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観たもの、聴いたもの、読んだもの(2023.08)

01.書籍


01.推し、燃ゆ ★★★☆☆

電子書籍で安くなったので購入。
(以前は1,000円以上)
推しというテーマで芥川賞を受賞した作品。
文章は一文が長くてやや読みにくいが、内面を掘り下げた描写が上手かった。
主人公はADHD(注意欠如・多動症)っぽいところもあり、飲食店でマルチタスクが出来ないところはリアリティがあった。
また、不向きながらも推しの為にバイトを頑張る姿は、信仰のために身を粉にする聖職者に近いものを感じた。
日本人は神様の代わりにアイドルを崇拝しているようにも思える。
また、途中に出てくる推しが背骨となるという表現も作品のテーマを表す上手い表現だと思う。
最終的に主人公は多くの物を失うのだが、これは推し活をしている人たちへの警鐘も兼ねているのだろう。
ただ、背骨を失った人間がどう立ち上がるべきなのか作者は提示していない。

02.呪物蒐集録 ★★★★☆

kindle unlimitedにて無料。
呪物の写真と入手までの経由が載った本。
人形率が多いので苦手な人は注意。
自分は怖いものが苦手なので、湯船の中でも鳥肌が立った。

面白かったのは、著者が賃貸住まいのため、霊障が他の入居者に影響を及ぼすところ。
ホントに迷惑でしかない。
あとは、呪具が多いのに著者に悪影響がないこと。
呪いが相互にぶつかり合って打ち消しているらしい。
また、海外では呪具コレクターの数が結構いるようでeBay等では呪いの人形の出店も多いそうだ。

02.マンガ

01.あの子は友達 ★★★★☆

Discordでオススメされていた短編マンガ。
クラスの地味目の女の子に恋した主人公が振り回される話。
自分の魅力を理解しつつ、男の子を都合よく使う辺りが解像度高い。
友達というラベルの使い分けがホント上手くて、悪意があるのか無いのか分からないとことが怖い。
こういう話はメンタルが元気な時に読むべき。

あの子は友達

個人的には、このシーンが好き。
文学少女とは思えないほど長くつまらなく、って何故か納得するものがあった。

02.メイドインアビス(12)★★★★★

所有していると性癖を疑われそうなので、電子書籍で集めている。
ストーリーは抜群に面白いが、作者の癖が隠しきれずにダダ漏れになっている。
特に最近は画力も向上してきて、とんでもない領域展開をかましてくる。
(性癖の開示によるマンガ力の底上げ)
つくしあきひと先生は、鈴木 敏夫に出会わなかった野生の宮崎駿監督だと思っているので、このまま突き抜けて欲しい。
世に放たれたヘンリー・ダーガーの活躍を目に焼き付けたい。

03.新しい君へ(5)★★★☆☆

令和の『20世紀少年』×『時をかける少女』
細菌テロを防ぐために女子高生が奮闘する話。
『20世紀少年』を読んだことがない人にはオススメ。
自分はキャラクターが好きなのとオチをキレイにまとめることが出来るか気になって集めている。

04.前から好きだっつってんじゃん ★★★★☆

短編読み切り日常系マンガ。
こういう話は好き。
沙村広明がたまに書く日常系を思い出した。
コントとしても面白いし、オチもキレイにオチてる。
昔から好きなジャンルが有名になった途端、ミーハー扱いされる現象を思い出した。
自分は鬼滅をアニメ化前から集めていたが、好きと言い辛くなった(涙)

05. うつろうカノジョたち ★★★★☆

人気アニメ『ぼっちざろっく』の作者・妹の読み切りマンガ。
姉妹揃ってマンガ力が高くて震える。
多重人格探偵サイコのラブコメ版。現実だったらビリー・ミリガン。
圧倒的な画力とキャラデザで、新人の中では頭一つ抜けた面白さだった。
本誌で連載を持ったら『ニセコイ』くらいのポジションは取れると思う。

05. 北極百貨店のコンシェルジュさん(1) ★★★★☆

町田洋作品を調べている際に、たまたま知った1冊。
エドワード・ゴーリー風の絵柄と、温かいストーリーが特徴。
新人のコンシェルジュの秋乃さんが全力で働く姿に癒やされる。

北極百貨店のコンシェルジュさん

シンプルな絵柄だけど、表情がイキイキしている。
本の装丁も美しいのでインテリアとしても最適。
この本を持ってる人とは仲良くなれそうな気がする。
自分がカフェテリアを開いたら「店長オススメ」のポップアップを付けたい。

アニメ化も決定しているので人気が出ることを期待したい。

03.アニメ

01.るろうに剣心 ★★★☆☆

引き続き視聴。
原作を丁寧に描いているが、志々雄真編まで尺が足りるか心配。
ノスタルジーも入っているが、やっぱりキャラが魅力的。
昔は薫殿が感情的でイライラしたが、15歳という設定に納得。
歳を取ってから見ると見え方も変わってくる。

02.呪術廻戦 シーズン2 ★★★★☆

引き続き視聴。
過去編も終了。
個人的には満足の出来なのだが、不評という意見も聞いて不思議に思っている。
『呪術廻戦』は夏油の闇落ちまでの過程が丁寧に描かれているのが好きなポイント。
主人公よりも作者の思い入れの強さを感じる。

