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After Effectsで人物を宙に浮かせる表現をした

「STIMULUS」という作品では、After Effectsを使って女性をを宙に浮かせました。その作品のメイキングを公開します。(「STIMULUS」の作品詳細ページ

企画までの流れ
「bacter」というサイトは、様々なクリエイターが作品を載せていく場所でもある。それがこのサイトの面白さに繋がると思っている。

それはつまり、行き先を定めないで旅をすることと似ていて、「浮遊」的な言葉を連想した。

その「浮遊」的な感覚を実写で出来ないかと考えたときに、宙に浮く女性が頭に浮かんだので、これは色々と楽しそうと思い、このシーンを入れることにした。あとは、技術的に面白そうだったから挑戦してみたかったという気持ちもあったりする。


早速、社内会議でプレゼンすると、楽しそうだねと話は決まり、撮影に臨むことに。


撮影
撮影をするにあたって必要になるのは人を数秒間浮いているように見せられるトランポリン。

舞台装置など様々なものをレンタルしているところから、100m幅のトランポリンを借り、海辺に持っていった。


テスト撮影をできていなかったので、正直かなり不安ではあったが、手作り感満載の現場で、みんなが自主映画っぽいね! とテンションが上がっていたのを思い出す。

テストで男性役の籾木君に飛んでもらった。

かなりアナログ感があるが、要はこれをハイスピードで撮影してマスクで切り抜き、別で撮った空の背景と合成させるというもの。

上手くいくのか、まだまだ不安。

下からあおって撮影すると、意外にいい感じに。

これはもしや・・・とテンションがあがる一同。
周りから見ると明らかに怪しい。

実際にモデルさんに入ってもらい、いざ撮影スタート。
今回の撮影はRED SCARLET-Wで、解像度は5KHDの50pと4KHDの120pの両方で収録。

モデルさんには、ジャンプしながら後ろに傾いて! と無茶なお願いをしつつ、なんとかそれっぽい感じに撮影することに成功。

アフターエフェクトでの編集
ココから本題。撮影が終わると、早速Adobeのアフターエフェクトへ投入。
必要なエフェクトは「ロトブラシツール」を使用してマスクを抜く作業へ。

作業は意外と簡単。スタート時点で境界線を設定してやれば、後は自動で境界線を追ってくれる。

撮影はオブジェクトと背景との境界ができるだけはっきりするように工夫すると作業がやりやすいのがこの「ロトブラシ」の特徴。

背景の空が意外と簡単に消せた。

ただ、今回だと、女性人物と背景の境界線が曖昧だったため、ロトブラシが上手く境界線を認識しないことがあったので、曖昧な部分は細かくマスクを描いて行きました。あとは、人物の角度を調整して・・・

完成!思っていたよりも浮いた!


この秒数、このクオリティ感であれば作業時間も1日あれば十分できてしまうレベルで、結構簡単だったのでオススメです。

簡単なCG合成はこの「ロトブラシ」で大体できるので、実写では表現出来ないような映像を作りたい場合は非常に価値のあるエフェクトです。

ぜひやってみてください。


「STIMULUS」の作品詳細ページ

(Written by Tetsuya Yamabe