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確か60デニールくらいの左足だった

一定数の人々の気分から波は消えないみたいだ。
彼らのバイオリズムからくる理不尽なあれこれというものは、それなりに起こる。




波を被って、ここ3週間ほどふまじめだった。
どんな風にかというと、12時まで起きていて本を開いちゃうとか、久しぶりにテレビを観たとか。いつもよりちょこっと遅く家を出たとか。

ところが置かれた状況は変わらなかった。
そして驚くことに、わたしのやってることも、全く変わっていなかった。家での過ごし方をマイナーチェンジしようとも、職場に行けば至って通常運転だった。月曜日には仕事が進むし、わっと思う失敗もする。
本当にいつも通り。
日常が、ちゃんと食われていたらしい。
いや、自ら差し出して食わせていたらしい。
肩の力の抜き時だったのかもしれない。



全然関係のない話をします。
私は世間の酒マナーのようなものを全然わかっていないで生きている気がする。


「ビール瓶のラベルは見えるように持ってそそぐんだよ。」
「グラスの中が三分の一くらいになったらつぎに行きな。でも自分のペースで飲めなくて嫌がる人もいるから考えてね。」


それができていなかったらしく、バレー部時代、OB会の時に、先輩に思いきり蹴りあげられたことがあった。
彼女にもOBとの繋がりを作りたい、だとかポジションを後輩にとられそうだ、とか家での心配事などがあったと聞いた。
色々と事情があったらしい。
イライラがピークのときに、同期とぼんやり呑気そうにしている私が目に入ったのだろう。
スーツを着て正座をしているところを横から。
同じく60デニールくらいのタイツを履いた足で。
蹴られた衝撃で畳に手をついて、胸が苦しくなるほど笑ってしまった。



あの時は笑えていたのに。
今では同じようなことに対して、全部まじめに受け止めちゃいそうな一年を過ごしていたみたいだ。



そのときの部活の同期と
「遠くの方からズンズン歩いてきて蹴られたよね」
と今でも笑っている。


全員自分の人生に大変なんだから。
あのときのように、
どんな理不尽にも、静かに笑っちゃっているほうがいいのかな、と思えてきたのだ。
3週間かかってしまった。

よかったよかった。つながった。
笑うっていいよね。

おしまい。

理不尽ダウンタウンがすき。
みます。

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