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なぜ今TMF米国債券が人気なのか 概要と基本情報

TMFとは何か
Direxion デイリー 20年超米国債 ブル3倍 ETF(略称:TMF)は、アメリカの長期国債に焦点を当てたレバレッジ型ETFです。このファンドは、20年を超える米国長期国債の日々の値動きを3倍にすることを目指しています。基本的に金利が下がれば債券が上がり、本商品も連動し価格が推移します。

TMFチャート

レバレッジETFのリスクとリターンの特徴
レバレッジETFは、基本的な指数の動きを増幅します。これは市場が好調な時には大きなリターンを提供する可能性がありますが、市場が不調な時には大きな損失をもたらす可能性もあります。TMFのような3倍レバレッジETFは特にこの傾向が強いため、投資する際には慎重なリスク評価が必要です。

概要
ファンド情報
ティッカーコード TMF
目標倍率 300%
ブルームバーグのコード IDCOT20TR
総経費率 1.06%
分配金利回り: 3.07%
デュレーション: 16.60年
インデックスの特性
デュレーション 18.16 Years
加重平均残存年数 25.93 Years
加重平均クーポン 2.63%
ボラティリティ(30日ベース)16.62
直近配当利回り3.34% ※こちらのみ24/1/14現在
※TMFファクトシート 2023/9/30付を参照

特徴
デュレーション: 16.60年
デュレーションは、債券の価格が金利の変化にどれだけ敏感に反応するかを示す数値です。16.60年のデュレーションは、金利がわずか1%動くだけで、インデックスの価格が約16.60%も変動する可能性があることを意味します。これはTMFが金利変動に非常に敏感であることを示しており、金利が上がれば価格が大きく下がり、金利が下がれば価格が上がる可能性があります。

加重平均残存年数: 25.93年
この数値は、インデックスを構成する債券の平均的な残存期間を示しています。25.93年という長い残存期間は、インデックスが長期の債券に投資していることを意味し、金利変動に対する敏感度が高いことを示しています。つまり、金利の変動が大きい時、インデックスの価格も大きく変動する傾向があります。

加重平均クーポン
加重平均クーポン: 2.63%
これは、インデックスを構成する債券が提供する平均的な利息収入の割合です。3.11%というクーポン率は、これらの債券が投資家に提供する平均的な利息収入を意味しています。この利息収入は、債券の魅力の一部となります。

ボラティリティ
ボラティリティ(30日ベース): 16.62%
これは、過去30日間でTMFの価格が平均してどれだけ変動したかを示します。16.62%という数値は、TMFが比較的高い価格変動を経験していることを意味しており、投資家は短期間での大きな価格変動に備える必要があります。TMFのボラティリティは、過去30日間の価格変動を標準偏差で計算されます。このボラティリティの数値は、TMFがどれだけ価格変動が激しいかを示しており、投資家はこれをリスク評価の一部として考慮する必要があります。デュレーションの長さと相まって、TMFは金利変動に非常に敏感であり、これは高いリスクを伴うことを意味します。
ボラティリティ例
債券ETF(例:AGG)
AGG (iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF): ボラティリティ約3-5%
AGGは広範な米国債券市場をカバーするETFで、ボラティリティは通常3%から5%です。これは株式ETFよりもはるかに低く、より安定した収益を提供します。
レバレッジETF(例:TQQQ)
TQQQ (ProShares UltraPro QQQ): ボラティリティ約30-40%
TQQQはナスダック100指数の3倍の日々のリターンを目指すレバレッジETFで、ボラティリティは30%から40%の範囲です。この高いボラティリティは、レバレッジの効果により価格変動が大きくなるためです。

経費率
この経費率は1%を超えており、一般的な長期国債ETFと比較すると高いと言えます。例えば、20年超の米国長期国債に連動するETFであるiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)の経費率は0.15%です。この比較からも、TMFの運用コストが比較的高いことが分かります。
100万円投資時の経費の計算
TMFの総経費率が1.07%の場合、100万円を投資した時の年間経費は以下のように計算されます。
1,000,000円 × 1.07% = 10,700円
これは、TMFに100万円投資した場合、年間で10,700円が運用経費としてコストになることを意味します。

TMFの分配金とその安定性
TMFは分配金を提供しますが、その額は特に安定しているわけではありません。レバレッジETFの性質上、分配金は市場の条件によって大きく変動することがあります。そのため、TMFを分配金を主目的として投資することはおすすめできません。

TMFのパフォーマンスデータ(NAV:純資産価値ベース)
1ヶ月リターン: 25.80%
3ヶ月リターン: 34.40%
年初来リターン(YTD): -13.07%
1年リターン: -13.07%
3年リターン: -42.47%
5年リターン: -18.48%
10年リターン: -4.07%


TMFパフォーマンス

この数値から長期で持つべき商品ではないことが分かります。
TMFに投資する最適なタイミングは、金利動向と経済状況に密接に関連しています。利下げが予想される時期、または金利が既に低下している時期は、TMFにとって有利な状況です。しかし、金利の上昇が予想される時期には、TMFに投資することは高いリスクを伴います。


米国2年債との比較

金利とTMFの関係
TMFのパフォーマンスは、米国の長期金利に強く影響を受けます。金利が下がると、長期国債の価格は上昇し、それに伴ってTMFの価値も上昇します。逆に、金利が上昇すると、TMFの価値は減少します。このため、TMFの投資戦略を考える際には、金利の将来の動向を理解することが重要です。

TMFの現在と将来の見通し
現在の金融市場とTMF
現在の金融市場の状況は、TMFの価格に直接的な影響を与えています。特に、FRBの金利政策や経済指標、市場の感情などが、TMFのパフォーマンスを左右する主要な要素です。投資家はこれらの市場要因を継続的に監視し、適切な投資判断を下す必要があります。

レバレッジETFとその運用会社について
ディレクション(Direxion)
Direxionは、レバレッジETFとインバースETFを主に提供する米国の運用会社です。1997年設立以来、投資家に対して、市場の動きを増幅する多様なETFを提供してきました。これらの商品は、特定の市場指数の動きを2倍または3倍に増幅することを目指しています。
Direxionは、S&P 500や金、石油など、さまざまな市場指数に連動するレバレッジETFを提供しています。

投資戦略とリスク管理
TMFへの投資は、ポートフォリオのリスク管理の一環として行うことが望ましいです。レバレッジの影響により、TMFの価格は大きく変動する可能性があるため、全資産の小さな割合に留めることが推奨されます。また、市場の動向を定期的に見直し、戦略を調整することが重要です。

参考 Direxion ETFs Funds レバレッジド・アンド・インバースETFs
   https://www.bloomberg.co.jp/quote/TMF:US


なぜ今TMF債券が人気なのか。詳しくは本書で記述しています。


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