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アカデミー賞予想ごっこ2022 完結編

 アメリカでもっとも有名な映画賞、アカデミー賞! その授賞式が本日終了しました。
 皆さん、観ましたか!? 僕は観てません! WOWOWに加入してないので……。いつも通りTwitterで速報を確認するだけで、それでも色んなことが起きてて楽しかったですね!
 今年の授賞式は人気のなさそうな部門は事前に録画で済ませるという方針で、まあそれはとんでもなくつまんないやり方だったんですけど。二度とやらないで欲しい。


 以前に記事を書いた通り、毎年趣味でアカデミー賞の予想をして遊んでいます。楽しいから。

 今年の予想ごっこの結果は全23部門中20部門的中。的中率86%。自己最高記録タイです。

 結果論としては『DUNE/デューン 砂の惑星』が前評判通りに技術部門を総ナメする勢いで、撮影賞など今年最高の6部門受賞なのでわりと予想を当てやすい面はありました。

 予想を外したのは脚色賞。かなり迷いましたが、最後の最後で『コーダ あいのうた』の勢いを信じずに前哨戦トップだった『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にしました。ここは予想としては悔やまれる結果ですね。でもきちんとオリジナル版から脚色がされていて内容も好ましい『コーダ』が取ったのは嬉しいです。

 それから長編アニメ映画賞はNetflixの『ミッチェル家とマシンの反乱』とディズニーの『ミラベルと魔法だらけの家』の一騎打ちを『ミラベル』が制しました。
 ここは内容面でも技術面でも『ミッチェル家』の方が上……と食い下がりたい気持ちはありますが、『ミラベル』も良い作品なので納得の結果。知名度やより広く感じやすいテーマ性に軍配が上がったカタチでしょうか。

 完全に大外ししたのは短編アニメ映画賞。いや~、やっぱり短編系はそもそも観られないのが多くて鬼門ですよ。受賞は『The Windshield Wiper』でしたが……。

あらすじ読んでるだけだとつまんなさそうですね。予告観てもピンと来にくくて、観ないと良さが分かんないタイプ。

 上の予想ごっこの記事でも自分でこんなこと書いてますからね。もう完全に対抗とすら考えられてなかったのでここは言い訳のしようもなく大外しです!


ウィル・スミス、怒りのビンタ

 今年の授賞式での完全なトラブルの一幕。授賞式においてプレゼンターのコメディアン、クリス・ロックがウィル・スミスの奥さんであるジェイダ・ピンケット・スミスをネタにしたんですが、それが脱毛症で苦しみ丸刈りにした彼女を揶揄する内容でした。そこでウィル・スミス。

 ……フォームが良いですね。

 ウィル・スミスは生放送中に人を殴るわ、その後もFワードを交えてクリス・ロックに罵声を飛ばすわ、とかなりの放送事故になってしまいました。まあでも、お分かりでしょうがこれもう100%でクリス・ロックが悪いので……。(追記:むしろウィル・スミスが100%悪かったです)
 大人の対応としては良くないかもしれませんね。僕も生放送中に誰かが失礼なことを言ったとしてもせいぜいチクッとしたことを言うくらいでしょう。でも愛する女性への侮蔑にはこれくらいしても構いやしないだろうと言うのも正直な気持ち。
 これでロックが何か大怪我でもしてれば収まりが悪くなるけど、結果的にあいつが殴られただけなんだからいいでしょ。放送を観ててショックを受けた方がいればお気の毒ですが……。(追記:しばらくクリスは耳が聴こえなかったそうなのでそんなに収まり良くなかったです)
 ウィル・スミスならこれぐらいはして貰う方がファンとしてもスッキリします。人のパートナーへの侮辱には相応の痛手を負うべき、ということで。

 クリス・ロックは若い頃からスタンダップ・コメディをやってて、20代でエディ・マーフィに見出されて映画界にデビューした俳優も出来るコメディアンです。最近ではSAWシリーズの新展開『スパイラル:ソウ・オールリセット』に主演。『マダガスカル』のおしゃべりなシマウマ・マーティの声優なんかもやってまして、ユニークな人ではあるんですよ。
 ただね、過激な発言が売りなところもあって過去にもアカデミー賞で人種差別的ジョークをしたり、何回かやらかしてるんですよね……。そういうタイプの人ってライン越えちゃうような感覚だとツラいんで、もうちょっと考えて欲しいな~。

【追記】
 クリス・ロックが脱毛症のことを知らなかった説が出てきたのでちょっと話が変わってきました。確かにその可能性はありましたね。ウィル・スミスを支持するけど暴力が良くないのも事実。ウィル・スミスも反省して謝罪したことですし、両方嫌いじゃないから早くスッキリ収束させてあげて欲しい気持ちです。

【追記2】
 色々と情報が出てきて「いやそもそも100%ウィル・スミスが悪いな……」ってなりました。クリス・ロックには申し訳ない。反省。
 ウィル・スミスは頑張って復活して! たぶんNetflixあたりで良い映画作ってくれるよ!
 最初に「クリス・ロックがウィル・スミスの奥さんを侮辱」から報道が入ってきてるので先入観もあってそう思ってたんですが、これ別に侮辱してないですね……? スキンヘッドを軽めのジョークのネタにしたのは確か。でも「『G.I.ジェーン2』が楽しみだよ!」はともすれば励ましも込めたジョーク。仮にクリス・ロックが奥さんに傷をつけたとしても、その傷をガバッと広げたのは間違いなくウィル・スミスなので……。今回のウィル・スミスを全面肯定しちゃうと「理由があれば人を殴ってもいい」ってなっちゃうのも危険な考え方でした。ごめん!


作品賞は『コーダ あいのうた』

 そんなトピックスもありつつ、今年見事に作品賞に輝いたのは『コーダ あいのうた』でした!

 リメイク作品という不利、手話が物語の主要言語の一つであるという不利、主要キャストにほぼ有名な俳優がいないという不利、そもそも当初は全く本命視もされていなかったところから…………!
 僕はこの映画は大好きなので、これは本当に嬉しいです。まだ公開してる映画館があればぜひ体験してください。愛し合う家族の素晴らしさ、人に何かを伝えることの尊さ、不安に飛び込んでいく勇気。聾文化の魅力や微笑ましい下ネタの数々とともに、たくさんの素敵を味わえる作品です。本当におめでとうございます。

『コーダ』はAppleがサンダンス映画祭で史上最高額で落札して配給権を獲得した、AppleTV+の“配信”の映画でもあります。これまで何年も作品賞を取るために頑張ってきたNetflixを尻目に、ついに配信映画でアカデミー作品賞を取る歴史的瞬間でもありました。

 また、今回『コーダ』がノミネートしたのは3部門ですが、どの部門でも当初は本命視されていなくて(助演男優賞で2番手くらい)、それが賞レース終盤に近づくにつれて沢山の人に愛され、急浮上していきました。
 結果的にその3部門全てで受賞を果たす凄まじい成果を残しています。下ネタさえなかったら、ホントに小学校の教材にしてもいいような映画なんですけどね~(笑)


 今年も面白い映画が沢山ノミネートしたアカデミー賞。早くも配信で観られるようになってる作品もあるので、ぜひ観てみてください。先日公開されたばかりの『ベルファスト』も本当にステキな映画でしたよ!

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