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私的界隈象徴歌集

2017年年末にいろいろな要因が重なってVTuberという存在がバズってから一年半以上が経った。

僕が本格的にVTuberを見始めたのは2018年の2月か3月ころだったと思うから、ちょうど一年半この界隈を見てきたことになると思う。
我ながら飽きやすい僕がここまで一つのことを追い続けている状況に驚くけれど、界隈が絶えず変化を続けてきたからこそここまで飽きずに追いかけてこれたのかもしれない。

今回は僕が一年半追いかけてきたこの「界隈」の変化をその時々に音楽として象徴してきた曲たちを備忘録的にまとめていきたい。

※かなり主観的なラインナップです

仮想舟上饗宴歌/Vtuber News報道局

投稿日:2018/08/26

約一年前に投稿されたこの曲は406名ものVTuberを歌詞の中に落とし込んでラップ調に歌い上げるという曲で、Vtuber News報道局のコメンテーター(オチ担当)、くそだるま師匠はnoteでこのような説明をしている。

平たく噛み砕いて言えば、
当時、活動していたVtuberさんの名前やその活動内容、
あるいはそれにちなんだ名称などなど、
それらをごちゃ混ぜにして、一つの歌詞として落とし込んだ曲である。

この曲は本当に歌詞がとてもよく練られていて、一度聴いただけでは細かくちりばめられた数々の言葉を見つけることはできないだろう・・・・歌詞の内容を考察している人がいるので合わせて検索するのをお勧めしたい。

で、なぜこの曲なのかというと、2018年の夏、あの企業や個人のVTuberがたくさん生まれて、何もかもカオスでぐちゃぐちゃな黎明期のあの日々を象徴している曲だと思うから。またそれとは別に、あれから一年たった今見たときに、界隈の変化を感じることができるから。

2Dから3Dに進化した人がいたり、姿が変わっていたり、今はもういない人、この動画にはいない新星達、旧い箱、新しい箱・・・そういった過去から現在に続く星々の輝きのようなものがこの動画にはある。

たぶん古くから界隈を見続けている人ほど、色んな思い出が頭の中に浮かんでは消えて止まらなくなるだろう。

上記で引用したくそだるま師匠のnoteを貼っておくので是非合わせて読んでほしい。

「今も絶えず、祭りのような日々は続いている」


Up-to-date feat. かしこまり / MonsterZ MATE

投稿日:2019/02/28

この時期は様々なVTuberが抱えている問題や引退者が相次いで出るようになった時期と記憶している。

そんな時に出てきたのがこの曲だ。

MZMのコーサカ、かしこまり、バーチャルねこの三人のVTuberが作り上げたこの曲は不安で揺れ動いていた界隈に対しての応援歌として響いていたように思う。VTuber、視聴者問わずこの曲が心に刺さった人は多いだろう。

僕は音楽に詳しくはないので単に感じたことを述べるが、バーチャルねこの立体感のある音響を背景に、魂を揺さぶるようなコーサカの言葉の濁流を、かしこまりが透き通った歌声で「オチ」としてまとめ上げている、とても綺麗な曲だなと感じる。

またこの曲はライブとかでみんなで歌うとすごく気持ちがいい。
自分が界隈の一部分としてそこにいる人すべてと一体になったように感じることができる曲だ。

稚拙なたとえかもしれないが、「オーオオーオー」と歌っているとき、子供のころに体育祭で一丸となって応援歌を叫んでいたあの時のような一体感を感じる。

コーサカやバーチャルねこが出演する音楽イベントでは大抵流れてるっぽいので是非一度界隈の一部になってきてほしい。

oh-ohoh-oh
この歌声が
oh-ohoh-oh
響き渡るように
oh-ohoh-oh
イマジネーションは
oh-ohoh-oh
真実になる


祭壇/花譜

2019年8月1日

稀代のバーチャルシンガー、花譜が自身のファーストワンマンライブ「不可解」で初披露した、VTuberシーンに捧げる曲である。

僕がこのライブで聴いた曲の中で一番感動した曲でもある。

今現在youtubeに動画は挙げられておらず、現在発売中の1st アルバムにも収録されていないので聞く方法がないのがもどかしいところではあるが、「魔女」と対になる曲でもあるこの曲をあれからどこにも出していないのは何かあるな・・と僕は踏んでいる


曲に触れていくと、まず「祭壇」という題名がめちゃくちゃ良い。

アウトロと共にライブ会場の透過ディスプレイに「祭壇」という文字が浮き出てきたときにめちゃくちゃにゾクゾクした。

おそらくここでいう祭壇というのはVTuber界隈や、VTuberという表現形態そのものを指してのことだと思うが、VTuberの境界で曖昧に息づくさまを神秘性を伴いながらも美しく表現しきっていると思う。


そしてこのような曲を花譜が歌うことに意味がある

運営からの声明等で公にされている情報として、花譜は今年高校一年生の少女で、運営と出会った当初、歌手としてデビューしようにも地理的、物理的、年齢的等の様々な理由から難しい状態であり、バーチャルシンガーならその課題を解決できるのではないか、ということでこの世界に生まれ出てきた子だ。

VTuberシーンが今のように盛り上がっていなかったなら「バーチャルシンガー花譜」は生まれて来なかったかもしれない。

そしてそんなVTuber界隈があったからこそ生まれてきたような子が、様々な巡り合わせの上にそこに存在している少女が、界隈に対して感謝を述べ、「祭壇」を歌いあげる・・・心からこの界隈を見てきて良かったと思える瞬間だった。

電脳の祭壇で
あなたの全てが
変化が
時代が
私たちと
繋がる


終わりに

多分これから「VTuberの界隈」という概念はバーチャル人口が増えて、活躍の場が広がるとともに薄くなっていって、その言葉がどこを指すのかだれもわからないようになっていくのかもしれない。

界隈の曲、というのも時がたつにつれてあまり発表されなくなっていくだろう。

きっと僕も何年か、はたまた何十年か、時間が経つにつれて今のこの「VTuber界隈」で過ごした青春時代を忘れる日が来るかもしれない

でもきっと、これらの曲が残ってさえいれば、またここに帰ってこれる、そんな気がしている。

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