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怒り狂った怪獣王に放射熱線を浴びせかけられて塵も残らない

◆ご注意ください◆
ここから先は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のネタバレが含まれています。まだ観ていない人は回れ右して今世紀最高峰の怪獣カタストロフィを観てくるんだ。過去作のゴジラを全然観ていない?安心してくれ、心の中の5歳児を信じるんだ。好きだろ?怪獣が。

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その昔、VSシリーズなんかは観ていた記憶があるのですが、まともにゴジラ映画を観始めたのは2014年のハリウッド版ゴジラが初。それからシン・ゴジラ、モンスターバースに連なるキングコング髑髏島、初代ゴジラと来て、今年公開された『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を観ました。最高でした。そして狂ってる。狂ってるよこの映画。第一、前作のあの短いゴジラ登場シーンの時点で大大大興奮だったのにKOMの怪獣密度に耐えられると思っているのか?→耐えられませんでした。

序盤からゴジラとギドラががっぷり組み合い、モスラ、ラドンと次々に登場する怪獣の暴れっぷりに脳が溶けそうになる。そして人がゴミのように死ぬ!キングコングの時も大概だったけど今回は全世界規模なので段違いなスケールで人が死ぬ。ヤバい。怪獣王ゴジラと過去作で王の名を冠するギドラという怪獣王座決戦という構図もめちゃくちゃ熱く、さらに自然の調停者たるゴジラと宇宙からの侵略者ギドラという対立軸まで用意されててすごい!すごいぞゴジラKOM!!!

人間ドラマパートは自分も観ていてもにょった部分もあるんですが、冷静に考えると主要な登場人物のほぼ全員が怪獣に対して激重感情を持っているある種の狂人だらけでこれは共感できなくても仕方ない……仕方ないな!よし!怪獣を目覚めさせ自然のバランスを取り戻すというママの主張が奢り昂った人類そのもの過ぎてどうしようもないし渡辺謙はゴジラフリークだし、そんな奴らばっかなモナークは本当に頭おかしい。ありがとうございますいいぞもっとやってくれ。

そんなどうしようもない人間ドラマの中でやはり芹沢博士の核起爆は初代ゴジラのオマージュとしてめちゃくちゃ印象深く、どれだけゴジラが好きなんだという監督に対するリスペクトが止まらない。そして観ていてよかった初代ゴジラ。結果的に怪獣たちと共生していかなければ人類に未来はないというのはシン・ゴジラともシンクロしており、日米ゴジラでいい感じのところで住み分けしつつ共存できたのでは?と思います。まあそんなことより怪獣バトル!怪獣プロレス!!怪獣総進撃!!!なんですけどね。おらもっと怪獣を見せろ!ありがとうございます!!ありがとうございます!!!

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出演者ご紹介&感想

ゴジラ
怪獣王。開幕からその御身をスクリーンに映していただけでとても光栄です。前作でクライマックスまで出し惜しみしていた放射熱線も1ラウンド目から披露しめちゃくちゃテンションが上がる。シンゴジや初代ゴジラを観ていたのでその表情豊かな顔や動きがチャーミングに見えるぞ。オキシジェン・デストロイヤーというゴジラだけを殺すミサイルを受け瀕死になるが、渡辺謙捨て身の気合注入によりバーニング状態に覚醒。常時スーパーアーマー+ゲージMAX状態でギガクラッシュを連発しギドラをボコボコにした。外敵や縄張り侵犯の愚か者を決して許さず、情け容赦ない放射熱線で相手を灰塵せしめる王の貫禄に震えろ。

ギドラ
三つ首をもたげ、翼を広げたシルエットは最高に美しくも異形の象徴であり、怪獣王と比肩する圧倒的存在感を示すスーパーギドラブラザーズ。もっと出し惜しみするかと思ったら序盤からやりたい放題暴れまくってヤバいぞー!カッコイイぞー!!首をちぎられても再生→自然の摂理に反する→宇宙からやってきた→ゴジラの外敵の構図でギドラが侵略者ということがめちゃくちゃ腑に落ちるのがすごい。発電所をパワーアップアイテムに大きく広げた翼から全方位雷撃を繰り出すというサプライズに心の中の5歳児が大興奮。まるで妖怪のように首だけになりながらゴジラから逃れようとするも踊り食いの末塵も残さず消し飛ばされるという末路が涙を誘うが、エンドロールでメカ化リベンジマッチの伏線を張り今から胸の高まりを隠せない。

