馬楽の時間 157

 156の「事故訓練」は「自己訓練」の間違いです。ごめんなさい。
調教
「気を付け」について。反応を良くするために。
 気を付けは手綱を取って、姿勢を正すだけでは不十分です。
 英語では、アテンション(attention)です。飛行機に乗ると「アテンション プリーズ」とアナウンスがあります。「お知らせがあります、こちらに注意して下さい」。馬との関係も同じです。アテンションプリーズです。
「これから運動を始めるよ、準備はいいかな?」と馬に注意を促します。
 それに対して、馬からも何かがあるはずです。
「いやいや、ちょっと待ってくれ」とか「いつでもいいですよ」とか。
 扶助を「提案」と「納得」と訳しましたが、似ていますね。
 お互いに気を付け合っていれば反応は良くなります。もっと言えば「今なら反応出来」ると言う時に扶助を出せば、馬は反応出来ます。これは親切。いつも愛情込めて親切丁寧にやっていると、馬は期待に応えようとします。
 こうなれば得も言われぬ人馬の一体感を得られます。頭でイメージしただけで馬は反応してくれます。「阿吽の呼吸」です。嘘じゃありません。その体験があります。
 人との関係と同じです。顔も見たくない嫌な奴の言うことなんか絶対聞かない。反対に大好きな人のためなら何でもやってやろうと思う。
 馬のそのあたりの感性は人の何倍も優れているはずです。草食動物だから。馬に好かれる自分でありたいものです。


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