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Semi Final(第一試合)

私の住む千葉の夏はとても短かった印象です。隣の東京のデータですが、過去3年連続で猛暑日は12日あったそうです。しかし今年は現在までたったの2日。おかげで冷房つけっぱなしナイトも数日で済みました。

もうひとつ良かったのは、あまり暑くなかったからだと思うのですが、セミさんが路上などでひっくり返っているところに一度も出くわさなかったということです。

私はとにかく『虫』の類がダメです。カブトムシにしろ、ありんこにしろ、蝶々にしろ。もちろんセミさんも。彼らの考えていることが理解できないからです。行動の予測がつかない、急に飛んできたり、思いもしないところに潜んでたり。そして、あの「足」と「羽」がどうしても馴染めない。なんとも言えずメカニカルでパリパリしてそうな。

なのでセミさんとしてはきっとご臨終を迎えようとしているところなのかもしれませんが、誠に申し訳ないのですが、地べたにお腹を上にして転がるのは止めていただきたい。半径1m以内に近づけないので。

でもまだ、公道や公園ならば致し方ありません。私のものではないですから。厄介なのは、家の玄関やベランダで臨終を迎えてしまった場合です。近づくこともできないので、当然、生死に関わらず触れるなんてことはもってのほかです。

そういう場合どうするのか。そんなものを見つけてしまった時点でまず大騒ぎです。ひとしきり騒いだ後、とにかく家族に頼み込んで、処理してもらいます。4人家族の世帯主であり、唯一の男であり、最年長者である私ですが、そんなことは関係ありません。恥も外聞も無く、ひたすらお願いします。なんとかしてくださいと。

大抵の場合は最年長の女帝が、「ったく、男でしょ💢!」と罵りながらも処理してくれます。なんだかんだ言っても、彼女は「私の無類の虫嫌い」を四半世紀以上前から知っているからです。コイツは虫に関してはどうしようも無いと。

ところがです、数年前に一大事件が起こります。よりによって女帝軍団が泊りがけで出かけているときに...
【次回につづく】


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