馬楽の時間 164

推進について
 同じく、加える力を出来るだけ少なくしたいものです。
 推進について再確認しましょう。推進は騎手の役割。ではそれに対して馬の役割は何でしょう?「前に出る」。正解。でも、いくら脚を使っても前へ出てくれないことありますね。他の人が乗るとすいすい前へ出たりして。もう泣きたくなりますね。私も学生くんたちに「先生、脚、使ってるんですか?」と質問されました。私が乗ると、学生くんたちが前へ出せない馬が、気持ちよさそうに自分から動くんです。空を飛ぶんです。何故?
 もう少し整理すると、馬に前へ出ようとの意思がなければ、蹴ろうが叩こうが前へ出ません。逆に後ろにさがったりして。人はこれを反抗と言う。
 前へ出ようとの意思を何と言う?「前進気勢」。正解。
 騎手は推進の合図を出す。馬は前進気勢を起こす。役割分担です。
「馬に前進気勢を起こしてもらう何か」が推進です。で、気勢とは気持ちです。意思です。先に触れました。簡単に言うとやる気です。
 じゃあどうやったらやる気を起こしてもらえるか。考え方として、逆を考えてみましょう。自分ならどうですか。やる気を失くすのはどんな人、時?
 意味もなく怒鳴られる。話を聞こうとしない。常に否定される。話に筋が通らない。理論がない。勉強してない。言ってることとやってることがちぐはぐ。上にへこへこし下に偉そう。実力主義ではなく肩書主義。命令するだけで自分はやらない。暴力。時間にだらしない。酒にだらしない。
 形式主義。教条主義。秘密主義。その他まだまだありそうですね。
 つづく。

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