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いいから『ガールズ&パンツァー 劇場版』を観るんだ。話はそれからだ

よく来たな。
おれはazitarouだ。こんにちは。

おれは今『ガールズ&パンツァー 最終章』第2話を観ていてもいられなくなったのでここで文をしたためている。だが、ここで話をするのは最終章のことではない。ここでする話は史上最高のエンターテイメントである『ガールズ&パンツァー 劇場版』についてだ。おれは絶海の孤島暮らしをしているさなかに、偶然浜辺に流れ着いた劇場版からガルパンに入った。ゆえに世間の流れとは全く異なる出会いであり、「ガルパンはいいぞ」も映画を観てから知った。TVアニメ版やOVAももちろん劇場版の後で観た。おれが劇場版を見た回数は優に2桁を超えておりリバイバル上映があれば欠かさず劇場に足を運んでいるがそんなことはどうでもいい。おれはガルパン博士ではない。キャラクターグッズやスマホゲームは一切していないし、スピンオフ作品すべてに目を通しているわけではないし、憧憬の中の大洗を夢見るしがないルンペン野郎に過ぎない。しかし、おれが劇場版を観て感じたことを伝えることは十分にできる。


おそらくここに来ている連中はだいたい劇場版を既に見た人間で、最終章の第2話を劇場で体感してきたことだろう。だが、あえておれはガールズ&パンツァー劇場版の話をする。この作品こそが今後長きにわたる人類史に凛然と輝く最高傑作であり、我が心の王国における史上最高のエンターテイメント四天王の一角だからだ。準備はいいか。薪の用意はできてる。


『ガールズ&パンツァー 劇場版』を観るにあたってTVアニメ版を観る必要はあるのか?答えはノーだ。おれがそれを証明している。この世には前作や過去作を観ずともめちゃくちゃ面白いコンテンツは星の数ほどあり、例えばそれはターミネーター2であったりバーフバリ王の凱旋であったりするし、ジョジョは1部から読まずとも十分に面白く、水戸黄門を1話から観ているやつはいない。ロックバンドのアルバムを1stから追い掛けなければならないルールなんてないし、アイアンマンの次にアベンジャーズを観ても十分話にはついていくことはできる。でもキャプテンアメリカ1は後で絶対に観るんだ。いいね?

ガールズ&パンツァーは戦車の知識を一切持たなくても最高に面白く、むしろ興味がないからこそマニアックな描写の数々によって内に秘める新たな境地に目覚める強烈なパワーを秘めている。それはインドに詳しくなくてもバーフバリが神話的に面白く、プリキュアを全作観ずともオールスターズメモリーズが光の奔流を生み出すのと同義であり、戦車、女子高生、スポコンという人類が脈々と受け継いできた歴史ともいうべき要素が完璧に内包されているからだ。


完璧に王道なストーリーがあらゆる要素を増幅させる

再生ボタンを押して10分もすればあなたは女子高生が戦車に乗って戦っていること、それを大勢の人が観戦していること、紅茶を飲んでいる金髪美少女隊長と専制君主な幼女暴君がグルだということを知ることができるだろう。そこには世界観の解説も登場人物紹介も一切存在しない。響いてくるのは砲撃音、轟音、轟音!そして実力者同士の真剣勝負。完全なパラダイムシフトだ。これが開始10分だ。バカか???

ガールズ&パンツァーの物語は最高にシンプルであり、その道筋には一切の捻りも無駄もない。それは作品の評価を下げる要因になるか?答えはノーだ。エリート校のエース選手だった主人公が試合中のトラブルが原因で田舎の高校に転校し、弱小チームを率いて全国大会を勝ち上がる……それがTVアニメ版のストーリーだ。これは古今東西あらゆるスポーツ作品の地盤ともいうべきフォーマットであり、マウスが何台走行しようともヒビ一つ入らない黄金の形式だ。ガールズ&パンツァーは女子高生×○○(好きな趣味や特技を入れよう!)の日常コンテンツとは土台から異なる(これは女子高生日常ものを軽視しているのではなく女子高生を戦車にのっけてスポコンしているガルパンの方が頭おかしいという意味だ)。

