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ロッテ・レーマン ブラームス『日曜日』(1941)

「HMV-102と女声ドイツ・リートの旅」。
このターンテーブル動画シリーズは一応、東京・神田神保町の「かふぇ あたらくしあ」で9月から3か月連続で行われるドイツ・リートのコンサート「3か月連続 秋、とある日曜午後のドイツ・リート」のプロモーションも兼ねてお届けしている。

ただ、今までアップしてきたSP盤の歌曲は、現時点ではこのコンサート・シリーズでプログラミングされると確定されたものはなかった(今後、3名の誰かが取り上げる可能性がないわけではない)。

そこで今回は既に店のオフィシャルサイトやフライヤーに明記され、当日演奏されることが確定している曲の往年の名演SP盤を動画にしてみた。

初回の9月24日に登場するメゾ・ソプラノの後藤未有さんが取り上げるブラームスの『日曜日』Op47-3。
この曲を毎度毎度のロッテ・レーマン(1888-1976)が1941年3月19日、ニューヨークで録音したSP盤で。ピアノはもちろんポール・ウラノフスキー。

実はあたらくしあの店主である私が、今回のコンサートのプロデューサーでピアノ伴奏者、林菜月さんに「できたらこの中の1曲でもいいので、3人のうちの誰かに歌って欲しい」とリクエストした10曲弱のリストにこの『日曜日』は入っていた。

そう、つまり私はこの曲が大好きなので。

もちろん『5月の夜』とか『教会の庭で』といった静かでジワジワと迫ってくる曲や、ブラームス最後の歌曲集『4つの厳粛な歌』も好きなのだけれど、今から40年以上前にテオ・アダムのレコードで、この民謡っぽいメロディーに青臭い青年の恋心を乗せて素直に歌った『日曜日』を聴いて以来、この短い歌曲が大好きになってしまった、というわけ。

さて、レーマンは1941年3月19日のセッションで9曲、5日前の14日にも9曲を録音し、この時録音されたブラームスのリート10曲が、10インチ2枚 + 12インチ2枚に収められセット・アルバムとしてリリースされた。

このセッションではシューベルトの歌曲集『冬の旅』の何曲かも録音されている。

以前も記した通り、1941年はロッテ・レーマンのリート歌手としての絶頂期であったと言って過言でなく、この2分にも満たない『日曜日』でも希望と憧れに満ちた男の子の恋心を見事に歌い尽くしている。

9月24日に後藤未有さんは、どんなふうにこの曲を歌ってくれるのだろうか?

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