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映画『プロメア』はおれの心の王国を燃やし尽くした

よく来たな。おれはazitarouだ。皆さんこんにちは。

今日は「天元突破グレンラガン」「キルラキル」の今石洋之×中島かずきコンビによるオリジナル作品にして、トリガーが撃ち出した鬼やば最高オブ最高アニメーション『プロメア』について語ろうと思う。もちろんネタバレありなのでまだ観に行っていないやつはさっさと観に行くといい。観に行ったやつはもう一度鼻から吸うんだ。はっきり言っておれは映画レビューサイトの5つ星レビューとかTwitterの140文字短文では全く満足できず、『プロメア』のめちゃくちゃ熱い語りを聞きたいし話したいからこうやってテキストを打ち込んでいる。そういう熱意がこもっている。これでも2日寝かせたので初日のテンションはさらにものすごかったことが完全に証明されていることだろう。


とにかく『プロメア』を観ろ

あらすじとか登場人物紹介とかももちろん割愛する。何故ならこの記事を読むやつはみんな映画を観たやつだし、どうせそんなことを書き綴っても開始10分で展開されるシネマティックアクションシーンではるか光の彼方へ押し流されていくだけだからだ。そう、プロメアは冒頭からヤバい。「オリジナル作品だから最初は世界観説明だよね~」とか余裕綽々な態度で臨んでいたやつは一瞬で灰になるだろう。既にスクリーンではTVアニメ1クール目のクライマックスともいうべき状況が展開され、最終回の如きクオリティでひたすらアクションしまくる。手書き、CG、背景あらゆる美術が超高次元で融合し、トリガーお得意の死ぬほど熱い要素が次から次へと中華鍋の中へと放り込まれ、強火でガンガン調理されてゆく。めちゃくちゃデカいレスキュー車!武装換装可能パワードスーツ!垂直クレーン射出!強化外骨格敵幹部!ラスボスのような玉座!歌舞伎じみた仰々しい名乗り!変形!パージ!サイレン!バイク!凍結銃!火炎刀!その全部が開始10分だ。10分???バカか???

その激流のような情報量と熱気を垣間見ると、主人公らバーニングレスキュー、つまり「秩序」サイドは四角、敵側のマッドバーニッシュ、言うならば「混沌」サイドは三角のアイコンが使われていることが分かる。他にも、キャラクターや演出の色使いもビビッドな色調が効果的に使われており、視聴者の視覚的負担を少しでも減らそうという製作陣の気配りを感じることができる。だが残念ながら『プロメア』は「瞬間圧縮トリガー作品!口の中で2クール+劇場版2作のフレーバーが広がるよ!」なので、理解しようと歩み寄ろうとすればするほど脳の内側から焼き尽くされる代物なのだ。

色んなところで言われている通り、『プロメア』は『天元突破グレンラガン』『パンティ&ストッキング with ガーターベルト』『キルラキル』のDNAを完璧に受け継ぐ史上最高のエンターテインメントだが、それら3作品とは一線を画する点、それが劇場作品ということだ。はっきり言って『プロメア』は2クールのアニメ作品でも十二分に通用する題材でありながら111分という尺に収まり切っており、これは完全に異次元の体験だ。冒頭の最高のアクションから少々のインターバルを挟んで開始される終幕への戦いは常にアドレナリンが分泌され、そのスケールは人と人、混沌と秩序、ロボットとロボット、そしてエゴとエゴがぶつかり合う極上の人間感情が全身を滾らせてゆく。エンディングを観届けた時、そこには異常に高ぶる感情を抱えたまま劇場を後にするお前の姿があったはずだ。


暑苦しい松山ケンイチと早乙女太一美少年と堺雅人第5形態がめちゃくちゃ最高

はっきり言って『プロメア』はキャスト陣も最高で、暑苦しい松山ケンイチと早乙女太一美少年の熱冷コンビは信じられないくらいハマり役であり、劇場を後にする頃には数々のセリフが完全に耳に刻み込まれていることだろう。ガロのいちいち見えを切りたがる長台詞、リオの心の底に秘めた熱き感情、その二人が凄まじい感情のエンジンとなって物語がドライブしていく。

特筆すべきは堺雅人だ。劇中で堺雅人はデスピサロの如き形態変化を繰り返し、最終的に人類の希望というイコンを捨て、自らのエゴをむき出しにした最終闘態へと至るクライマックスバトルは人類史に残るインパクトがあり(当然テラフォーミング決戦ロボットは彼にとって拘束具でしかなく、それを脱ぎ去った彼の表情はニンジャスレイヤーにおけるネヴァーダイズアガメムノンに等しい)、この映画に出演しているキャスト全員を相手にしてもなお有り余る存在感を示してくれる。堺雅人はバーニッシュを使い捨て燃料として箱舟を動かし選別した1万人でもって間違いなく人類を救おうとしたし、それが絶対的な正義だと信じていたし、彼にはそれが実行可能だと確信していた、オジマンディアスその人だった。善悪を超越した最強のエゴの怪物として立ちはだかる堺雅人が観られるだけで『プロメア』は100点満点中5億点の価値があるのだ。


おれの心の王国は何度灰になっても蘇る

おれは『天元突破グレンラガン』『パンティ&ストッキング with ガーターベルト』『キルラキル』がめちゃくちゃ好きだが、いちいちセリフとか相関図とかを完全に暗記しているようなスーパートリガー博士ではない。何故ならそういったものをきらびやかに心の王国に飾りつけしても、想像を超えるコンテンツの前では全くの無力だからだ。『グレンラガン』以降、おれは映画アニメ漫画ゲーム小説あらゆる史上最高のエンターテインメントを更新し続け、今までの人生で最も強大な心の王国を築き上げたが、『プロメア』という原初の炎を迎え入れた瞬間王国は一瞬で焼け落ち、壁一面の棚に陳列していた史上最高のエンターテインメントの数々は灰へと変わった。これは悲しみを意味することではない。お前たちにも経験があるはずだ。エイリアンシップに主砲をぶち込むミズーリ……怒れる巨象を鎮めるバーフバリ……「MUGENは絶対仲間を見捨てねえ」パンチ……「Avengers,Assemble.」……何でもいい。ラオモト・カンとの決戦に挑むニンジャスレイヤーでも地獄の悪魔どもをフェイタリティ殺するDOOMでも、何なら最高にエモいダブステップの転調の瞬間でもいい。『プロメア』もまた同様だ。つまりそういうことだ。

おまえの心の王国が砕けた瞬間、その天蓋の向こうには更なるハイヤーグラウンドが広がっていることを知ったはずだ。そして焼け落ちた灰は土へ還り、肥沃な土壌となって新たな王国へと開墾されていく。他ならぬお前の手によってだ。心の王国が再建される度にその中心にそびえ立つ世界樹は太さを増し、おまえはその頂上からまだ見ぬ地平線を目撃する。それはお前が自身の手でつくり上げた道であり、未来であり、炎の標なのだ。



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