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丸腰って強いんだぞ。

個性がない、派手さがない、と言われ続けてた私も、なんだかんだでラジオDJ歴ボチボチ20年。自分でも思う、よぅ続いてるなぁと。いや、この場合、よく続けさせてもらえてるなぁと。へりくだってるわけじゃない。ほんと、そう思うわ。

だって、本格的にこの仕事を始めたのは2001年。28歳になる年だった。もう若くない。しかも美人じゃない。スタイルもよくない。もうね、丸腰よ、丸腰。その上、ラジオの仕事を始める前にテレビ局でADをしていた私にとって、人前に出るということは大罪だったのである。マイクの前でADが声出そうもんなら、それ放送事故ですぜ、って環境で仕事をしていたわけで。そんな私が、マイクの前で数十万人というリスナーに向けて話をするなんてぇ、もう生きた心地がしないというレベルだったのでございます。

ん!?じゃなんで、この仕事めざしたの?って!?まぁ、、、そりゃぁ、、。はいっ!憧れてました!!だから!!目指したんだけど、それが現実になっちゃうなんて自分が一番驚いたもん。びっくりしてるうちに平日の帯番組が始まっちゃって、初めて自分の武器がなーんもないってことに気づくわけ。後日当時のプロデューサーに「君、次点だったんだよ。受かった子が、ギャラが見合わず降りるというので、繰り上げ合格したんだよ」って言われて、自分で妙に納得したのを覚えてる。(まぁでも、墓まで持ってけよって、話よな。聞きたくなかったですぜ、プロデューサーさま。笑。)

でもさ、丸腰だから、真っ裸で勝負するしかなかったんだよね。“本当の自分“しか戦えるものがなかった。だから自分にとことん向き合った。自分から出てくる感情にものすごくまっすぐに向き合ってみようとした。自分の中のモヤモヤを覗いて掘ってほじくりだしてほどいて広げてかじって飲み込んで吐き出して反芻して。で、その感情に言葉を合わせてみるようにした。ただ、、、語彙力なさ過ぎて言葉が見つからないの。だからいろんな人の言葉を盗んだ。ぶっちゃけ誰かの受け売りで話したりした。でもさ、それが、不思議とそのうちに、、自分の言葉が生まれてくるんだよね。自分の言葉になってくるんだ。あと、自分から生まれるドス黒い気持ちにもちゃんと向き合った。すげーやなヤツって自分でも思いつつ、その根本まで掘り下げると、自分の気持ちが浄化されるんだ。ドス黒い気持ちが成仏してくの。"こんなこと思っちゃいけない"なんて思えば思うほどドス黒い気持ちって増殖するから、負の気持ちに向き合う時間は今でも大事にしてたりする。負の気持ちがなくなれば、誰かと戦うこともなくなって丸腰で暮らせるし。

あれからもうすぐ20年。今も私は丸腰だけど、丸腰だったから、強くなれた、、、気がしてる。丸腰で勝負、裸で勝負、自分で勝負。だって、自分から生まれてくる本当の気持ちなら、恥ずかしくなく人に話せるんだ。嘘がなければ、真実ならば、耳を傾け言葉を信じてくれる人が必ずいるということを私のキャリアが教えてくれてるから。

もう、おばちゃん。シワも白髪も増えてきて、腰回りの肉が取れなくなってるけど、丸腰のままで行くから。武器はもってないから。


#私の仕事




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