【専業主婦は無職】 現代日本の家父長制の特徴 – 働かない女性が許される

■ WEBアーカイブ(もすみ氏):以下に転載 & 補足

実父長制に基づく女性差別の問題は、フェミニズムの主要な課題の一つだ。
日本では現代でもなお、男女ともに時代遅れの家父長制的な価値観を根強く残している。

主婦という役割に高い地位を与え、慈悲的性差別によって女性を甘やかし、勤労や納税の義務から遠ざけ、女性の経済的自立や経済分野への進出を妨げている。
 

この状況は個人や国家にとって大きな損失であり、直ちに是正されなければならない。

【目次】
1:主婦という選択肢を持つ日本女性
2:日本の主婦は特権的地位
3:既婚女性の七割が主婦になる
4:根強い家父長制的な女性差別
5:結果責任を引き受け軌道修正する
6:女性をエンパワーメントする

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1:主婦という選択肢を持つ日本女性
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日本の女性は本来持っている能力を十分に発揮できずにいる。経済活動への参加に積極的でないためだ。
この結果、日本では、諸外国と比較して政治や経済の分野における女性の進出が大きく出遅れている。
この現状を反映して、ジェンダーギャップ指数は先進国の中で最低レベルであり、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い位置にとどまっている[1]。

政治や経済の分野における女性の進出が遅れている理由は、女性が男性と同等の機会を得ていないためだ。法律上の権利はすでに男女平等が達成されているが、獲得する機会は平等ではない。
男女には以下のような不平等があり、女性は政治や経済の分野に進むための教育が十分にされておらず、それらの分野に進む意思決定もできていない。

・男性 – 幼少のうちから、将来は賃金労働者として一家の主たる稼得者になることが期待され、それ以外の選択肢を持たない。一生に渡って稼得力を最大化することが期待され続けるために、政治や経済の分野に進出するための教育や意思決定は、半ば強制的に行われ続ける。

・女性 – 職業の選択肢として女性は、賃金労働者のほかに逃げ場としての専業主婦や兼業主婦という選択肢を持つ。このため稼得力を男性と同等に重視せず、したがって政治や経済の分野に進出するための教育や意思決定も、幼少期から成人後、現役時代と、男性と同等には重視されない状況が続く。

海外、主にヨーロッパやアメリカでは、

主婦は単なる無業者であり職業とは認められない一方で、
 

日本における主婦は重要な職業のひとつと考えられており、地位が高く[2]、賃金労働者と並ぶ職業上の選択肢になり得る。
政治経済分野への女性進出の遅れは、日本女性の職業選択肢の中に主婦業が含まれることが理由だ。

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2:日本の主婦は特権的地位
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ヨーロッパやアメリカでは単なる無職とみなされる主婦だが、日本では地位が高い。

 
この理由は、ヨーロッパやアメリカと日本では歴史的に、家父長制[3]の形態が大きく異なっていたことによる。

ヨーロッパやアメリカの家父長制では、妻は家庭内の奴隷のような立場に抑圧されていた一方で、日本の家父長制では妻は家庭内を差配する責任者としての権限を持ってきた。
ヨーロッパやアメリカの家父長制では、妻を男性の隷属物とみなし、財産権や意思決定権などの権利を何も与えず、経済的自立も社会的自立もさせず、
家庭内の無賃労働に縛りつけてきた[4]。

このように欧米の家父長制は差別的なものだったために、ウーマンリブやフェミニズムなどの女性の権利運動において、常に糾弾の対象となり、それが結果として欧米女性の自立を早めた。

一方、日本の家父長制は家族を共同体とみなし、家長は実質的には賃金奴隷で、妻が金銭を含めた家庭内を管理する役割(いわゆる女房役や御上さん)を担ってきた。

このためにヨーロッパやアメリカの家父長制に比較すれば、日本のそれは差別性が低いように見える。

女性にとっても、各種の権利を保持したまま男性に経済的に庇護されるのは居心地がよい[5]。

 
そして日本は、いまも家父長制から脱却できずにいる。

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3:既婚女性の七割が主婦になる
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夫は妻に経済的な庇護を与え、妻は家庭を管理・支配するという日本型の家父長制は、女性からも男性からも一定の支持を受けている。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方を支持する者の割合は、女性が31.1%と約3割であるのに対し、男性は39.4%と約4割にのぼる[6]。
男性のほうがより強く家父長制を支持しているのが実態だ。

