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最愛の母を憎むこと①

私は、母のことが好きで、中学生くらいになったら手を組んで歩いていた。
私には母しかいなかった。
家に父はほとんど居なかったし、兄は歳が離れているから、小学校の頃には大学生で一人暮らしをしていて実家にはいなかった。

家には母しかいなかった。

小学生の頃は、やりたくもない習い事をしていて、放課後の時間がなくて、友達と遊べなかった。本当は帰った後も学校に行って、サッカーしたり駄菓子買って食べたりしたかった。
家に帰って話すのは母だけだった。

中学生の頃は、おしゃれに興味が出てアレコレ欲しいものが出てきた。
母に嫌われなかったら、買ってもらえるから、母に嫌われないようにした。母の機嫌を損ねないようにした。
それでも本当に心から欲しいものは否定されたし、自分の小遣いで買うと言った当時は珍しかったスキニーデニム(ヒステリックグラマー)は却下された。本当に悲しかった。
太ってる、太ってると言われてたけど、ヒステリックグラマーのスキニーデニムが入ったから、買おうと言ったのに却下された。今考えたら、セクシーな感じのものはダメだったんだと思う。

母は私を太らせたくないはずなのに・・・

食欲旺盛になり食べ過ぎると、ケチをつけられた。「まだ食べるん?」と。
本屋に一緒にダイエット関連の本を見に行った。
母は、父の糖尿病の食事療法のために読んだ本と似ているから買わないでいいと言った。書いていることは大体一緒だと言った。

本を読んだ後も家の食事は変わらなかった(ように私には見えた)。
「食べない」「減らす」という選択は選べない。母はいい顔をしないから。でも太っているというレッテルを貼られたままで、私は母のダブルスタンダードが理解できなかった。出される食事を食べる。でも食べすぎだと言われたり、残そうとすると「残すの?」と悲しそうな顔をされたり、怒られたりした。

思い通りの服が買えない
雑誌で見た服を、地元でも購入することができた。
でも、体型的に入らない。
自分のことを嫌いになった。
身長が高めで、体重の数字はどんどん増え、同級生の男の子より体重が多いことで、私は男の人にふさわしくないと感じた。

高校生のとき、好きな人ができて、告白したけど、ダメだった。
しばらくして、その人は私の大嫌いな中学の同級生と付き合った。
その大嫌いな同級生は、超小柄だった。
小柄がうらやましいと思った。
見た目が小柄ならば、陰険ないじめをするような女も、誰かと付き合えるのだと思った。

大学生になり、英語を話す環境に身を置きたいと、外国人オーナーの飲食店で働き、外国人のお客さんの接客をするようになった。
そこでは、私の体にやすやすと触る人もいた。その現場を見ていても守ってくれる大人はいなかった。
他のバイトでスーパーの試食を提供することになった。
売り出しイベント中のスーパーへ立つと、なぜかおじさんにお尻を触られたり抱き着かれることがあった。それをメーカーのお兄さんに相談したら「それは気のせいだ」と言って味方になってくれなかった。
「お前にそんな魅力があるわけないだろう」とも言われているように感じた。

外で傷つくたびに、母のせいだと思った。
母があの時、食事を減らしてくれていたら・・・


※②につづくため、オチはありません。


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