ホテルの一角に人を不幸に陥れる棒がある。触れれば不幸になる、しかし手を触れずにはいられない。そんな棒がある。

今日もその棒の前に一人の女がやってきた。女は何度もその棒に触れた。その結果、当然のように不幸になる。全財産を失ったのだ。

次の日もその棒の前に一人の男がやってきた。この男も何度もその棒に触れた。このことが家族に知られ、しばらくして彼は離婚することになる。

その次の日、世界一の幸運を持つ男が棒の前にやってきた。彼は何度も何度も棒に触れた。彼には幸運がついている。一夜にして一生遊んで暮らしていけるほどの大金を手に入れた。
金持ち棒に触れて大金持ちになった男は、翌日もその翌日も何度も棒に触れた。しかし運に見放されたのか、あっという間に大金を失った。

人々が涙を流す中、笑いが止まらない男がいた。
金持ち棒をホテルに置いたカジノの経営者だ。