継承と、反抗と、自立

継承。反抗(反発)。自立。
この3つから、美術史を切ってみる方法は、どうだろう。

継承は、必ずしも直接の「師弟」でなくて良い。
時や場所を隔てて、手本と仰ぎたい人や作品に出会い、「私淑」する。その典型的な例は琳派だ。
ギリシア・ローマの古典を学ぶことも、同じようなものだろう。

でも、お手本を唯々諾々と受け入れているだけでは、亜流止まりだ。
「納得いかない」という思い。
「もっと、違う方向を試したい」と、焦りに焼かれ、しかし、その具体的な方向がわからずにイライラする。
そうなった場合、迷いを抜け出すまでが何と長いことか。
印象派は、型にはまったアカデミーの教えや、サロンの審査制にカチンときたことから始まった。
描きたいものを、自分たちのやり方で描きたい、発表したい。
その思いから、彼らはグループ展(印象派展)を開いた。
遅れて、同じくサロンの落選を経験したスーラたちが、アンデパンダン展を開いた。
印象派展は、8回で終わったが、アンデパンダン展は続いている。

最後の「自立」。
印象派以後の世代の画家たちにとって、「どんな絵を描くか」「自分らしい絵とは?」は、大きな課題(テーマ)だった。
すぐ近くの先輩や、遠い先人、と手本を探し求め、真似てみる中で、その答えを探す。
それは時に思いがけないほど近くに潜んでいることもある。
見つけ出す方法の一つは、自分が何に対して「感動」するかに、目を向けることだろうか。
それが、他との差別化のヒントになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?