この結果、主婦は女性の職業選択肢の一つとしての地位を保ち続けている。

2019年時点で、共働き世帯1,245万世帯に対して専業主婦世帯は582万世帯ある[7]。これは婚姻世帯の32%で妻が無業であることを示す。

また、共働き世帯の妻のうち58%は週35時間未満のパート勤務である[8]。

実に、妻の71%は無職の専業主婦またはパート勤務の準専業主婦なのだ。

 
既婚女性の半数以上にあたる57.5%が、結婚から第一子の出産までの間に無職となり、経済的自立を手放してしまう[9]。

それ以降はずっと無職かパート勤務だ。

無職かパートの主婦という立場に安住し「適当な仕事がありそうにない(33.2%)」や「出産・育児のため(27.5%)」などの理由で求職そのものをやめてしまう[10]。

この状況は諸外国から見れば異常なものだ。

諸外国では主婦を職業とみなさない。

 
上司や同僚などの第三者からの監督や監視がなく査定もない主婦業は気楽だが、有配偶女性の7割以上が経済的にも社会的にも自立できていない現状は、女性自身にとって、またその夫や子供にとって不幸なことだし、社会や国家にとっては大きな損失だ。

まともに働かない女性は、国民の三大義務のうち「勤労の義務」と「納税の義務」を果たしておらず、受益者負担から逃れるフリーライダーとなってしまっている。
 

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4:根強い家父長制的な女性差別
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女性を自立できる能力を持った大人として扱わず、子供と同様に庇護の対象とするのは、慈悲的差別であり、家父長制の悪習である。
女性に庇護を与えれば、自立心、責任能力、稼得能力など、女性が本来持っている能力を損なうばかりか、依存心を生み、無力感を植え付け、尊厳を傷つける。その必要のない人を庇護することは抑圧であり、虐待であり、差別だ。

健常な大人を庇護すれば、庇護される側は自己責任を引き受けたり問題を解決したりする必要がなくなるため、責任能力や問題解決能力を失い、依存的で他責的な人間になってしまう。

庇護を与えれば与えるほど、責任を引き受ければ引き受けるほど、問題解決を代行すればするほど、相手は増長し、泣きわめく子供のような攻撃的な無能者になってしまう。
 

ところが現実は、18歳から50歳の日本人男性の半数以上が「女性は弱いから守ってあげなければいけないと思う」と考えている[11]。現役世代の半数以上の男性が、女性を子供と同様に庇護すべきという、前時代的な家父長制の価値観からアップデートされていない。

男性がこのように女性を甘やかしていては、日本女性の自立はあり得ない。
 

男性の女性に対する庇護欲はつまり支配欲であり、直ちに手放すべき有害な男性性である。甘やかすことで女性の能力をスポイルし、容易に支配から逃れられないように抑圧しているのだ。
男性は自らが持つこの加害性と差別性を自覚し、直ちに慈悲的性差別を止め、女性を自分と同等の一人前の大人として扱うように行動を改める必要がある。

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5:結果責任を引き受け軌道修正する
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あらゆる権利の行使には責任がともなう。

これは大人にとって当然のことだ。
私たちは自分が行使した選択権の結果責任を負わなければならない。
 

結果責任を負うとは、自分の選択が間違っていたなら、それを認め、自分の責任で直ちに軌道修正しなければならないということだ。私たち日本人は選択を誤ってきた。軌道修正が必要だ。

家父長制的な価値観で女性を甘やかす選択は誤りであり、直ちに軌道修正が必要だ。私たち日本人男性は、デート代を支出する選択をし、稼得力の低い女性を妻にする選択をし、妻を主婦にする選択をすることによって、女性の能力開発や就労の機会、経済的・社会的な自立を妨げてきた。
このような慈悲的性差別を是正するのは私たちの責任だ。