そして劇場版はTV版の後、全国大会を優勝した主人公たちが役人の政治ゲームによって仕組まれた母校の廃校を阻止するため、大学選抜チームと戦いを繰り広げるという内容だ。そこには狡猾な場外暗躍は一切なく、轟音と閃きとカタルシスとカタストロフィの四重奏が常に巻き起こる史上最高のガチンコ試合で全てが決着する。クライマックスに至ってはあらゆる台詞と劇伴音楽は消滅し、鉄が擦れ軋む音、常に立ち上る硝煙の匂い、履帯が地面を削る火花、砲塔から迸る轟音、そして全力を出し切る好敵手同士しか存在しないバトルフィールドが形成される。我々はそこで現代に新たな姿で蘇った戦車とそれを駆る強者(つわもの)を目撃するのだ。


愛がダダ漏れなマニアック描写が新たな新境地を目覚めさせる

ガルパンは戦車のアニメなので当然戦車も相当に力が入っている。それはもうミリタリーに全く興味のなかった人間でさえ「ちょっと待て……今の動きなんだ……?」と思わず2度見するほどだ。履帯のたわみとかどう見ても戦車の挙動を見せたいがためのワンカットシーンとかどう見てもマニアックが隠しきれていない。この知識をひけらかす厭味ったらしさもなく、ただものではないと思わせる部分が完全に信頼できるオタク感を醸し出すのだ。

音の話だ。ガルパンはもはや映画ではなく体感型ライドアクションの領域に達しており、砲撃音とかエンジン音とか走行音とか履帯のメタルタッチ音とかがめちゃくちゃヤバい。「映像と完璧に合致した聴いていて気持ちのいい音」という一点のみを目指して音響製作がされており、まさしくこの世のものではないフィクションの音だ。映画館の良質な音響によって最大限に活かされるサウンドは間違いなく劇場でしか体感できないもので、ただリアルを追求するだけでは決して味わえない、これこそエンターテインメントが極上の快楽となりえる代表例だ。4DXとかマジでヤバいぞ。語彙力が完全に消滅する。

未来へ

これまでは「ガルパンはいいぞ」と言う不思議な短縮詠唱呪文で作品の素晴らしさを語られてきたガルパンだが、最終章に入りその魔法の言葉だけでは魅力を伝えることはいよいよもって難しくなってきたと言えるだろう。大いなる脅威を退け、夏の王者として頂点に君臨する大洗に対し、敗北を帰した各校は逆襲のため変化・成長を強いられる。あるものはこれまでの在り方を見直し、あるものは重大な欠員を補うことに苦しみ、またあるものは弱小高のレッテルを完全に捨て去り驚異的な飛躍を遂げてライバルとして立ちはだかる。もはやガルパンは西住みほ・大洗が主人公の物語というTVアニメ版、劇場版の範疇を超え、全員主役とも言うべきレベルに達しているからだ。

トーナメント方式が導入されたことで、これまでのシンプルかつ王道のストーリー展開から先の読めなくなったことも、これまでと大きく異なる点だろう。トーナメントに熱狂しない人間はいないことは人類の歴史が完全に証明している。しかもそれが戦車部隊の真っ向勝負で繰り広げられたら……?つまりそういうことだ。

最終章によってガルパンは確実に話を畳みにきている。しかしその完結には一体何年かかるかは全く想像できない。第1話の公開から第2話の公開まで1年半かかっているからだ。だが、それもさしたる問題ではない。おれは製作陣を完璧に信頼しきっているし、BD一式と『ガールズ&パンツァー 劇場版 Variante』を所有しているからだ。Varianteはすごいぞ。完結の暁にはその内容を盛り込んだ『ガールズ&パンツァー 劇場版 アルティメット・エディション』を発売してほしいくらいに本編が補完がなされている。もはやスピンオフコミックではなく映像特典の未公開シーン集クラスの傑作オブ傑作漫画だ。


『ガールズ&パンツァー 劇場版』は今ならAmazon primeで無料で観ることができる。おれがここまで長ったらしく話したことはすべてここをクリックさせるためであり、その行動の1ミリの価値もない。いいからガルパンを観ろ。そこに史上最高のエンターテインメントは存在する。


(終わりです)

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