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推しの類型化

「推し活」が2021年の流行語大賞にノミネートされ、その後もメディアで目にする回数は増える一方です。
その「推し」と「オタク」は切っても切れない関係にあります。

私は音楽、サッカー、モータースポーツ、各種の動画といったコンテンツのファンですが、どれもオタクというほどではありません。

ただ、サッカー(特に海外)、カリスマ的ミュージシャン、コアなお笑い芸人、男女のアイドルなど熱狂的なファンが多い分野で情報を追っていると、ひんぱんにオタクの集団に出会います。

そういった「熱いオタクが行う推し活」のカオスさに魅了され注意深く観察したところ、推す対象が違ってもなぜか多くの共通点があり、類型化ができるのではないかと考えました。

特にSNS等でよく目にするアイドルやアーティスト、有名人その他の芸能系オタクの推し方について、5つの類型に分けてみたいと思います。


① 常識型


こちらはいわゆる普通の健全な推し活を行っている人で、お金もそれなりに使っていますが、大多数は一般常識の範囲で行動しています。

無料のコンテンツを見てSNS等でいいねしライブ等にたまに行く、または気に入った商品を買うという程度で、母数は多いですが、流行が去ったら対象を変える可能性のある浮動票と言えるかもしれません。


② 礼賛型


こちらは良い意味で推しにはまっていて、賛意を積極的に出し、ライブに通ってCDやグッズを買いあさり、出来るだけすべてのコンテンツを巡回し、ファンアートなども流通させている盛り上げの主役で、この層が多ければ商品が売れYouTubeやTVerが回ります。

私のようなオタでない人でも、そういった盛り上がりにいつの間にか引き寄せられ楽しませてもらえるという応援団長のような存在です。

ただし重症になると不相応な大金をつぎ込んだり、SNSで熱すぎる支持を表明したり、違法なコンテンツの流通、再生回数の水増し等を呼び掛けるといった行動が目立つようになり、特に人気が下落傾向の場合にそういった行為に手を染める人が多いようです。


③ 俯瞰分析型


こちらは数は多くありませんが、推しの存在を社会現象として捉えて定量的な分析や売上予想などを行い、ブログやSNSで存在感を示します。
売り出し方や今後の方向性などの希望を語る人もいます。

知的好奇心が強い人、芸能の裏方にいた人や、生誕委員・ファンイベントの開催者、ハガキ職人などといった運営に近づきたい志向の人が多いのかもしれません。

ちなみにそういった人の語りの内容は玉石混交で、半分プロ(もしかしたら本職?)のような具体的かつ説得力が高いものからただの微笑ましい願望や妄想まで幅広く、それぞれの人の熱意が感じられて良いと思います。


④ エロ型


こちらは非常に昔から存在するタイプで、ジャニーズやAKBから地下アイドル、スポーツ選手等まで多くのこういったファンがいます。
ただ、性的対象として愛でるというのはとても分かりやすいですが、果たしてそれが「オタク」なのかと言われるとちょっと疑問があります。

というのは、これ系の人は作品をじっくり鑑賞し評価するといった面倒なことより自分が発散するのが主目的で、例えば若い新人が出てきたらすぐ乗り換えるといった衝動で動くタイプのように見えるからです。

また推しと直接会える場面やSNS・掲示板等で性的な言動を出してしまうといった倫理観の乏しい行動もしがちで、笑える下ネタならいいんですが、人前で欲求をむき出しにするのは控えたほうがいいと思います。


⑤ ハラスメント型


最後は非常に厄介なタイプで、自分の推しを上げるために他の推し対象やファンを誹謗中傷して下げようとする反社会的な存在です。

一番の問題は、このタイプの人は自分の主張の正当性をなぜかとても強く信じていて嫌がらせを繰り返しつつも、犯罪ギリギリ手前で止め匿名で潜伏し行為を継続する知恵もあるということです。

場合によってはグロ画像のような完全にアウトなものを送りつけたり、下手をすると一般の目に触れるメディアでも平然と誹謗中傷を行います。
はっきり言ってネット等の規制が緩いから捕まっていないだけでもはや素人の手には負えず、法律等での取り締まりを強く期待します。


まとめ


後半にかけて厳しいコメントがありますが、これらは実際に観察して見つけた事実やそれらの事柄から推察したもので、決して誇張しているわけではありません。

「オタクは推しに似る」という格言がありますが、オタクが暴走して結局アイドルやアーティストがファンを減らし名誉も傷つくという、誰も得をしない共倒れな状況にならないよう自制が必要でしょう。

まあでもそういった問題はありつつ、大の大人が何かに夢中になって楽しむ姿には強い引力があり、今や推しと推し活の光景が合わさってひとつのエンタメを成立させている、とも言えるのではないでしょうか。



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