もしあなたの妻が無職かパート就労なら、直ちに軌道修正して正規雇用の職を獲得できるように動きだそう。
 

それが、あなたたち夫婦二人で犯した「妻から経済的自立を奪う」という間違った選択に対して負うべき結果責任だ。大人二人の合意による選択の責任は、二人ともが平等に負わなければならない。

夫が過分な稼得責任を負ってきたこれまでが異常なのだ。
 

未婚男性の軌道修正は、既婚男性に比べればずっと簡単だ。
経済的に自立していて、結婚後も経済的自立を維持する意思があり、あなたの稼得を当てにしない女性を妻にするだけでよい。
加えて婚姻前には、それらの条件を明記した婚前契約(夫婦財産契約)を交わす。
もしそられが困難なら非婚でいればよい。

依存的な女性を妻にするよりも、独身を維持したほうがずっとよい。
 

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■ 6:女性をエンパワーメントする
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女性が経済的・社会的な自立を達成することや、そのために継続的に能力を開発をすること、つまり女性のエンパワーメントは、国際的な課題だ。
日本はこの分野で遅れをとっていて、それは私たち一人一人の責任だ。
第70回の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」[12]には次のようにある。

人類の潜在力の開花と持続可能な開発の達成は、人類の半数に上る女性の権利と機会が否定されている間は達成することができない。
女性と女児は、質の高い教育、経済的資源への公平なアクセス、また、あらゆるレベルでの政治参加、雇用、リーダーシップ、意思決定において男性と同等の機会を享受するべきである。

外務省 SDGs「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(PDF)より

私たちは、女性の潜在能力を開花させ、持続的に開発し、雇用においても男性と同等の機会が得られるようにしなければならない。
それを妨げているのが、家父長制的な女性差別だ。
私たちは反省し、家父長制的な女性差別と決別しよう。
次の世代に任せることなく、私たちが今すぐに、女性を自立した一人の大人として扱い、彼女たちの自立を手助けしよう。

既婚女性の7割以上を占める専業および準専業主婦が


正規雇用者として経済進出すれば、我が国の諸問題も解決するだろう。
妻が負債化しなくなることで、生涯未婚率が25.7%に達した男性の非婚化傾向[13]もおさまるだろう。
ずるずる低下し続けて世界2位から24位にまで低下した1人あたり名目GDP[14]も上昇する。
年間約9兆8500億円が投じられている男女共同参画関連予算[15]も削減できる。

女性が本来持っている能力や生産性の多くが死蔵され、個人を不幸にし、国家を衰退させているのが現状だ。
そして、その状態に抑圧しているのは男性たちだ。
女性自身のためにも、社会や国家のためにも、日本の女性が諸外国の女性並みに自立できるように支援していこう。
今日からでもできることはある。

まずは差別をしないこと、つまり女性を「甘やかさず、庇護しないこと」からだ。
 

[脚注]
脚注1-15(世界経済フォーラムや内閣府のデータなど)は、元リンクに掲載してあります。

 
■ 余談 ■

女が「仕事」という言葉を使うとき、以下の画像の4段階目のみを指す。

つまり女は「きらきらオフィスワークのみが仕事」と捉えていることが多い。

女は基本、楽することばかり考えるため、まずは女自身が意識を変え「楽をしない」という意識を持たなければならない。
 

それはそうである。

なぜなら女の大多数は「楽すること」ばかり考えており「キツくて汚い肉体労働は絶対にやりたくない」と、そう考えているのが現実だからである。
 

◆ 楽ちんキラキラオフィスワーク事務職は
「人」と「社会」そして「仕事」をナメている

稼ぐ稼がない、仕事をするしない以前に、まずは女自身が「楽をしたい」という意識を改めなければならない。
 

■ 余談
この「悟る(ための)ノート」を更新している理由は複数ある。

その理由にはもちろん、私自身と記事を閲覧した人自身の「QOLを上昇させる」ためも含まれるが、その為には「現実を直視し、かつ、状況を好転させる」ことが必要な1つとしてある。

「女尊男卑」や「男性差別社会の現実」を正しく知り、自分自身のアクションにおいて「可能な限り後悔しない選択をした上で行動していく」ことは、その為に必要な1つでもあるのです。


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