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無題

20年ぶりくらいに、母方の祖父の家があった処を訪れ、墓参りをしてきました。祖父の家はもう取り壊されて、今はそこに伯父が別荘を建て、年に数回友人知人を招待しては宴三昧という、欧米的な生活を楽しんでいるようです。

子供の頃はよく遊んだ庭も、裏庭の池も、川にかかっていた祖父手製の竹の橋も、何もかもなくなってしまい、一部の木々だけが、当時と同じ場所に残っているばかりでした。

父方の祖父の家も、いつの間にやら父方の伯父の一家が祖母を追い出して(と取るか、伯父の息子が買い取ったところで伯父が愛人宅にトンズラしたので、残された伯母や従兄弟(伯父の妻子)には祖母を置いておく理由がなくなったと取るかは、まあそれぞれの立場次第)住んでいて、子供の頃に登った階段も、遊んだ居間も無くなって、やはり玄関の木が昔のようにそこにある以外、面影がなくなってしまいました。

そして生まれてから幼少期を過ごした人生初の実家であった団地は古くなって一帯の取り壊しが決まり、その後移り住んだ第二の「実家」もなくしてしまいました。

歳をとっていけば仕方のないこととはいえ、実家とか家とか故郷とか、そんな感情を抱いた場所はもうことごとくなくなってしまい、ここ数年のドタバタを思い出し、ふと「自分にはもう、帰る場所も思い出の場所も、なにもなくなってしまったな」と寂しくなってしまいました。

そんな旅先でつい見つけた「Mizutaki of birds」の表記。でも入っていたのは鶏肉だけでした(無駄にわざわざスタッフに確認しました)

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