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【レポート】 2024/4/10 茨城ロボッツ戦

2024/4/10水 北海きたえーる

レバンガ北海道 79
茨城ロボッツ 70

北海道    茨城
 18 【1Q】   18
 19 【2Q】   11
 19 【3Q】   22
 23 【4Q】  19

見事にレバンガ北海道が勝利しました!
その勝因について3点ほど挙げて
考察したいと思います。


① # 24 デモン・ブルックスの貢献

# 24 デモン・ブルックスの3ポイントに
助けられた試合も多かった2021-22シーズンと比べ、
怪我から復帰後の今季は
3ポイントの精度において苦労していそうです。

4/11現在で、
3ポイント成功率は30.2%であり
(2021-22シーズンは 38.1%)

平均得点も13.0点に留まっています。
(2021-22シーズンは17.7点)

しかし、一旦コートの上に立てば
誰よりもハードに体を張って
チームに貢献している姿が目に入ります。

4/10茨城ロボッツ戦では、
19分05秒のプレイタイムで
16得点、6リバウンド、2スティールと
奮闘を見せていました。

特記すべきは、2ポイントの成功率で7/10の70%でした。
ショットチャートは以下の図の通りです。

2024/4/10 茨城ロボッツ戦 # 24 ブルックスのショットチャート

茨城のビッグマン2人から
激しいディフェンスを受けながらも
多彩なシュートパターンで得点しています。

ゴール下で押し込めるパワーと
繊細なフィニッシュ力が
今季の# 24 ブルックスの強みとして
確立されつつあると感じました。

調子を上げている # 7 中野の3ポイントや
勝負所で決め切る # 4 寺園のクラッチシュート、
圧倒的な存在感の # 22 トラビスの攻撃力と比べると
決して派手な得点シーンは無いものの、
レバンガ北海道の勝利には欠かせない存在です。

2月以降の直近16試合では、
二桁得点が12試合、
リバウンド5本以上が12試合
というスタッツを残しています。

レバンガ北海道の勝利の背景には
# 24 ブルックスの献身的な活躍が
欠かせないということを示すデータなのです。


② 中野司のディフェンスストップ

第4クォーター残り1分33秒、
70対70の同点の大事な場面で
# 4 寺園 起点のピックアンドポップから
# 22 トラビスが3ポイントを決め
茨城ロボッツにタイムアウトを取らせました。

その直後の茨城ロボッツのデザインプレイに対し、
# 7 中野のハッスルプレイがが会場を沸かせシーンを
勝因②として取り上げます。

# 7 中野は # 29 鶴巻をマークしていて、
# 29 鶴巻が # 32メイに対して
オフボールスクリーンを仕掛けたときに
# 7中野がスイッチで対応したことによって
# 7 中野 - # 32 メイというミスマッチが生じました。

通常ですと、やむを得ずファウルで止めて
ディフェンスを立て直す選択肢も取れるのですが、

残り1分半で僅か3点のリードしか無く、
しかもチームファウルが溜まっていて
ファウルをすれば相手にフリースローを
与えてしまうという苦しい状況です。

結果として、
3ポイントラインの外側の位置で
# 32 メイがボールを保持して、
# 7 中野との1対1の状況になってしまい、
体格(高さ・フィジカル)のミスマッチとなり
レバンガ北海道としては
ピンチのシチュエーションです。

このときの茨城ロボッツの他の4選手は
4アウトのフォーメーションを敷いており、
3ポイントラインより内側のエリアに
大きなスペースが生じていました。

これは # 32 メイが1 on 1で確実に決める、
という選択をしたことを示しています。

3ポイントも上手な選手なので、
アウトサイド、ペイントアタック、
どちらかも得点されそうな危機的状況でした。

まず、# 32 メイは
ドリブルで左から進入しようと試みました。
それに対し、# 7 中野は脚を動かして
体をしっかり当ててコースを塞ぎました。

もう一度、左からアタックをかけようとすると、
同じく体を当てて進入を許しません。
手本のような平面でのディフェンスに
# 32 メイは手元からボールをこぼしてしまいます。

