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うたがわきしみうわごとだものⅡ

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感じたことあれこれ。日常。コラム。創作日誌。エッセー的な。作品にはならないうわごと系の。二個め。文芸を志す方にオヌヌメ。
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2019年3月の記事一覧

や、だってさ、根も葉もある渾身の嘘をつくためには、現実世界の話にせよ異世界の物語にせよ、そこでのリアリティやら説得力が必要なわけで。そうすると歴史・地理やら経済やらテクノロジーやらの裏打ちとるために勉強しなきゃいけないわけで。なんでそこまでして渾身の嘘を構築しなきゃないのかって。

なんで人って物語を作ったりするんでしょうかね。渾身の嘘やん。 でも、作品は、作家の分身でもあり、切り離されて独立歩行する魂でもあって。そこには真実が屹立する瞬間がある。 開けなくていい人生の隙間の蓋みたいなものを見つけて、しんどいのに中を覗いて物語にして報告して。 人間て不思議。

何がナンセンスかは時代で変わる 鉄の塊が海を渡り、空を飛ぶ。 当時はナンセンスの極みだった。 今ある”あたりまえ”を疑え うたがえきしみです。

結局のところ、作家は自分を救うために物語を書かざるを得ない。それに触れた幾人かの人間が救われることも知っている。かつての自分がそうであったように。

小説は頭でかちの偉い作家さんだけに許された高等言語芸術だ、なんて大真面目に大上段に構えたりするから書けなくなる。高低浅深こそあれ誰かに聞いてもらいたいちょっぴり長めの独り言、それが小説だ。自分を確認するための聞こえよがしの呟き、それが小説の正体である。寂しがり屋が呟き上手になる。