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成功した案件、失敗した案件

おおよそ20年以上にわたり、IT系のフリーランスとして仕事をしてきました。この間、様々な内容や規模、役割でお仕事をしてきましたが、その中で「成功した案件」と「失敗した案件」とがあります。振り返ると、なんとなく傾向があるように思いましたので、まとめてみました。

どんな仕事をしてきたか

粒度の違いはありますが、次のような仕事をしてきました。

  • Webデザイナー/コーダー/エンジニア

  • Webプロデューサー/ディレクター/プランナー

  • UI/UXデザイナー/情報アーキテクト

  • ライター/編集者

  • 会社役員

  • IT/ビジネスコンサルタント

  • オンラインショップ担当者

  • 営業/広報

  • プロダクト/プロジェクトマネージャー

  • 講師

「成功」と「失敗」の定義

成功した案件の定義は次のようなものとしました。

  • プロジェクトが完了している

  • クライアントとの関係性が継続している

  • 報酬の支払いがあった/多かった

反対に、失敗した案件の定義は次のようなものです。

  • プロジェクトが完了していない

  • クライアントとの関係性が継続していない

  • 報酬の支払いが無かった/少なかった

案件が失敗した理由として考えられるもの

幸いなことに、最近はめっきり「失敗」が減っているのですが、強く記憶に残っているのはネガティブな方ですので、失敗した案件からまとめてみました。

クライアントにお金がなかった

クライアントにお金がない場合、失敗してしまうことが多かったです。良かれと思って低予算で請けたとしても、結局はお金の問題でこじれたり、請求時にさらに値引き交渉されたりして嫌な気分で仕事を終えることになりました。

そもそも発注時にお金がないということは、事業やプロジェクトが上手く行っていない可能性が高く、さもありなん、といったところでしょうか。

担当者との相性が悪かった

担当者との相性は、そのまま案件の成否に影響しました。打ち合わせの内容を都合の良いように改ざんされたり、作業や提案の意味が理解できずに正当に評価してもらえなかったり、責任を転嫁されたりなどです。

「相性が悪い」というよりも、単純に仕事をきちんとしてくれなかった、ということかもしれません。

信頼してもらえなかった

仕事をする上では「信頼」が大切です。提案や打ち合わせを経て、信頼の醸成を経て発注いただいているはずなのですが、途中でその信頼が揺らいでしまった場合には失敗の道をたどることになります。

社長が疑心暗鬼に陥ったり、聞きかじった新しい情報に心を奪われたり、どれだけきちんと仕事をしていても信頼が失われることがありました。

仕事をさせてもらえなかった

会社内に深く入って仕事をする場合、もしくは現状の改善や改変を目的にプロジェクトに参加する場合、そもそも仕事をさせてもらえず失敗する場合があります。

「自分の仕事が奪われるのでは」という不安や、これまでにやってきた仕事への自負、あるいは体調や精神の不調からくるイライラから、「変化」を煙たく思う気持ちは理解できます。

情報共有が足りていなかった

プロジェクトのキックオフから完了するまで、情報共有は大切です。情報量や頻度だけでなく、誰に情報共有するかも重要です。そのどれかが十分でないと、失敗案件の烙印を押されることがありました。

「今なにをやっているのかわからない」「思っていた内容と違った」「私は知らなかった」などは、情報共有が足りていないときに耳にする不満です。

短納期だった

短納期のプロジェクトは高確率で失敗します。そもそも計画に無理がある場合や、プロジェクト進行中になにか問題が生じたので自分のところに回ってきている場合があり、無理して形にしたとしても良い結果になることは稀です。

短納期故に、普段やらない方法を用いたり、クライアント側のレスポンスやチェックがルーズになったりするのですが、納品物に「短納期で制作しました」とラベルがつけられるわけではないので、「適当な仕事をしている」という悪評までついてきてしまいます。

案件が成功した理由として考えられるもの

一方、成功した案件については、正直なぜうまくいったのかがわからないものも多いですが、絞り出して考えてみました。

敬意をもって対応してくれた

ブログやSNSでの情報発信をみたことをきっかけに声がけしてくれたことから始まった仕事がいくつかあります。この場合、なぜかクライアントが敬意を持って接してくれるため、良好な関係が継続できています。

仕事「以外」のお付き合いがあった

直前の項に近い部分もありますが、仕事以外の関係性がすでにある場合も案件の成功に結びつきやすいです。趣味やスポーツ、コミュニティ活動などで知り合った場合、価値観がある程度近い人と出会えているからではないかと推量します。

需要にきちんと応えられた

クライアントの需要と、こちらの供給できるサービスの内容とがほぼ一致している場合も、成功したといってもよいでしょう。クライアントはITの専門家ではないので、需要をきちんと言語化することはできませんが、それをきちんと汲み取ってサービスを提供できると、お互いに不可欠な関係になりま得ます。

前例のない案件だった

いわゆるブルーオーシャンに飛び込むタイプの仕事や、正解や方法がわからないので一緒に考えながら進める案件では、継続的に仕事を続けられることが多いです。

自分としてはここに強みがあるのでは、とも思っていますが、「得意なこと」や「提供できるサービス」として謳いづらい内容なので、数が多いものではありません。

短期間に結果がみえる案件だった

例えばサポートした翌月に「売上が倍になった」とか、「社外の人に褒められた」など、クライアントから結果が見えやすい作業の場合、成功に結びつきやすいように思います。

どちらかというと、見えないところをきちんとするところに重要性や醍醐味を感じる部分もありますが、関係や信頼の継続のためには目に見える結果も大切なようです。

マネジメントがしっかりしていた

特に大きなプロジェクトの場合、間に優秀なプロデューサーやディレクター、プロジェクトマネージャーが入ってくれると助かります。案件単体としての成功もさることながら、次の案件も紹介してもらえるなど、良い結果がついてくることが多いです。

まとめ

私としてはどんなお仕事も真摯に取り組んでいるつもりなので、このまとめをする前の直感としては「案件が成功するのに理由はないけれど、案件が失敗するのには理由がある」のではなないかと思っていましたが、どうもそうではなさそうです。

今後、自分がフリーランスのお仕事で失敗したくなければ、次の2つの方法があることがわかりました。

これまでの成功に則るアプローチ

仕事以外で知り合ったクライアントと、挑戦的な仕事を優秀なプロマネに入ってもらって短期間で結果を出しながら取り組む

これまでの失敗を避けるアプローチ

お金のあるクライアントの責任者/担当者と時間をかけてお話をして信頼を築きあげてから、情報共有をしっかりとしながら時間をかけて取り組む

上記のまとめは、私にとってすごく納得感があるものです。どうもお仕事がうまく行かないな、とか、もう少しストレスのない仕事がしたいな、という方は、「成功した理由」と「失敗した理由」の洗い出しをやってみることをオススメします。

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