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掌編「うんこマイナス」@爪毛の挑戦状

久々に集まった3人は、街の小さな居酒屋で飲み続けていた。思い出話は尽きない。かれこれ3時間である。

「こないだ仕事帰りにさ、ガシャポン回しちゃったのよ。ウンコのやつ。懐かしくて」
「あ、それ。あそこのスーパーのガチャガチャコーナーだろ?ピンクとか緑とかのやつ。俺もちょっと気になってた」
「そうそう。そんで緑色ゲットですよ」

ひとりが、ポケットから鍵につけた緑色のウンコを取り出した。

「あれストラップだったんだ。俺もやろっかな」
「シークレットあるらしいぞ。虹色だと睨んでる」
「うわー、懐かしい懐かしい。いいな、明日寄ってみよ」

久しぶりに集まっても、ベロベロに酔っている以外は昔とあんまり変わらなかった。

「たまにこうやって集まるのもいいな」
「なんか楽しくなってきちゃった」
「うんこアイスチョコ味、パクっ。うーん、この味!」
「…最悪だな。声もでかすぎるし減点です。前言撤回して金輪際お前とは飲みません」
「マイナス100億点」
「それもなんか古いな」

周囲を気にして見回すと、奥の小上がりでひとりで飲む若い女性と目が合ってしまった。彼女はペンを取り何かを書いた。きっと、なにを寒いことを言っているんだあの酔っぱらいたちと思って気分を害したに違いない。


(518文字)


迷走したって、いわないで。みつを

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