馬楽の時間 167

 相手が動いていますから、「固定」はありません。
 拳も固定されていると馬の口にガツガツ当たります。上級者の馬術では、馬の口が動いているように見えません。が、銅像のように固まっているとはどうしても考えられません。絶対動いています。なのに拳を固定するものだとしたらどうでしょう。ハミに当たります。
「赤ちゃんの肌に吸い付くような」拳とは、馬の口の動きに合わせて動いているのです。固く握っていても、それが出来るなら、柔らかい拳と言うことです。オイオイ今さらですね。
 どこかに書きましたが、練習です。二人で向き合って手綱を持ち、片方の動きに合わす練習です。私は必ずやります。私が騎手役で、馬役の相手の動きに合わせるとビックリします。強くなく、かといって弛まず。気持ち悪いそうです。強く引き続けるのは簡単ですが、弛んでいるのに気が付かないことが多いです。「ワ~」と感動するのですが、その後練習を続けていると聞いたことがありません。いつでも何処でも出来ます。千回万回と練習です。
 大昔、学生時代「拳はたてがみの上何センチ」と習いました。そして「拳を下げろ」「拳を動かすな~と何回言われたやら。間違いです。大間違い。
 まさか今はそんなことをやっていないと思いますが、心配です。
 自分で研究するんですよ。自分の馬術だもの。他のスポーツも、音楽も美術も、お笑いも、全部参考になります。

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