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マル太郎のプライド

マル太郎の生活曲線の下降が目立ってきた。
ここ2週間ほど(私がコロちゃんに罹ってグダグダしていた期間に重なる)、歩くことも大儀そうになった。
右後ろ脚(というかその周辺の腰あたり)が悪いので、お座りもできず、寝るか立つかの状態で1日過ごす。

排泄も、うんこのほうは細まって来た気がするし回数も減ってきた。
以前から食も細くなってきている。
マルのサイズだと、平均体重は10キロくらいのところ、本人は7,5キロ。
それで換算して、食事量は規定量の三分の二くらいになっている。
おしっこのほうは、水をよく飲む分お漏らしも多くなっている。

夜はダメ元で、オムツを着けようと試みるが、だいたい拒否される。
滅多に吠えないマルが、「うきゃん!」なんて言いざまクワッと牙を剥いて攻撃的になる。
私も1回拒否されれば、噛みはしないとわかっていても、そんな感情にさせるのが可哀想になりすぐに諦める。

運よく朝まで熟睡したとき、よっしゃ、間に合わせなきゃ!とばかりに急いでマルを外に連れ出そうとした。
玄関に降りたところで、前脚がもつれて、ぺちゃんとお腹を着き、また立ち上がったはいいがそこで排泄が始まった。
ありゃ~~~、玄関が・・・一晩分の水分で潤うことになってしまった。

大きい方も出るかもと、一応外へ連れて出ると、ヨタヨタ歩きながらぐるぐる回って、何度も、私の足もとに寄ってくる。
しゃがんで頭を抱っこしたらそのままじっと落ち着いてしまった。
自力で立っているには頭が重たかったのかも知れない。

落ち着いた

頭を抱っこしていたら、あったかくて、可愛くて悲しくて、しばらく二人でそうしていた。
涙も出てきたが、そうしているのは嬉しい時間だった。

この家にずっといてくれたこと。
いつもそばに居てくれたこと。
大好きだってこと。
マルの体をさすりながら、何度も何度もありがとうが出てくる。

いなくなるのはしばらく先のことだと思う。
これからまだ、ワンランクアップの介護が待っているだろう。
だから折に触れて、マルと気持ちが通い合っていると感じる時には
伝えておきたいと思っている。


今朝は玄関に出る前の廊下のところで排泄してしまった。
大したものだと思うのは、よほど辛い時でなければ、布団や敷きものの上、畳の上ではしないことだ。
廊下や玄関は四足で立った姿勢で、排せつ後はそれを踏まないように歩き去る。
マル太郎のプライドなのかも知れない。

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