徒然日記~窓、窓、窓……

ライターとして、自分の幅を広げたい。
書く物の質を底上げしたい。
そして、「面白い」という映画の仕事に近づきたい。

そんな動機から、シナリオセンターのワークショップを受け、勢いで8週間講座に申し込んだ。
8週間講座は、何だかんだで最後の一回を除いては毎週の課題を提出していた。
が、本科にあがって、書くべき枚数が20枚に増え、さらに「小道具」の括りができて、どうしたら良いのかわからなくなってしまった。
最初の課題シナリオ「ハンカチ」ができるまでに一年近くかかった。

図書館、テコンドー、ゴッホなど、自分の近くにあるものをポンポンと投げ込んだ。

その後、やはり苦戦しながらも2本目の「マッチ」を書いて発表。それから前よりも間を置かずに3本目を出すことができた時には、「少しは成長できただろうか」とも思った。

その後、本の仕事(『西洋絵画 風景をめぐる12か月)が入ったことで、時間のほとんどを取られ、ブランクが数か月。
3本目~5本目で共通して言われたのは、「詰め込み過ぎ」。
「小道具の影が薄い」
「20枚シナリオ(映像にして約10分)で書けることは限られている」
確かに、アート関係の記事を書いていても、「詰め込み過ぎ」と自分でも感じることはあったし、自分の欠点だと改めて自覚した。
焦りもあったかもしれない。
自分が他の生徒さんに比べて書くペースが遅い事。
「〇〇が得意」「〇〇が向いている」など、自分の強みや方向性が見いだせていなかったこと。
一言で言うと、「迷走」していた。
どうすれば脱出できるのか。
「小道具の使い方」というものについて今一度見直すために、『月刊ドラマ』に掲載されていた『相棒21』のシナリオを書き写したりもした。
この「写経」の効果は絶大だった。
6本目として書いた『赤と緑』(テーマは「時計」)が、これが好評だったのだ。

最初はいつものようにヒューマンドラマとして考えていたのだが、写経した作品の影響をまともに受けたせいで、それまでの案を捨てて、一から書き直した。
サスペンスを書いたのは初めてだった。
が、今から思えば、何故それまでサスペンスを書くという発想がなかったのだろう?
ドラマと言えば、刑事ものばかりチェックしてしまう癖に。
おかげで先生からも、「なかなか案が出ません」と言う度に、「サスペンスを書きなさい」と返ってくる。
そして、書き始めなければ、作品は進まない。(これは先日「ススキ」を書いた時に実感済み)

「小道具を活かす」という課題は、何とか克服できたが、ここから先がまた変わってくる。
今度のテーマは「窓」。
窓はこれまでの薄や時計、帽子などのように持ち歩けない。
どうするか?
窓が出てくるサスペンス映画といえば、ヒッチコックの『裏窓』だが。

とりあえず今までに思い浮かんだシチュエーションは
・スマホを見ながら歩いていたら、上からお金が降ってくる。顔を上げると、窓から誰かが身を乗り出している。スマホの撮影機能で拡大して見ようとするが、その直後、窓が爆発する。(え~?)
・ビル清掃のバイトをする青年(本職は劇団員)が、ある商社のビルの窓を拭いている時に、不倫か何かの現場を目撃してしまい、ついつい見入ってしまう。が、実は女性の方には気づかれていて、顔もばっちり覚えられていた。その後、再会した女性に、「儲け話」を持ち掛けられる。

後者なら、悪女ものとして書きたい。
書くなら、要になるシーンから書き始めた方が良いのかも。で、その前後をうまく埋める。
どうなるかはわからないが、これでやりとげたい。

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