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スーパーマリオが好きな理由

今「好きなものは何ですか?」と聞かれたら、パッと浮かぶのは「ラジオ」「サウナ」「カラオケ」の3つだろうか。28歳にして趣味が老人なんだよな。本当嫌になるね。

ラジオというかテレビというか、もっと言うとお笑いが好きなんだけど、それは幼稚園や小学生ぐらいの頃からずっと好きで。

ただそれよりももっと前に好きになったものがある。それは「スーパーマリオ」。これに関してはどの趣味よりも一番早く好きになったと断言できる。



ハマったタイミングは、まだ幼稚園に入る前。ヤクルトレディをしていた母親が、僕を託児所に預けていたのだが、その託児所にあったテレビデオで、スーパーファミコン用ソフト『スーパーマリオワールド』の攻略ビデオVHSが何故か繰り返し流されており、小さい頃の自分はそれに夢中になっていた。

2〜3歳の頃なのでハッキリ覚えているわけではないが、それでも水中ステージを泳ぐマリオの姿はかすかに記憶に残っている。託児所の子供用のビデオでマリオの攻略ビデオ流すって意味わかんないけどね。相場はトムとジェリーだろ。


実際にプレイしたわけでもないのに、そのVHS一本で完全にスーパーマリオの虜になってしまった自分は、5歳の時(2000年)の誕生日プレゼントとして、ゲームボーイカラーと一緒に1989年発売の『スーパーマリオランド』を買ってもらった。

走って飛んで泳いでを華麗にこなすマリオを操作してすごく気分が晴れたのを覚えている。当時ほんの少し、ほんの少しだけいじめられていた自分にとって、マリオはヒーローのような存在だった。


それから、兄貴が持ってたニンテンドウ64で『スーパーマリオ64』『マリオカート64』『マリオテニス64』をプレイしてよりマリオに浸かっていった。

ゲームボーイアドバンスを買ってもらってからは、スーパーマリオアドバンス2で憧れの『スーパーマリオワールド』に辿り着いたり、スーパーマリオアドバンス4で存在だけ知っていた『スーパーマリオブラザーズ3』を初体験したり、ファミコンミニで『スーパーマリオブラザーズ』を発売から20年越しに履修したり、過去のタイトルを中心にマリオシリーズを全てプレイしていった。

ゲームキューブはスルーしてしまったのでサンシャインは未プレイだが、Wii以降の王道マリオシリーズは一通りプレイしていると思う。大人になった今でも、スーパーマリオへの興味は薄れることはなく続いている。



当時はただ楽しくて遊んでいただけだったが、後にゲームのことについて調べていくうちに、制作者側の意図していた指針を知ることになる。


マリオシリーズに欠かせない主要スタッフである宮本茂は、『スーパーマリオブラザーズ』の最初のステージである「1-1」を最後に作ったという。後半のステージが先に仕上がり、その出来は大変良いものだったが、難しすぎて初心者はクリアすることができない。そのチュートリアルとして、ユーザーの行動を予測して緻密に調整を重ねてできたのが「1-1」であると。初心者のプレイヤーを切り離さないための想いからこのような造りにしたのだろう。


任天堂の元社長である、故・岩田聡は、ゲーム人口の先細りを危惧し、2000年代に発売したハード『ニンテンドーDS』『Wii』について、ターゲットはコアなゲーマーだけではなく普段ゲームをしない人にも向けていると語っていた。


なお、岩田聡が任天堂の社長に就任する前は『ハル研究所』というメーカーの社長であった。ハル研究所といえば、『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』などを手掛けたディレクター・桜井政博がかつて在籍していた。簡単な操作ながら奥深いゲーム性が含まれた彼の作品に夢中になったゲームファンは多い。

星のカービィでは空中を自由に飛べるようにすることで初心者もプレイしやすく、エクストラモードを用意することで上級者にも歯応えのある難易度に設定できる。スマブラはスティックと基本3ボタンのみでプレイできる手軽さがありながら、アドリブ性の高い駆け引きが楽しめる。初心者も上級者も逃さない造りで、幅広いユーザーが遊びそれぞれ超人気タイトルとなった。



かつてプレイしていた好きなゲームは、どれも幅広い層を取り込むための策が盛り込まれていることに後から気付いた。最初にマリオを手に取ったのは、幼少期の刷り込みがあっただけで、ゲーム性を意識してではないものの、それ以降も自然と手が伸びたのは、そういった製作者側の意図に無意識下で影響されてだったのかもしれない。

もちろんコアなゲームが悪いというわけではない。いくらゲーム性がシンプルであっても内容そのものが面白くなかったら意味がない。ただ、マリオをはじめとした任天堂タイトルがとにかく好きなのは、誰をも受け入れようとするその心意気に知らない間に惹かれたというのが理由なんだと思う。



そんな自分も次第にゲーム以外のものに興味を持つ。テレビで見た「お笑い」にいつの間にか夢中になった。おそらくお笑いの原体験は『志村けんのバカ殿様』だと思う。それをきっかけに今に至るまで、時期によって多少熱量の増減があるものの、お笑いというジャンル自体を追うことはやめていない。

