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「bacter」のおかげで出来た STIMULUSな映像制作

2017年5月。会社から映像コンテンツに特化したオウンドメディアサイトを立ち上げるから、デザイン面で関わらないかと相談された。兼ねてからWebサイト制作に興味があったので、二つ返事でOKの返事をし、早速コンテンツサイトの打ち合わせが始まった。

Web制作のプロフェッショナル、《株式会社LIG》のおかげで、あっという間に「bacter」の基盤が出来上がっていった。(一応僕も意見を言ったと思うが、気が付いたらかっこよくなっていた気がする)

コンテンツサイトには、コンテンツを載せないといけない。「最初にサイトに掲載する映像を作りたい!」と意気込んで、手を上げていたが、通常の業務が忙しすぎて、気がつくとサイト公開まで2ヶ月を切っていた。

観る人や、制作に関わってくれた人たちにとって、様々な意味で刺激的な作品にしたかった。

当初、作品のテーマに掲げたのは「SEEK(探す)」だった。

これは、新たな試み(コンテンツサイトの運営)に対して、なにが出来るのか? なにがベストなのか?  を「模索」していきたいという意味があった。しかし、内容を詰めていく中で、もっと自由にテーマを設けたいと思うようになっていった。

コンテンツサイトに載せるための映像を作るでのはなく、会社の協力を得て、自由で好きに作った映像がサイトに載る。そういうモチベーションで制作しないと、「bacter」を本当の意味で楽しめないと感じたからだ。

睡眠時間を削りながら画コンテを書いているときの感覚が不思議で、徹夜の作業になっても苦ではなく、むしろ楽しいとさえと思った。


社会人になってから、こんな風に映像のことを想って作品を作った機会があっただろうか?


自分は楽しんで映像と向き合っているだろうか?



この感覚、体験がまさに、自分にとって「刺激」そのものだった。

この気持ちは多くの人と共有するべきことだと思ったし、「bacter」が続いていく中でとても重要なファクターだと感じた。

観る人や、制作に関わってくれた人たちにとって、様々な意味で刺激的な作品にしたかったので、作品のタイトルをストレートに「STIMULUS(刺激)」という英単語にした。(あと英語の文字面が好みだったから)



「浮遊感」から始まるSF的思考

この作品のジャンルは「SF」だと思っている。

簡単なあらすじとしては、海辺に遊びに来ていた男女が、「何か」と遭遇し、白昼夢に迷い込んでいく・・・ というのが作品の内容となっている。
なぜ「SF」っぽい世界観にしたかったかというと、人を浮かせたかったからだ。

内容を考えているときに一番最初に頭に浮かんだシーンがこの、女性が宙に浮いている場面だった。それを中心に内容を構成していったと言っても過言ではない。

なぜ女性が宙に浮いているところを撮りたかったか?

それはズバリ「浮遊感」を表現したかったから(そのままですみません)


「bacter」というサイトは、様々なクリエイターが作品を載せていく場所でもあるので、数年後、このサイトがどんな風になっているか正直予想できない。というかむしろ、それがこのサイトの面白さに繋がると思っている。

それはつまり、行き先を定めないで旅をすることと似ていて、「浮遊」的な言葉を連想した。

その「浮遊」的な感覚を実写で出来ないかと考えたときに、宙に浮く女性が頭に浮かんだので、これは色々と楽しそうと思い、このシーンを入れることにした。

あとは、単純に技術的に面白そうだったから挑戦してみたかったという気持ちもあったりする。



つまり、「bacter」を擬人化したのがこの女性と解釈してもらうといいかなと思う。

「女性が未知なるものと出会う」=「様々なクリエイターの作品と出会う」
「変化していく女性」=「サイト自体が変わっていく」

男性役はそれは見守りつつ、最終的にはこっちの世界に引き込まれていく「クライアント」をイメージしている。

MVっぽいのに、演技してもらっているのは、そういう意図があったからです。っていう説明がないとなんだかわからないと思うけど、それはそれで狙ってやったことなので、それもありだと自分に言い聞かせている。


ロケーションや役者、スタッフの方から刺激を受けて臨んだ撮影

今回、撮影場所に選んだのは、茨城県神栖町という哀愁漂う雰囲気がとても素敵な海辺の町をメインに撮影した。

中でも、たくさんの風車が特徴的な「波崎ウィンドファーム」は現実感のない雰囲気があり、とても素敵なロケーションで撮影することが出来た。


役者、スタッフも個性的なメンバーが揃い、男性役でご出演頂いたのは、Sony Music Artistsに所属し、「仮面ライダーアマゾン」にレギュラー出演していた籾木芳仁(モミキヨシト)さん。

女性役は、モデル、絵描きと多彩な才能を発揮するNowa(ノワ)さん。
カメラマンには、毎回カッコイイ映像を撮ってくれるカメラマン井上圭佑さん。

スタイリストは、多くの映画、舞台で衣装協力をしている「突撃洋服店」で働きながら個人でスタイリングも行っている上野恒太さん。

オリジナル楽曲を提供してくれたのは、2011年にリリースしたミニアルバム「call a romance」がiTunesエレクトロニックミュージックチャート1位にランクインし、様々なジャンルで活躍しているKIDO YOJI (きど ようじ)。

制作過程において、彼らと様々な意見を交換して、ひとつの作品を作れたのも、クライアントワークではない作品作りだったからこそ、それぞれが楽しんで出来たのではないかと思っている。

何かを作ることは楽しいことだ。

最後に・・・

作品作りを通して感じたことで一番大きかったのは、「楽しかったこと」。
企画段階から撮影、編集作業まで全ての工程を楽しんで出来たことが一番作品を作って良かったと感じたことだった。

自分が最初に映像の世界にのめり込んだのも、この気持ちがスタートだったと初心を思い出せてくれたので、作品にも会社にも、とても感謝している。

何かを作ることは楽しいことだ。

当たり前のことかもしれないが、時々忘れそうになる。


この「bacter」というサイトが存在する、ひとつの理由として、そういった思いをクリエイターの方々と改めて共有する遊び場のような場所であって欲しいと思っている。

この作品を見て、視覚的な刺激ももちろんだし、制作意欲的にも刺激を感じてもらえるようなものになれば最高だなと。


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