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獅子王【日々のツイトレ】

※2020.4.3friのTwitterトレンドワードより


「獅子王」と聞くと、思わず「ガガガ ガガガ ガオガイガー♪」と某勇者王が頭の中を駆け巡る私です。


「獅子王」の名を冠する人といえば、ヨーロッパの歴史で何人かいますが、ライオンハート獅子心王リチャード一世が有名でしょうか。

紋章学的には、初めてライオンの模様を紋章に取り入れたとされるスコットランド王ウィリアム一世が真の獅子王を冠する人かも。

王族・貴族の紋章は、日本で言うところの家紋みたいなもので、中世ヨーロッパの家系や出自を示す大きな手がかりになる文様です。ヨーロッパは今でも貴族社会が色濃く残っていて、様々な場で紋章をモチーフとしたデザインを見ることができます。


ライオンは古代エジプトの時代から王の象徴であり、勇気や権力をイメージされてきました。スフィンクスのような人の頭にライオンの胴体を持った存在も、古代エジプト王国の王家の象徴とされます。

それに対して、ギリシア神話やメソポタミアのバビロニア神話ではスフィンクスが怪物として描かれていて、古代エジプトと敵対していた時期なのではないかという解釈もあります。


ライオンの生息する地域でイメージが伝播していくことは想像できますが、実際にライオンが生息しない地域ではどうでしょうか。


ライオンの生息しない日本で「獅子」が定着しているのは「獅子舞」の影響が大きいと思われます。厄災を払う縁起物として日本のお正月に欠かせない物ですが、起源は飛鳥時代まで遡るといわれます。少なくとも「唐獅子」とあるように中国が「唐」の時代には獅子舞が日本に伝来しています。

獅子がデザインされた調度品があったことは「枕草子」にも書かれているくらいです。


日本にはもうひとつ、古くから根付いている獅子がいます。神社に対で守護している「狛犬」です。

「狛犬」なので「犬」だと認識している人もいると思いますが、獅子舞の顔に似た動物がデザインされています。「こまいぬ」の謂われやデザインの変遷については諸説ありますが、中国から伝来した際は獅子だったという説が有力です。

「狛犬」と似たデザインですが、中国からの伝来ルートとは違ってインドから東南アジア経由で伝わったとされるのが、沖縄の「シーサー」です。古代インドの言語であるサンスクリット語の「ライオン」を表す「シンハー」が語源とされます。


日本に本物のライオンが来たという記録が残っているのは1902年の明治35年とされているので、それまで獅子は絵で描かれた動物でしかありませんでした。

そんな動物が日本に深く根付いているのは、日本の宗教的な懐の深さが影響していると思います。宗教に関してある種の無節操さは、日本人の良さです。


獅子のデザインイメージ伝承について軽く紹介してみました。


今回のトレンドにあった「獅子王」ですが、舞台「刀剣乱舞」の最新作の追加キャストが発表され、その中に獅子王(伊崎龍次郎)があったからのようです。

残念ながら私は「とうらぶ」に明るくありません。刀剣に関してもショボい知識しか有してません。

獅子王という刀剣があることを知らなかったので、刀剣乱舞経由で調べてみたら、『平家物語』の鵺エピソードと関連あるみたいじゃないですか。鵺といったら、日本の妖怪の中でも超有名キメラです。これは知っとかないとダメでしょ!

というわけで、よくよく読んでみたら、源頼政が鵺を斬った刀ではなく、その後で賜った刀でした。なるほど。


今、2.5次元ミュージカルを含め舞台が厳しい状況を迎える中、こういったエンターテイメントの話題で盛り上がるのは嬉しいことです。状況が沈静化した後、今まで溜まっていた鬱屈が爆発する舞台になりそうです。

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