03.BanG Dream! It's MyGO!!!!! ★★★★☆

鬱アニメとしてXのトレンドに上がっていたので視聴。
鬱というよりは下がり展開の多いアニメ。
少し良いことが起きると、すぐに悪い流れが来るため、観ていて気持ちが上がらない。
しかし、バンドアニメで楽器を触る時間よりも口論のほうが長いのは斬新だと思う。
さらに、メンバーの大半がバンドをやるという大義を抱えているが、実際は個人の利益を追い求めている所も生々しい。
見た目は可愛いJK達なのだが、人間関係はドロドロのリーマン社会。
『ぼっちざろっく』と交互に観ると暖と寒で最高に整う。

04 .無職転生 シーズン1 ★★★★★

会社の後輩に推されて視聴。
なろう系アニメは忌避してきたのだが、これは面白かった。
(2日間で18話まで視聴)
異世界の設定が練り込んであり、人種差別と言ったテーマも取り入れているのには驚いた。
個人的には18話のロキシーが帰郷する話が好き。
また、主人公が緒に旅するヒロインが暴力系ツンデレヒロイン(涼宮ハルヒ風)でとても懐かしい気持ちになった。
多分、作者はゼロ年代で青春を過ごした自分と同年だなんだと思う。
現在シーズン2が放映中なので、なんとか8月中には追いつきたい。

※追記 現在シーズン2の最新話まで視聴済み。

04.映画

01.ニュー・シネマ・パラダイス ★★★★★

『キネマ探偵カレイドミステリー』で登場したので、気になって鑑賞。
名作と聞きながらも、Amazonのウォッチリストに数年間寝かせていた。
映画の栄枯盛衰というテーマと映写技師という職業がマッチしており、淀川長治が究極のベスト100に選定したのにも納得した。
映画の黎明期を肌で実感してきた世代が見たら高得点を付けるしか無い。
ただ、個人的に気になったのが、青年編からの失速感。
子供時代のトトとアルフレードの関係が良すぎたせいで、話のテンポが変わったように感じた。

02.FALL ★★★★★

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8SFLDK7/ref=atv_dp_share_cu_r

全高600mのテレビ塔から降りられなくなるというワンシチュエーション映画。
登場人物は数人しかいないのに、圧倒的に面白い。
落下という根源的な恐怖を丁寧に描いている。
限られたツールでサバイバルを行う展開も良い。
伏線もキチンと貼られているし、久しぶりに面白い映画だった。
肝が冷えまくるので夏にオススメ。

03.ジョン・ウィック ★★☆☆☆

ビッグモーター関連のツイートで気になったので観てみた。
キアヌ・リーブスがカッコいい映画。
続編が作られるほどの人気作品だけど、割とフツーだった。
無双するけど、思っていたよりもキアヌに無敵感がない。
こういう映画はしばらく良いかな。

04.スワロウテイル ★★★☆☆

邦画でオススメされていたので観てみた。
岩井俊二監督の初期作品。
邦画なのに中国語と英語と日本語が入り交じる不思議な作品。
面白さは微妙だけど、登場人物とか設定で光る部分が多い。
出稼ぎ労働者(中国)の主人公達が、知ってる単語から日本人名を名付けるところは印象に残った。
正直、CHARAが演じるグリコはホントに中国人俳優だと思ってた。

日本のサラリーマンはみんなグリコを食べて大きくなったんだよ
この台詞も独特で良い。

“円”が世界で一番強かった時代。一攫千金を求めて日本にやってきた外国人達は、街を”円都(イェン・タウン)”と呼び、日本人達は住み着いた違法労働者達を”円盗(イェン・タウン)”と呼んで卑しんだ。
そんな円都に住む、円盗たちの物語である。

スワロウテイル

円が弱い今の時代に観ると、冒頭のナレーションにグッと来るものがある。
監督も僅か30年でここまで日本が弱体化するとは思ってもいなかっただろう。
日本人が他国に出稼ぎに出る時代も近いかもしれない。

エンドロールで流れる「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」は名曲。
以前から聴いていたが、映画を観てようやくタイトルの意味が分かった。

05.Room ★★★★☆

アマプラのウォッチリストに長年放置されていたが、お盆で暇なので視聴。
7年間監禁された女性と犯人の間に生まれた子どもの話。
設定だけでもツラい。
そして、実話が元になっていると聞いて更に驚いた。
脱出するまでのストーリーかと思いきや、話の半分は脱出後の人生について描かれている。
子どもがいなければ脱出は不可能だったが、犯人と血が繋がっているという葛藤が重い。
特に祖父が孫の顔を見れないという描写が生々しかった。
(和解する流れもなくフェードアウト)
何とか受け入れようとする祖母と違って、努力する素振りさえ見せないところも細かい。
人にはオススメし辛いが、良い映画であることは間違いない。

05.ドラマ

01.どうする家康 ★★★★☆

信長が退場してから話がつまらなくなる心配をしていたが、ムロヨシの演技が上手いので杞憂だった。
そして、覚醒してからの家康の成長がスゴい。
信長の血を輸血したんじゃないかと思うくらいの冷静さと判断力。
家臣団も松山ケンイチが合流してから団結力がアップしてGOOD。
途中で視聴をやめなくて良かった。

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