抗がん剤投与第四クール。ようやく春めいてきた。寒さの度合いが副作用に直結するのでそれが緩和されるだけで心持ちが違う。入院中抱いた遅すぎる日の出と早すぎる日の入りを憂う気持ち。春の訪れを待ち侘びる今と重なって懐かしい。

今この瞬間に限っては副作用は前回より少し軽め。相変わらず味覚障害でお茶がまずい。こんなお茶顧客に出してたらすぐ会社など潰れるレベルでまずい。味噌汁やコーンポタージュは普段と変わらないのに。温めるとそうでもないのだろうか。

投与翌日の昼にカレーを食べられる。それだけでストレスも違う。測ってはいないが体重も少しだけ戻った気がする。58キロ切った時はさすがに最後の日本兵ばりにガリガリで焦った。筋トレも体重増加の一助になっていると信じたい。

しんどさに蹂躙されている時は心に余裕がない。行動力に割くエネルギーが枯渇するからだ。今は以前よりほんの少しだけMPに余裕がある。敵にも味方にも何一つできない病人だが、悲観に気持ちを傾け過ぎないでいられるだけアクティブなんだと思う。

ひとえに周りの人たちの助けがあってこそ。生かされているのだと実感する。みんなありがとう。

ただ、こないだ妹が水素水を送ってきた。あいつは田舎の典型的な性善説を前提とした善人だ。都会の忖度キツネのそれとは一線を画す。そういえば変なサプリもよこしかけてた。妹に変な虫がつかないことだけが今の願いだ。

こう言う時。妹のような心境にある人間に対し宗教やサプリをセールスする人間は終わっている。ダサい。YouTubeで野球選手のことボロカスいうくせに罰ゲームのペヤング獄激辛ファイナルひとくちしか喰わなかった里崎智也ぐらいダサい。