ボクのサンタ #2021クリスマスアドベントカレンダーをつくろう

「12月24日金曜日。今日はクリスマスイブです。素敵なクリスマスになるといいですね。」

保育園の先生はそう言った。
ママもパパも今日も仕事。お迎えにはたぶんおばあちゃんが来るんだ。
でも、ボクはサンタさんにお願いしたんだ。
クリスマスは家族みんなで笑顔になれますようにって。

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「お先に失礼します。」
今日はクリスマスイブ。イブの夜ぐらい家族と過ごしたい。
急いで保育園に向かおう。帰りにチキンとケーキを買ってパーティーをしよう。

「お、今日は早いね。」
「イブの夜ぐらい家族で過ごしたくて。」
「楽しく過ごしてね。」
「ありがとうございます。」

今夜はいつもよりも明るい。
イルミネーションと笑顔があふれてる。
星もキラキラしている。

「ママがおむかえにきた!!」
「いつも来られなくてごめんね。」
「ううん。ありがとう。」

冬の夜の道を歩く。右手が温かい。

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「イブの夜にすまないが、残業をお願いできるかな。」
「わかりました。」

イブの夜ぐらい家族と過ごしたい。しかし仕事だ。仕方がない。
いつもよりも急いで仕事をする。やっと片付いて時計を見ると、20時を回っていた。
急いで帰ろう。

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「パパ、遅いね。」
「そうだね。」
いつものことだけど、パパは帰ってこなかった。
寝る時間が迫る。
「そろそろ寝よっか。」
「うん。」

『眠らないとサンタは来ない』ってクリスマスの歌を保育園で歌った。
でも、眠ったらサンタさんは来ないと思うんだ。
歌の通り『片目をあけて』サンタさんが待っていよう。

しばらくして、窓の外に雪が見えた。
『こん!』虫が窓にぶつかったような音がした。

「ただいま。」
「おかえりなさい。」

パパが帰ってきた!
ボクはふとんから出てパパとママのところへ。
走ってきたボクに驚いたような顔のパパとママ。
でも、すぐにみんな笑顔になった。

寝る時間を過ぎてしまったけれど、今日は特別な日だからみんなで歌を歌ってイチゴのケーキを食べた。
そして、保育園で歌った歌みたいにダンスをした。

サンタさん、みんな笑顔になったよ。
願いをかなえてくれてありがとう。

クリスマスにはサンタさんがプレゼントを運んでくれる。
トナカイの鈴の音が聴こえた気がした。

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こちらの企画に参加しました。

昨年も参加した百瀬七海さんのアドベントカレンダーに今年も参加させていただくことができました。
昨年の作品はこちら。

そして12月25日の特別編参加作品はこちら。

昨年は「掌編小説」を書くという慣れない縛りの中で精いっぱいやりました。
今年はジャンルの縛りはないということで、何を作ろうかと考えました。
しかし、私は小説を選択。天邪鬼あずきです。

とはいえ、小説を書きなれない私が突然小説を書けるわけもなく、これもまた昨年同様に過去の作品の力を借りることにしました。
それが、小説の中に登場する歌の「ボクのサンタ」です。

この作品は私がやった企画の中でcofumi(こふみ)さんが作詞をしてくれた作品です。

この歌詞を読んだときに浮かんだ温かい笑顔の3人を小説にしてみました。

クリスマスまであと少し。
みなさんに笑顔のクリスマスが訪れますように。

今年のクリスマスを彩るクリスマスソングはこちらから。

伝え合いましょう。気持ち。