モスラ
メインヒロインかな?→メインヒロインでした。誕生間もないのにゴジラのピンチに真っ先に駆けつける健気な怪獣の女王。「つまりゴジラといい仲ってことか?」は流石にストレート過ぎて本当にありがとうございました。羽化シーンのあまりの美しさにモナークの研究員もスクリーンの前の我々も息を飲むしかない。鱗粉を吸いたい。倒れたゴジラの上でぐったりしている姿はいい仲にしか見えない。身を呈してゴジラを庇う姿にガンダムヒロインの片鱗を見た。やっぱりこの映画の主人公はゴジラだったんだよ!

ラドン
最高にカッコいい火山爆発飛翔→街暴風カタストロフィという恵まれた初登場からヘコヘコ舎弟ムーヴを繰り出す怪獣きっての癒し役として心を鷲掴み。ギドラに対して果敢に立ち向かったのはいいが両翼を2つの首で封じられ引力光線をもろに浴びせかけられる姿はどう足掻いてもナンバー2にしかなれないアトモスフィアを醸し出す。格下には強気に出る性格で相当な人的被害を出しモスラにもマウントをとり続けるが、研ぎ澄ましたひと針で敗北するのは調子に乗り過ぎとしか思えず、ゴジラに至っては何もせずに頭を垂れるのでもはやそういう星に生まれたのが彼の運の尽きだった。

芹沢博士
ゴジラに激重感情を向ける渡辺謙。前作では迷信深い島の長老ポジションだったが、今作は怪獣オタクの集いことモナークのリーダーとして世界中を飛び回る。怪獣大好き人間が多すぎて相対的にまともな人間に見えるが、彼はゴジラ信奉者急進派の代表なのでその難しそうな表情に騙されてはいけない。核弾頭を手に海底神殿をたった1人で歩み続ける姿は十字架を背負うキリストじみており、狂人だらけのこの映画における人間ドラマパート最高のハイライト。初代との対比がエモエモのエモエモエモすぎて頭がどうにかなりそうヤバい。

モナーク
怪獣と人類の共存の道を模索し続ける怪獣ファンコミュニティの方々。明らかに国家戦力に並ぶ軍備と施設を備えているが一体どこからその対怪獣予算を捻出したのか。怪獣の暴走を食い止めるため決死の軍事作戦を起こすが、怪獣たちに羽虫かカトンボのようにすり潰されて現場生存率は限りなく低い。人間は儚い。

アメリカ軍
そのオキシジェン・デストロイヤーどっから持ってきたんだ。怪獣オタクの熱意に押され、なし崩し的にギドラ対策に駆り出される。人間は儚いその2。

マディソンちゃん
あんな環境でもジョン・コナーみたいにグレずに両親を信じ続けたこの映画唯一の良心。強く生きて欲しい。

パパ&ママ
「こんな両親だったら誰だって家出するに決まってるだろ!」

環境テロリスト
他の人たちが揃いも揃って狂人なので一番まともに見えてくる困った集団。驕って怪獣に壊滅させられることも無く、組織を持続させながら当初の目標を達成するという悪役でありながら前代未聞の偉業を成し遂げた。怪獣たちを野に放つことができたのでめっちゃホクホク。

人類
主語をめちゃくちゃデカくされた結果、一番被害を被った人たち。間違いなく億単位で人が死んでおり果たして文明を維持し続けられるのか次回作への期待が高まる。完全にマッポーカリプス。


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他にも小美人オマージュとかゴジラソリャソリャ!とかマンモスとか語りたいこといっぱいあるんですがこれ以上は頭がばくはつしてしまうのでここまでにしておきます。怪獣映画、最高ですね。本当に最高。


(終わりです)

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