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私が運行管理者を目指した訳

私は、長年物流業界で勤務しています。

父も大型の運転手でしたし、義弟もトラックドライバー。運送業界は幼い頃から馴染み深いものでした。私自身も大型の免許を取ってドライバーになりたかった。いろいろあってなれんかったけど。

倉庫業、運送業のオペレーター的業務に従事していた中、運行管理者になるとは思ってもいなかった。

一番下の娘が中学生になった頃、私は相変わらず業務に従事していたのですが…。ある日勤務中に長女から電話が入りました。一番下の娘が通う学校の生徒が交通事故に遭ったと。まだ身元も判明しておらず、娘もまだ帰宅してないと。私は、冷静になろうとしつつ、動転したのを今でも覚えています。TVニュースでも取り上げられていました。長女とやり取りしながら、慌てて帰宅する中、娘の無事は確認しましたが、家にたどり着くと、TVの前で茫然とする娘の姿がありました。TVには見慣れた場所がブルーシートに覆われ、帰宅途中の女子中学生が暴走車にはねられ、救急搬送されたが病院で死亡が確認されたとの事。同時にSNSでたくさんの情報が流出されていたという事。飲酒運転による事故のニュースが多く取り上げられていましたが、どこか他人事だったのかもしれません。

TVニュースや、SNSの情報を見ながら、歯を食いしばる娘。

小学生のころから友達だった子が、下校中に後ろからはねられ、車とブロック塀に挟まれ…目撃した友達が半狂乱の状態で学校に飛び込んできた。下校時間だったことからたくさんの同級生が目撃者となった。

娘が淡々と私に話す。

なんで?と言いながら、泣き崩れていった。

通夜・葬儀に参列したが、こんなに苦しくていたたまれない事はなかった。

白い布が被せられた顔に凹凸はなかった。

ご遺族にかける言葉はありませんでした。

いろんな感情が子どもたちを襲った。

なんで私は生きているの?なんであの時助けられなかったの?事故に遭ったのは私だったかもしれない…私じゃなくてよかったと思ってしまう自分は罪なのか?と。

原因は、整備不良と聞かされました。

娘が、「ママは、いつも言うやん!飛び出したらダメよって。ちゃんと歩道を歩きなさいよって。」「〇〇は、ちゃんと歩道歩いとったやん!」

「じゃぁ、なんで車の人は守らんの?」

「私らは、交通ルール守っとるのに!」

何度も何度も娘と話しました。

中学校の卒業式、その子の名前が呼ばれた時、卒業生全員で返事をしました。なんとも言えない感情でただただ涙がこぼれました。こんな悲しい卒業式は初めてでした。

その時に、娘と被害者の子に誓いました。

運送に従事する者として、そんな被害者を2度と出さないと。ハンドルを握るプロとして、断じてこのような事故は起こさせないと。1人でも多くの人に知識を共有しようと。

運行管理について勉強し、改めて道路交通法を学び、自分の運転を見直しました。車両が大きくなればなるほど、事故を起こしたとき被害は甚大なものとなります。みんな交通ルールをわかっているはずなのに、遵守するのは難しいのはなぜなのでしょう?せめてうちのドライバーには、加害者にも被害者にもなってほしくないと思いました。それが、私が運行管理者を目指したきっかけです。

横断歩道に歩行者が立っている時、あなたは徐行・一旦停止できていますか?

ハンドルを握っている時、自分の心にゆとりはありますか?

車の整備はちゃんとできていますか?

安全第一! 命がなくなることがありませんように。



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