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観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.02)


01.活字本

01.ヘブンメイカー

人気ホラー作家の描く異世界モノ。
異世界へ行った者は10個の願いを叶えることができるのだが、話の広げ方が面白い。
なろう系のような設定でありながら、1つ1つのエピソードに厚みを感じた。
宗教問題や民族差別といった要素も上手に組み込んでいると思う。

02.世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~

少し前に話題になったビジネス本。
タイトルは胡散臭いが、ビジネスにおける美意識の必要性をロジカルに説明している。
成功した会社の例としてAppleを上げていたが、同時にアート型のジョブズが追い出された理由も説明されていた。

アートとサイエンスとクラフトを横に三つ並べれば、アカウンタビリティの格差という問題が必ず発生し、アートは必ずサイエンスとクラフトに劣後することになる。
一方で、サイエンスとクラフトに軸足をおいて、説明責任=アカウンタビリティを過剰に重視すれば、天才を組織に抱える余裕は失われ、組織は論理的かつ理性的に説明のできることのみに注力することになります。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~

アートはサイエンスやクラフトと比較して、数値的な裏付けをしにくいため、議論になると勝ち目がない。
サイエンス>クラフト>アート
という図式が成り立つ。

しかし、アートによる価値の創造は他者から真似されにくいという強みがある。

私は、アップルという会社の持つ本質的な強みは、 ブランドに付随するストーリーと世界観 にあると考えています。
なぜなら、外観もテクノロジーも簡単にコピーすることが可能ですが、 世界観とストーリーは決してコピーすることができない からです。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~

03.世界で最もイノベーティブな組織の作り方

またしても著者は山口周。
日本がAppleのような会社を作るために必要なことを書いている。

重要なのは、人と異なる考え方/感じ方をどれだけ組織成員ができるか、そして考えたこと/感じたことをどれだけオープンに話せるかという問題です。

世界で最もイノベーティブな組織の作り方

一番重要なのは、この言葉に集約されていると思う。
風通しがよく、意見の通りやすい組織づくりがイノベーションには不可欠である。
しかし、同時に日本企業でイノベーションを起こすことの難しさも分かる。
新卒至上主義かつ、終身雇用で、同じ価値観の人間で組織を染め上げる日本企業に「意見の多様性」を求めるのはハードルが高い。

04.マンガ原作のつくり方: 企画書からはじめる

SNSで目にした漫画原作者のハウツー本。
70代のベテランならではのアドバイスが丁寧に記されている。
書かれていることは地味だが地に足の付いた助言が多いので、読む価値はあると思う。
何度か読み直して血と肉にするタイプの内容。

02.マンガ

01.転生コロシアム~最弱スキルで最強の女たちを攻略して奴隷ハーレム作ります~

Twitterの広告でポチって見たら結構面白かったので購入してしまった。
タイトル通り、転生した主人公がコロシアムで戦う話。
敵である女性キャラに勝ったらHするという流れ。
能力バトルで強敵を工夫して倒すのがシンプルに面白い。
いきなり本題に入るのが、なろう系原作の良いところ。
ただ、3巻にして若干飽きてきた。
序盤が瞬間的に面白くても、徐々に冷めていくのもなろう原作の宿命かも。

02.マイホームヒーロー(23)

ライバルである窪との対決も幕を閉じた。
面白いのだが、ピークは過ぎてしまった感がある。
村で話を終わらせたほうが話としてはキレイにまとまったと思う。
好きな作品だけど以前ほど続きが気にならなくなった。
アニメ化もされたのだが、制作会社ガチャに失敗したのは残念だった。
もう少し世間に面白さを認知して欲しい作品。

03.ぼっち・ざ・ろっく!外伝 廣井きくりの深酒日記

人気アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のスピンオフ作品。
アル中の凄腕ギタリストが主人公。
破天荒な性格のように見えて、実は気が弱いという所が魅力。
酒が切れて現実に向かい合う話が良かった。
日常回がベースなのでダメ人間の観察日誌として楽しんでいる。

04.ウ号作戦の鬼

『腹腹先生』の作者の新作読み切り。
ジャンプルーキーに上げられているが、完全なるプロの仕事。
異能力の設定が分かりにくいが、一枚絵がホントに上手い。

第二話

個人的には『妖幻の血』をリブートするなら、高口楊先生にやってほしい。

05.BIBLIOMANIA

Kindleで無料。
圧倒的な画力だが、ストーリーが難解。
『不思議の国のアリス』を下敷きにしているようだが、良さは分からなかった。

06.九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー

書店で買えないのでKindleで購入。
『ダンジョン飯』は1巻の時から紙で購入しているので、後日買い直すつもり。
ラクガキ本とは思えないほどの密度。
人物の書き分け能力が恐ろしく高くて驚いた。
同業者の人だったら心折れるレベルの画力だと思う。
素晴らしい作品を数千円で味わえる時代に生まれたことを感謝。

07.望郷太郎

『へうげもの』が好きだったので、こちらも購入。
文明崩壊後の世界で、サバイバルをするエリートサラリーマンが主人公。
物々交換の世界から、貨幣経済が生まれていく流れは面白い。
序盤は地味だが、徐々に面白さが加速していくので今後の展開に期待。

03.アニメ

01.葬送のフリーレン

原作だと地味な印象だった試験編が、ハンター試験並みに動いてくれるので面白さが倍増している。
優秀な監督というのは、原作の欠点をカバーしてくれる稀有な存在であることを知った。
『鬼滅の刃』の時から思ったのだが、アクション描写が苦手な原作こそアニメ化は大きなプラスになると思う。
逆にアクション上手すぎる『サカモトデイズ』なんかは映像化に苦労しそう。

アニメ25話では、原作で好きなエピソードの補完描写が素晴らしかった。
ゼーリエがフランメのことを語るシーンには涙腺が緩くなってしまった。

04.映画

01.ヴィーガンズ・ハム

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B6NJ2G9P/ref=atv_dp_share_cu_r

ヴィーガンに店を荒らされた肉屋の夫婦がヴィーガンで人肉ソーセージを作る話。
シンプルなストーリーなのだが、ブラック・ユーモアが効いていて面白い。
「ヒトラーはヴィーガンだったよ」「でも人をたくさん焼いた」
この下りはフランス映画らしく、ドイツ人に対する熱い思いを感じた。
人を狩るごとにワイルドさが増していく店主の姿を、サバンナのチーターと比較させる演出は良かった。

05.音楽

阿久悠の作詞した曲にハマり、You Tubeでプレイリストを作成した。
多作ということは知っていたが、曲の幅の広さに震えた。

ピンク・レディーの歌詞の多くを手がけ、また「スター誕生!」で実質的なアイドルプロデューサーの役割を果たした昭和を代表する作詞家= 阿久悠 は、平成の歌をして「あなたと私以外に世界を持たない。向かい合っている相手だけを見ているのか知らないけれど、歌の中にまったく景色がない。(中略)その結果、今年の歌も去年の歌も一昨年の歌も、結局、どこかで聞いた同じようなことを歌っているだけということになる」と指摘しています。

仕事選びのアートとサイエンス~不確実な時代の天職探し 改訂『天職は寝て待て』~

改めて平成の曲を聴いてみると、確かに景色がないことに気付く。
昭和の曲は映画で、平成の曲はブログという指摘も間違ではないと思う。

上記を意識して『津軽海峡・冬景色』を聴くと、風景描写に圧倒される。
映画のワンシーンを見ているようだ。


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