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とりあえず千キャベ

毎日、千切りキャベツを作る。
スライサーでしゅこしゅこ。

50代のころ、これで右手中指先っぽをしゅぱっといってしまった。
血が止まらず、頭の上に右手を上げ左手で止血しながら、次男から夫に電話をしてもらい、車で病院へ走った。
金輪際スライサーは使わねえ。

心に誓ったけど、まあ、そんなこと言ってもいられない。
あのしゅぱっ!の感触がフラッシュバックして、水気を弾く犬みたいに体をぶるぶるっとさせながら、毎日しゅこしゅこやっている。

なぜ毎日かというと、野菜を摂るのに手っ取り早いからだ。
「キャベ2」だもんね。
カリウム、ビタミン、食物繊維。とりあえずおっけー。
考えなくていい。
週2で実家へ行くが、必ずと言っていいくらい、これをやってくる。
タッパーに3食分くらい詰めてくる(実家は毎朝、千切りキャベツを使うのだ)。

そうするうちに、我が家でも定番になりつつある。
朝は目玉焼きとベーコン、千切りキャベツ。あとお浸しとか昨夜の残りもの。とりあえずこれで恰好がつく。

こうして、とりあえず千キャベ型の献立は続いて行く。
ほんとはこれじゃちょっと足りない。
根菜や春の野菜を使った何か、と思うけど、なかなかその気にならない。
これも、春特有の気分の上下なのかもしれない。
晩御飯には何か考えよう。

キャベツは硬く巻いたものだと、細くて固いせん切りキャベツになる。
春キャベツを使えば、きっと柔らかくてふわっとした千キャベになるのだろう。
今日は春キャベツを買ってみようか。
でも巻が甘いからなぁ~、とか、千キャベ師(←私ね)は値段も念頭に置いて躊躇する。

朝から風が強い。
雪よけのための玄関先の白い覆いがぶわぶわ膨れ上がっている。
雪は時々舞う程度。たまに青空。
また数日は気温が低いようだが、今年の三寒四温はメリハリがすごい。

娘が洗車のために午後帰ってきた。
あまりの強風のため、ささっと洗っただけで諦めたので
「どっか行きたい~」とせっつく母(私ね)のために、タリーズへ行く。
私は毎度の「本日の珈琲」ショート、娘はホットティーのトールサイズ。
トールは、ティーバッグが2個入っていてお湯は結構な色に染まっていた。
新商品の米粉クッキー2個入を二人でわけっこしてのティータイム。
サクサクしていて美味しかった。

さて、これから帰って買い物して晩御飯、何にしようかなぁ。
というのは、一人暮らしの娘の言。
なんだか親子で同じようなこと言ってるわと思う。

帰って来て自分の車に乗り換えて、アパートへ戻って行った。
強風に転がされるなよ~!と手を振った。


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