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北神急行最後の一週間

神戸市中央区の新神戸駅と北区の谷上駅を結ぶ北神急行電鉄は路線の大半が六甲山地を貫く北神トンネルという特徴的な鉄道でした。この路線は1988年の開業以来、阪急系の民営企業「北神急行電鉄株式会社」が運営する路線でしたが、神戸市の政策の中で2020年6月1日より市営化され「神戸市営地下鉄北神線」となって、神戸市交通局の路線として運営されるようになりました。
ここでは北神急行最後の一週間の様子を、私が見た限りでありますが、ご紹介いたします。

■5月25日(月)
谷上駅構内には6月1日以降の乗車券に関する案内類が多数掲示されていました。運賃表や駅務機器の運賃表示は未更新です。わずか一駅先の新神戸まで320円という運賃でしたが、これも過去のものとなりました。

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駅前では6月1日より乗り入れる神戸市バスのバスのりばの新設工事を行なっていました。

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■5月26日(火)
西神山手線の湊川公園駅を訪れると、運賃表はすでに更新されていて、変更となる箇所には上貼りがなされていました。ただ、構内の路線図は「北神急行」の表記が残されたままでした。

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■5月27日(水)
谷上駅の駅表記を記録したのちに新神戸にて折り返し待ちの北神急行電鉄所属の7000系電車の様子を記録しました。車内は中吊り広告が全てグループの阪急電鉄の広告となっていて、戸袋部なども自社広告のみが残されていました。
ちなみに、この日にはマスコットキャラクター「北神弓子」が神戸市交通局に移籍する発表がなされ、この嬉しいニュースに私を始めとする北神急行ファンが安堵しました。

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■5月28日(木)
谷上駅にて7000系電車の撮影をしました。社章等の表記は残されたままでした。駅構内には感染症予防を懸念する「皆様へのお願い」が掲示されていました。

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■5月29日(金)
最後の週末となる金曜日に新神戸駅にて表記類を記録しました。この時には出入り口などにも北神急行の表記は残されていましたが、この直後、6月1日までに全て撤去されました。駅構内には運賃大幅値下げの内容のPRポスターが連貼りされていました。

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■5月30日(土)
所用があったため、記録はありません。

■5月31日(日)
感染症予防のために人の少ない日中に最終日の様子を記録しました。表記類は更新が進んでいる様子で、駅の大きな表記も目隠しがされていました。この下には「神戸市営地下鉄」と書かれているのでしょう。駅構内は定期券更新の混雑対策がなされていました。
いよいよ、北神線は市営化され、32年もの間親しんだ北神急行電鉄は姿を消すことになります。寂しさが込み上げてくる思いでした。

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本社まで歩くと入口の会社名はそのまま残されていました。車庫の壁面の巨大なPRもそのまま残されていて、こちらは6月末でもそのままでした。

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■6月1日(月)
6月1日(月)に北神急行電鉄は市営化され、神戸市営地下鉄北神線となりました。西神山手線・北神線を運行するすべての車両には、西神中央側に北神急行から転籍したマスコットキャラクターの「北神弓子」と地下鉄のキャラクターの「ゆうちゃん」をあしらったデザイン、谷上側には6000系電車をあしらったデザインのヘッドマークが取り付けられ、市営化を盛り上げていました。
また、谷上駅の表記は目隠しが取り外されて、「神戸市営地下鉄」の表記が姿を現していました。

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■おわりに
北神急行電鉄の市営化は鉄道網が粗方成熟した神戸市内において近年珍しい大規模な変革でした。市営化による運賃の低減や効率化を通して、北神地区がますます発展することを期待する一方で、北神急行に公私とも長年親しんだ身としては、少し寂しく思う気持ちもあります。振り返れば、こうして北神急行の最後に立ち会うことができたのは良いことでした。
これからの北神線と北神地区のますますの発展を期待したいと思います。

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