挫折を味わいます。

その後も強豪もショートノーティスでも全員倒し、名前をあげてようやくタイトルマッチへこぎつけました。同時に発表されるRIZINアゼルバイジャン大会とアゼルバイジャンでの生中継。

決して豊かではないであろう1人の若者が、国の英雄になれる最後のチャンスがやってきた。そんな覚悟で彼は試合に挑む。


少し話が脱線します。


14歳の頃、祖父にボクシングを始めたことを報告したときに言われた言葉です。
「君には家族がいて。ご飯を食べられて。家もある。世界には何も持っていない人も格闘技をやるんだ。そんなハングリーな人にどうやって勝つんだい?」
その時は意味も分からず、プロも目指していたわけではないので笑ってごまかしましたが、オトナになって意味が分かってきた気がします。


話を戻して朝倉未来。すべてを手に入れたとはいいませんが、お金もあり知名度もあり、憧れのパトリシオも手合わせ出来ました。これ以上何を望むかといえば、クレベルへの雪辱を果たすこと。

プライドと覚悟の戦いの結果は、ケラモフが勝利しました。

実力はそこまで差があるとは思いません。相性もあって苦戦するとは予想してましたが、あっという間。殆ど攻撃することなく朝倉未来は敗北。もはやタップしたことさえ、無意識だったかのような表情でした。

ケラモフはスターになれた。試合後の喜びようをみるに、本当に意味のある勝利だったんだと実感します。

母国で英雄になることがどれほどのことか、我々日本人には理解できませんが、あまりに覚悟が違い過ぎた。今夜のケラモフに勝てる人類はいないのでは、と思わせるほどの覚悟でした。

覚悟が道を切り開く

ジョジョの5部のセリフですが笑

K-1の武尊もよく言います。「実力差があっても、最後には気持ちで差が埋まる」まさにそれを体現した大会だったと思います。
本当に凄い。この1勝に全てを捧ぐ。その覚悟があったか否かを問われる1日でした。

ともあれ、選手皆様・大会関係者様・セコンドの皆様・観客席、PPVの皆様1日本当にお疲れ様でした…
明日仕事になるかなぁ…

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