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【中学3年のインターン生との振り返り面談】個展を手伝ってどうだった??

凡人の天才ごっこ展のインターンにきてくれた中学3年生の響くん。
面談に入る前に、少しだけ私と彼の軌跡をご紹介したい。

彼が小学3年生の時に実施した【コペルニクスの学校】


小学校3年生の時、彼は元素記号が大好きで、1つ1つの元素にオリジナルキャラクターを作っていた。それがとても面白かったから、「一緒に授業作らない?響君が先生になってみんなに元素も面白さを伝えてみるのはどう?」と声をかけた。イベント【コペルニクスの学校】の当日、彼はみごと大勢の大人生徒の前で先生として授業をやりとげた。

自分の作ったキャラクターを紹介
参加者が元素を選び、キャラクターづくりのワークショップ

小学校6年生の彼と作った日本初の【オンライン修学旅行】


彼が小学校6年生の時、コロナ禍に入った。
修学旅行に行けなくなった彼と一緒に、当時、日本初オンライン修学旅行【空飛ぶ教室ーミステリーツアー】を開催した。

コンセプト、行く場所、手段などを一緒に決めて、当日は運営側として動いてくれた。彼が「ミステリーツアー(謎解き)」という普通じゃない旅を作ってくれた。

「空飛ぶ教室」オープニングの挨拶

中学2年生の彼にフルリモートで手伝ってもらった【凡人の天才ごっこ展】

さて、前置きが長くなったが、そんな彼も中学校3年生になった。
「部活もやっていないし、何かやりたくて」ということで、私の会社にインターンに来てもらうことになった。千葉県在住の響君なので、フルリモートで【凡人の天才ごっこ展】を手伝ってもらった。

目標としていた初個展の展示が無事終わったので、彼とインターンの振り返り面談をした。

振り返り面談。すごく私が嬉しそう。

尾崎:一番最初に「インターンとして個展を手伝って?」と言われて、どう思った?

響君:個展やるんや、すごいな、と思った。

尾崎:「どういうこと?何やればいいの?」とか不安や疑問はなかった。

響君:全くなかったっすね。尾崎さんなんで、大丈夫かな、と。

尾崎:最初の作品、【一本グランプリ】のお題づくりを25個依頼したけど、難しかった?

一本の木にたくさんの木に関わるお題をひっかけて、木を面白がる展示

響君:大変だなと思った。「木」という1個しかテーマがないから。10枚まではサッとできた。それ以降はネタはなくて。。

まずは5個作って、イメージのすり合わせ

尾崎:苦しくなってから、どうやってネタを増やした?

響君:IPPONグランプリの作品を観たり、大喜利のネットで調べたり、木を机の真ん中に置いて、木の要素を出したりした。

尾崎:木の要素を出す?どういうこと??

響君:木ってどういうものかな?と考える。木と言えば、「セミ」。じゃ、「セミ」から発想を広げていこう、という感じ。ラスト3つは苦し紛れ。結構辛かった。

尾崎:お題を作りながら、回答は思いついた?

響君:自分が回答を一個も思いつかないのはなくそうと思って作った。

尾崎:響君が思う、一番秀逸な作品は?

響君:「課金するとどうなる?」かな、シンプルだけど答えが広がる。

尾崎:おおお!!私も実はこれが一番好きなお題!!!

尾崎:次に「auction」という作品で「天才っぽいタイトルを27個作って!とキャプションボードを作ってもらったけど、これはどうだった?

作品のタイトルを個展の来場者が選んで
タイトルによって、作品の見え方が変わることを楽しむ

響君:芸術作品の名前を全く知らなかったので、始めから苦しかった。何も思い浮かばなかった。だから、芸術の変な名前を参考にした。サルバドール・ダリは変な作品名ばかりだっから、それを参考にした。

尾崎:名前を考える時に、意識したことはある?

