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Laughing Note〜笑い手帳回顧録VOL 25 お笑いDOJO編③

 お笑いDOJOを始めて1年が経った1995年、事業部長から、「そろそろ有料公演をやらないか?」と打診があった。元々会場のTBSホールはお金が取れない設備だったので、観覧無料だった。しかし、お金を払ってまできてくれる人がどれ位いるのか、、?当時は読めなかった。会場は日本青年館 キャパ1200人。TBSホールが300人ほどだったので、その4倍の集客を有料でやらなくてはならない。事業部長の意図には反するが、僕は儲けようという気はない。が、赤字を出すわけにはいかないし、何よりお金を払ってもらう以上は、無料の時以上にお客さんを楽しませなくてはならない。そこで、集めたメンバーは、
爆笑問題、フォークダンスDE成子坂、ネプチューン、海砂利水魚、X-GUNの5組
当時僕がこれから世を席捲するであろうと思ったメンバー。が、彼らがただ持ちネタをやるだけでは、まだまだスペシャル感が足りない。そこで、お笑いと他のジャンルのエンターテイメント要素を融合する というテーマでライブを構成した。
爆笑問題は:映像加工を駆使したスーパービジュアル漫才
海砂利水魚:サンプリングマシーン漫才。
X-GUN:ミュージカルコント「追っかけ」with南青山少女歌劇団
ネプチューン:狂言コント「電気工事屋さん」
フォークダンスDE成子坂「佐野元春とトーク&ライブ」(佐野元春は偽物というドッキリ)
と、5社5様。各コンビの特色に合わせた内容を仕掛けた。
思えば突飛なアイデアだったかも知れないが、皆、面白がってくれたし、多くの他ジャンルの方の協力をいただいた。
X-GUNは、歌劇団の女の子たちと連日ダンスの練習を。野村万之丞氏(故人)には直談判で協力を依頼し、ネプチューンのコントを狂言風にアレンジし、彼らに狂言の動きや言い回しの稽古までつけていただいた。サンプリング漫才は、海砂利も気に入ってくれて、その後持ちネタの一つにしてくれた。
準備に奔走して、本番を迎えたが、集客は900人。満席にはならなかったが、僕自身は満足の行く出来だった。今思えば足りない点は多々あったが、それでも当時はかなり面白い仕上がりだった、と思う。だが何とも残念なことに、一切映像が残っていない。
これも今では考えられないのだが、映像を撮っておくという意識が飛んでいた。
本当に悔やんでも悔やみきれない。僕も客席で観たかった。という訳で、
900人のお客さんの思い出にだけ残る幻のライブなった。
翌年、そのリベンジとして 駒場エミナースで500人キャパの昼夜公演を行ったが、これはチケット発売5分で完売となった。(タイトルの写真はそのチラシ)
この時は出演者も増やし、つぶやきシロー
TAKE2、プリンプリン、ますだおかだ、バナナマン、ロンドンブーツ1号2号も加えて、賑やかに。今思うと、よくこれだけのメンバーを集めたものだが、それにしても1年前にはなかなか売れなかったチケットが、速完。ボキャブラブームの影響は大きかった。
ちなみにこの時はネタ以外に大喜利企画もやったが、その回し役(笑点でいうところの昇太さん)を名倉君と岡田君に任せた。
今や名倉君はもちろん、岡田君はクイズ脳ベルSHOWで軽妙な司会ぶりは、この頃から片鱗を見せていた。

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