そのルーズボールを# 24ブルックスが
がっちりと保持してピンチを脱しました。

その日いちばんと思われる会場の大歓声が
# 7 中野のディフェンスから沸き起こります。

ディフェンスが大事な場面で
しかもピンチを迎えた局面で
# 7 中野のハッスルプレイがブースターの心を
がっちりつかみ取ったのです。

ファン・ブースターとプレイヤー・スタッフ陣が
一体となった瞬間だったので
なんとしてもレポートとして残したいと思ったのが
②を勝因の一つとして取り上げた理由です。


③ ヘッドコーチチャレンジの効果

小野寺ヘッドコーチは
第4クォーターの残り7分20秒で
ヘッドコーチチャレンジを使いました。

レバンガの外国籍選手もジャッジに対して
フラストレーションが溜まっていて、
レフェリーに問い詰めるシーンも
試合中に何度か見受けられました。

第4クォーター残り7分25秒、
# 81 関野から、左ローポストの# 24 ブルックスに
パスが供給されました。

そのときのマークマンは# 11 タプスコットであり、
身長差のミスマッチを徹底的に突いて
ペイントエリアまで押し込んだところ、
逆サイドから# 32 メイがヘルプでブロックに飛んできます。

両者は空中で接触をして、ボールがこぼれたところ、
# 32 メイと # 22 トラビスが競り合う形となり
アウトオブバウンズ茨城ボールになりました。

# 22 トラビスはラストタッチは自分ではないという主張で、
# 24 ブルックスは「その前にファウルだろ!」という主張で
レフェリーに訴えていました。

普段はニコニコで穏やかな# 24 ブルックスも
コート上では真剣そのものです。
口調も荒くなっていて、
明らかにイライラしているのが見てとれました。

闘争心は勝利のために必要です。
ただ、怒りのコントロールができず我を失い
集中力やパフォーマンスが下がってしまっては
元も子もありません。

まして、勝敗を分かつような大事な場面では
アンガーマネジメントが重要になるのです。

このタイミングで
ヘッドコーチチャレンジをしようと思える発想に
小野寺ヘッドコーチの優秀さを垣間見ました。

仮に判定が覆らずに
チャレンジ失敗になったとしても
気持ちを切り替える時間を
十分に割くことができるためです。

仲間とコミュニケーションを取り、
次にすべきアクションを確認することで
雑念を払い、試合に集中することが可能となります。

このような場面こそ
ハドルが非常に効果的であって、
昂り過ぎた感情を一度落ち着かせる機会として
うまく機能してくれるのです。

しかし、このシーンでは
# 24 ブルックスのフラストレーションが爆発していて
収拾が付かなそうな雰囲気だったので
気分を落ち着かせるという意味でも
また、
#24 ブルックスの不平不満を代弁し
寄り添う形でヘッドコーチチャレンジを選択したのは
まさに素晴らしい采配だったのではないでしょうか。

もちろん、
ビデオアナリストの境谷さんによるリプレイ検証が
このような場面での後押しになることもあるのですが、
それ以上に
プレイヤーのフラストレーションを
うまく緩和するという意味合いで
ヘッドコーチチャレンジを仕掛けられたのが
功を奏したのだと思います。


◯ まとめ

茨城ロボッツも貴重な1勝をつかむために
必死に追い上げてきたこともあり、
一時は第4クォーターに逆転を許しました。

決して簡単ではない試合展開の中、
見事、勝ちという結果をもたらしてくれた
レバンガ北海道に拍手を送りたいです。

いつもレバンガのミカタを
ご愛読いただきありがとうございます。

レギュラーシーズンも残すところ9試合、
ホームゲームに至っては4試合となりました。
引き続き、ブースター一丸となり
全緑応援していきましょう!

文) アズマ・リュウセイ
写真) 民谷 健太郎


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