♪ある日、森の中、元軍人に出会った。そんなチェーンソー講座のぉー、話を聞きたいかい♪
株式会社百森さんが企画するファミリーLOGGINツアーに参加してきた。
村の森でチェーンソーを使って木を切るツアー。
簡単なレクチャー(チェーンソーの構造、木の性質、伐倒の方法など)の後、早々に山に入り、防護服とヘルメットをかぶる。
これが、すんごいテンションが上がる。
森のどこにいても居場所を確認できるような派手なさし色、
チェーンソーが体に当たっても、ケガをしない構造の服。
木を切った時に出る木くずと爆音から目と耳を守るヘルメット。
何をどう見てもかっこいい。
「次の仮面ライダーはこれにするべきやな」と息子と盛り上がる。
そりゃ、親子でカッコもつけたくなる。
早速、チェーンソーを持って、まずは「ストップ(ブレーキ)」のかけ方を学ぶ。その後、エンジンのかけ方や、歯の回し方を練習し、いざ実践へ。
「上から切る」「下から切る」「上から半分・下から半分切る」などシチュエーションに応じてパターンを練習。子どもには難しいと思ったが、小4の娘も小6の息子もスムーズに大人と同じようにチェーンソーを操っていた。
練習のために切る木(すでに折れて地面に転がっている木)をめくったら、さわカニがたくさん出てきて、子どもたちはもうそっちに気が向いてしまい、チラチラとカニを見ている。
午前中のチェーンソー講座が一通り終わった後、息子は「気持ちいいわー。自然の中にいると眠くなるな」と切った丸太の上で自然と戯れながら爆睡していた。人間としては最高のリラックス状態で幸せそうやが、クマが出る森なので動物的には最弱。
娘はミツマタの枝を切り、皮をはいで、ひたすらアート作品を作り始めた。用意してくれていたのこぎりを持ち、崖を登り、良いミツマタを求めて山の奥に分け入ってみえなくなった。その姿はもののけ姫を思わせる堂々たるミツマタ姫だった。
私はこの「カオス」が好きだ。
家族だからと言って、同じものに興味を持つ必要はない。
ずっとチェーンソーを持つ必要もない。
キッカケはチェーンソーだったが、そこから自分の興味のあることに、とことん時間をかければ良い。その夢中こそが何よりも学びであり、体験だからだ。(その自由度を主催の百森さんが許容してくださったことに感謝)
それぞれの時間を過ごし、お昼時間になった。
木の伐倒指導をしてくれている方と雑談がてら
「林業の前は何をされていたんですか?」と聞いたら「元軍人です」という右斜め上のはるかかなたの想定外の答えに全員が止まった。
軍人感を全く感じささない、めちゃくちゃ優しくて、気さくなお兄さんだったのに。
自衛隊からのフランス軍の外人部隊からの林業。
「絶対、別班だよ」と子どもたちとコソコソと話をする。
「バナナ投げたら、ナイフで刺せるかな。」
「後ろからぶつかりに行ったら、倒されるかな」
と、彼の能力を試したい気持ちにかられたが、そんなことはビビッてできず、「軍人と林業の似ている部分はなんですか?」という質問が精いっぱいだった。
笑いながら「安全を確認して前に進むことですかね」と彼が答えると、横で子どもがボソッと「横断歩道と一緒やな」と真剣に頷いていた。
(この記事の方です。めっちゃ面白いのでぜひ読んでみてください!)
午後、大人はチェーンソーを使って伐倒と造材。子どもたちは各々の時間を過ごした。
結局、終了後の子どもたちの感想はミツマタと森林浴がメインだったし、帰りの車の中は「齋藤さんは別班か否か」の話で盛り上がっていたので「チェーンソーどこいってん」という感じだが、すごくすごく楽しいツアーだった。
このツアーの価値は、チェーンソーを扱えるようになることでも、終了後に出てくる子どもたちの感想でもない。
クマが出たら死ぬかもしれない山の中で、下手したら死ぬかもしれないチェーンソーを持ち、気を抜いたら倒れてくるかもしれない伐倒の現場で感じる本能的な恐怖と自然の中で感じる本能的な開放。
日常生活では忘れてしまう“本能”を刺激する今回の経験は、いつか子どもたちの命と心を守ってくれると私は思っている。
ここには書ききれなかったが、体験と雑談の中にものすごい勉強が詰まっていた。木が市場でどう値付けされるか?木を切るのにどんな法律があるか?木が乾いた時に割れないように木のどの部分で商品をつくるか?林業の安全をどう守っていくか?林業に携わる人はどんな働き方をしているのか?雪国の林業とはどのようなものなのか?
国語、算数、理科、社会、全てが木と森にあった。
森の中でひたすら探求学習したら、さぞかし楽しいだろうな。
ということで、百森さんの「森のサブスク」を活用し、家の裏の山にある「地獄谷エリア」をいつでも好きに使わせてもらうことになりました。
この場所で私がどんな風に遊ぶか、期待しておいてください!
百森の田畑さん、斎藤さん、清水さん、本当にありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?