お笑いである以上どんなタイプのものでも好きだが、つい惹かれてしまうのは、テレビバラエティのように、お笑い好き以外にも向けたコンテンツ。昔から、親が子供に見せたくないだの、内輪ウケで見る気しないだのなんだのとよく文句を言われがちだが、テレビの普及率の高さにより多くの人をリーチできる強みがあるし、他の媒体では実現しづらい予算の掛け方でスケールの大きい笑いを届けてくれるのが好きだ。

ライブなど、主にお笑いが好きな人に向けたお笑いも凄く好きだし、配信文化の発達で以前より簡単にライブが見られるようになったが、個人的な好みの話をすればテレビで行われるお笑いの方に気が向いてしまう。繰り返すがこれはどちらが上か下かという話ではなく、単なる好み。



テレビ以外にも、この数年は、お笑い芸人がパーソナリティを務めるラジオを聴く機会が格段に増えた。むしろ自分は、今はテレビより接する時間が長い。当人たちだけで・言葉だけで・決められた時間内で………という様々な制約の中、芸人の実力が存分に発揮される場所にいつしか熱中するようになった。

今一番好きな芸人ラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。理由はシンプルに「面白すぎるから」。2人の掛け合いのテンポ、ワードセンスなどどれを取っても一級品だし、コーナーに寄せられるネタもハイクオリティ。この番組は、先日絶対王者とされる裏番組の聴取率を抜いたというニュースがあったり、Spotifyでの再生数が常に上位だったり、ギャラクシー賞に入選したり、と圧倒的面白さで数多くのリスナーを魅了している。もちろん自分も魅了されている。絶対に終わってほしくない番組だ。


次に好きな芸人ラジオは『ハライチのターン!』。喋りのテンポこそ落ち着いているが、2人のフリートークが何より好きだ。日々の生活でのワンシーンにいろんな目線付けを施し面白エピソードに昇華する澤部、ネタで見せつけるセンスとは裏腹に素朴な日常エピソードを話し時には嘘をつき時には漫才のネタで使えそうなテーマを贅沢に消費する岩井。深夜ラジオにありがちな刺激的なトークは少ないが、温かいお風呂に浸かったようなじんわりとした面白さが心地良い番組だ。

『ハライチのターン!』 2023年10月26日放送分にて、岩井は「自分たちを知らない人、漫才を見たことがない人も意識して漫才を作っている」「ラジオを聴いたことがない人に向けても喋る」ことを大事にしている、という意識がずっとあるという話をしていた。その言葉の通り、この番組には身内ノリが少ないし、あったとしても無駄のない言葉で簡潔に説明をしてくれるから初見の人でもわかりやすい内容になっている。

勝手に結びつけるのもなんだが、この岩井の配慮は、任天堂作品に携わったクリエイターたちが意識している指針と似ているな、と思った。面白いことは前提として、より広い層に届けたいという意志が自分の好みにものすごくフィットしている、と先述の回を聴いてより強く思った。


そんなハライチと神田愛花が司会を務める、フジテレビ昼の帯バラエティ『ぽかぽか』が今年1月にスタートした。TBSの『ラヴィット!』とは違いお笑い芸人の出演は少なめで、一般人が多く出るなど、かつて同じ枠でやっていた『笑っていいとも!』のDNAを感じる番組である。

自分はこれまでの放送を欠かさず視聴している。理由は、ハライチが作る笑いが、広い層に届いているのを見届けたいからだ。

番組初回から、2人が醸し出す空気によってスタジオが笑いに包まれる瞬間が何度もあった。ラジオでやっていた『オートマ論争』が、昼の番組でもそのまま通用しているのを見て、ラジオを聴いている身からするとちょっと感動すらした。

以前、番組の外観覧に行った時、トークゲストがチャン・グンソクで、絶対ハライチなんて興味あるわけないグンソクファンのお姉様方が200人ほどいたのだが、岩井が出す『っぽい』フリップで爆笑が起こったのを現場で見て、ああこの番組の面白さは決して内側に向いたものではなく、世間を相手にしているんだな、と、自分の好みに合っていることを身をもって体感できた。

そして、それらは岩井が言っていたように、自分たちを知らない人にも伝わるようにと心掛けているハライチの良さが溢れている証拠なんじゃないかと思うようになった。

ラヴィットと比較すると、濃いめのお笑い要素こそ少ないように思うが、ハライチ&神田愛花のコンビネーションの良さで、また違う心地良さが生まれているのも事実。ハライチらしい笑いがより多くの人に届く瞬間を見届けるべく、自分はTVerでぽかぽかを再生する日々がこれからも続く。



ここに書いた一連の文章はあくまで私見であって、共感してほしいとは特に思っていない。なので「眠たいこと書いとんなぁ〜」と思う人がかなりの数いるんだろうなあと思いながらここまで書いてみてる。もし共感してくれる人がいるならそれはありがたいけどね!

ゲームの話からだいぶ飛躍したような気もするが、自分の中ではかなり密接に繋がっている考え方で、一度文章にして整理したいとずっと思っていたのでnoteがあってよかった。今回はこの辺で。








ここで一つお詫びと訂正がございます、

『過去のタイトルを中心にマリオシリーズを全てプレイしていった。』という記述がありましたが、正しくは、「ヨッシーアイランド」と「スーパーマリオUSA』は、マリオシリーズの中でもイレギュラーな作風のため、今までプレイする気になれず未履修でした。

事実に反する内容を掲載してしまい、大変申し訳ございませんでした。




以上。

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