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北斗の拳【本物のキャラクター作品】

1986年にセガMk.Ⅲで発売されたアクションゲームです。

当時ROMカートリッジの大容量化が飛躍的に進んだ事により、家庭用ゲームに於ける表現の幅も大きく向上しました。具体的にはグラフィックパターンやステージ数の増加が売りとなり善であった時代だとも云えますね。

ファミコンではマップ100画面分とか登場キャラクター100種類などと云った啖呵が宣伝文句となっていました。セガも大容量のカートリッジを売りにはしていましたが、上のような無為な宣伝はしていなかったように思います。どちらかと云うとMk.Ⅲの長所であるグラフィック機能を前面に押し出していたからでしょうか。若しくはそちらに容量を割いていたが為の負であったのかも知れません。

無為に容量を使わなかった当時のセガゲームには質実ともに素晴らしい名作が多く存在しています。

ファンタジーゾーンやスペースハリアーなどアーケードからの移植物を始めとし、赤い光弾ジリオン、アレックスキッドのミラクルワールド、阿修羅など美しい映像と内容を伴った作品が目白押しとなっています。

その佳作名作群の中にあって最も素晴らしい出来映えを誇っていたのが北斗の拳でした。

内容はスパルタンXの亜流アクションゲームなのですが、原作である漫画のストーリーと敵キャラクターとの戦闘を巧みにゲームシステムへと組み込んだ内容は、まさに珠玉の名作と呼べるレベルに仕上がっています。

ゲーム性も非常に高くザコ敵を倒した際の肉体が砕け散る様子とノイジーな効果音がゲームを盛り上げてくれます。

道中に出現する中ボス達も原作に倣っており、倒し方なども準拠している事から演出としての効果も期待出来ます。

面の最後に待ち受けるボスも、シン、カーネル大佐、巨人デビル、トキ、サウザー、ラオウとオールスターキャストとなっています。

ボス戦の時のみ固定画面となりキャラクターが大きく描かれます。

しかし道中のグラフィックパターンと同じ等身で作られているので、源平討魔伝のように絵としての破綻がないのが素晴らしい部分と云えます。

ボスの倒し方がちょっとした謎になっていて、原作を反芻しなければ難しいところもゲームとのシンクロ率を上げる効果を作り出しています。これは見事な構成だと感心させられます。

そしてボスを倒す際のフィニッシュ技も原作通りで嬉しくなってしまいますね。

久し振りに遊んで見たのですが、かなり難しく感じました。当時は一日に何回もクリアしていたのに2面もクリア出来ず断念。脳と腕の退化を感じ悄然するに至っただけでした。

東映動画から発売されていたファミコン版北斗の拳しか知らないと云う方がいらしたら、是非ともセガMk.Ⅲ版を遊んで欲しいですね。これが本物のキャラクターゲームだと感動し、当時本作を遊べなかった不幸に地団駄を踏んでしまう事を請け合いますよ。

2006.01.14

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