響君:「すごそう感」を出そうと思って、むずかしめな言葉を入れた。


「天才っぽいタイトル」を大量に作ってほしい、というざっくりした依頼

尾崎:作品名を27個考えるのも大変だったと思うけど、物理的にキャプションボードを作るのも大変だったよね?

響君:はい、キャプションボードサイズに合わせることも、ノリのついた厚紙を切ることも、カッターがべたついて上手くできないことも。でも、自分で工夫して頑張りました。

尾崎:ありがとうな。。私がすごく苦手でできないことを響君に頼んだので、本当に助かりました。大変なことが多かったと思うけど、個展を手伝って、楽しかったこともある?

響君:考えるのが全体的に楽しかった。クリエイティブなことは良い。自分的には得意ってわけではないけど、好きではある。これからも企画を考えたりする手伝いをしたい。

尾崎:学校や家との両立は大丈夫だった?

響君:隙間時間で考えていたし、作業も貼るのも土日だったので、大丈夫だった。

尾崎:良かった!今度、夏休みに流山市で個展を開く予定なんだけど、そこで響君と「天才っぽいトークショー」しようと思うんよ。天才っぽさってなんだと思う?

響君:数式書いたらいいんじゃないか?

尾崎:急にな!急に書き出す奴な!会場にホワイトボード置いておこう!しかし、そもそも天才ってどういう人なんだろう?

響君:天才がわかったら、天才になれちゃう。天才ごっこをするためには分からない方がいい。

尾崎:何!!!めっちゃ名言!!!!!じゃ、自分たちの思う妄想の中の天才を真似して対談しよう!誰もトークショーに来てくれなくても、その絵がシュールで天才っぽいから、いいよね!

響君:むしろ、みんなに知られていない方が天才っぽい。メジャーより インディーズの方が天才っぽい。

尾崎:名言めっちゃ出るやん!わかるーーーーーー!わかる!!!

響君:「あえて」が重要。

尾崎:最後に写真撮りたいんやけど、あのTシャツまだある?

響君:ありますよ。小5の時、作ったやつ。

尾崎:これ、学校に着ていってたんやろ?先生たち、どんな反応だったの?

響君:学校中の全部の先生が笑ってくれた。校長先生も。

彼が小5で作った手作りTシャツ

尾崎:これにて振り返り面談終了です!お疲れ様でした!また、別途仕事の連絡をします!

【面談者の評価シート】

■とにかく彼は依頼した仕事に対しての「ファーストアクション」が早い。
すぐに「こういうイメージで合っていますか?」と5割程度のものを送ってすり合わせをしてくれる。ベースがあることで依頼者である私も「ここは私のイメージに合ってるけど、この部分は違うからもう少し変えて」と具体的な指示を伝えやすい。

■作業レベルの理解ではなく、依頼主の目的やゴールを素早く掴む能力が高い。お題を作る目的は「木の見方を面白がる体験」を来場者にしてほしいから。私のやりたいことを素早く掴んで、最後までブラさないで作品を作ってくれる。

■そもそもクリエイティブな能力が高い上に、粘り強い。一本グランプリのお題も天才っぽい作品のキャプションボードも、結構な量を作ってもらった。今までにないものを考えることは実は非常に苦しい。私も心折れることが多々ある。「もうこれ以上考えられない」からがクリエーターの幅を広げるのだが、そこに行きつく前に諦めてしまうことがほとんど。しかし、彼はネットで調べたり、木を前に考えたり、偉人からヒントを得たり、とにかく粘り強く決められた数を出せる。

■リモートでも約束通りのものを約束期日前に出してくれる。今回、私は何も管理をしていない。彼は自律して仕事を進め、納期より前に納品をしてくれた。つまり、マネジメントをほぼ必要とせず、自分でプロジェクト進行ができるということ。

結論、私のような新しいものを作る仕事をしている者としては、ファーストステップが早く、目的をブラさず、持っている独自能力+粘り強さを発揮し、マネジメントを必要とせず自律して仕事を手伝ってくれると、めちゃくちゃやりやすくて助かる。


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