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イエメンーサウジアラビア陸路国境越え情報①(※2023年時点)~イエメンビザとイエメン入国情報編~

2023年3月にイエメンのセイユーンからサウジアラビアのシャルーラまで陸路で国境超えをした際の記録です。イエメン側の国境で2日間待たされたので、完全に暇人向けの国境です。

国境超えと深く関わって来るので、まず初めに、あまり知られていない現在のイエメンへの入国方法やビザについて触れておきたいと思います。

イエメン南部からの出入国について

イエメン南部ではアデンサイユーンから空路で入国が可能で、陸路でオマーンから入国することも出来ます。

オマーンとイエメンの国境は二つ開いており、マズューナミズューナMazyunah)を通る北部の国境と、南部の海岸線沿いのサルフィートSarfayt)の国境の二つです。メジャーなのはマズューナの方です。

今回イエメンに入国する時はオマーンから陸路で入国し、南のサルフィートの国境を通りました。

どのようにオマーンのサラーラからセイユーンまで行くかを、通り道の複数の町で調べ、行き方が分かったので今度はマズューナから行こうと思います☆

これは車の中から撮った写真で、まだオマーン側です。

オマーン側から出国するのに30分位かかりました

形式上、オマーンのイミグレーションのオフィサーに「イエメンには何をしに行くのか?今のイエメンの状況はわかっているのか?」と聞かれました。

「あなたより余程わかっていると思います」と答えたかったですが、そこは優等生の回答をしました(笑)

たまに欧米人(偏見だったらすみません笑)で、色々と質問して来るオフィサーに対してイライラしたのかあまり態度が良くない答え方をしている人を見かけ、余計なお世話ですが、「入国出来るか出来ないかの一存は相手次第なのにこの人はそのことを知らないのかな」と心配になってしまいます(笑)

オマーン川の国境を越えて、イエメン側に入る前の空間(?)です

振り返ると、遠くオマーンのイミグレーションの建物が見えます。

オマーンとイエメンの国境の間ではドンキーもいました。

話は戻り、他のイエメン南部への入国方法ですが、観光で人気のスコトラ島へはイエメン南部の空港からだけでなく、アブダビからも飛ぶことが出来ます。毎週火曜にアブダビからスコトラ島へ飛ぶ便が出ています。

他には、サウジアラビアとの陸路国境ですが、現在は私が通ったアルワディーアAl Wadeeah)しか開いていません。

ちなみにイエメン側とサウジ側、共に国境の町はアルワディーアと言う同じ名前です。(必要な文脈においては、イエメン側のアルワディーア、サウジ側のアルワディーアと言う言い方をします)

イエメン北部からの出入国について

首都サナアを含むイエメン北部を支配下に置いているアンサールアッラー(メディアではフーシ派と呼ばれることが多いですので、以下フーシと呼ぶことにします)と言うグループと、サウジアラビアは戦争中です。

2015年2月にイエメン北部のアムラーンで見かけたフーシのロゴ(兼標語)

そのため当然のごとくイエメン北部とサウジの間の陸路国境は閉まっています。(元々フーシは反サウジを掲げて集結していますからね…)現在、国際社会が承認しているイエメン政府はサウジの支援を受けているため、彼らがコントロール出来ているイエメン南部とサウジの間は陸路が開いています。

また、そもそも現在イエメン北部への観光ビザは発給されておらず、国連などの国際的な機関や人道支援に携わる団体の関係者と、フーシが認めたジャーナリストのみ入国のためのパーミッションが出されます。

そうした関係者が入国する場合もやはり空路のみで、サナア空港から入ることになります。ヨルダンのアンマンと、エジプトのカイロからフライトが飛んでいます。(それも時期によって飛ばなくなったり、再開したりします)

サナア行きの空港へのフライトチケットを購入できるのはイエメン人とフーシからのパーミットがある人のみです。

ちなみにフーシは反サウジだけでなく、反アメリカ、反イスラエルも掲げるグループで、国連などの人道支援でイエメン北部に入国が許されるのも欧米系ではなくアフリカ系やインドネシア人、マレーシア人が多いです。

私は2014年から2015年にかけてオールドサナアサナア旧市街)に住んでいたのですが、オールドサナアの美しさは世界中の他のどの都市にも比べようがなく、毎日窓から外を見るだけでとってもご機嫌になっていました(笑)

イエメン人もサナアのことは皆揃って「美しい」と言います

オールドサナアの人が他の都市などに行って戻って来ると「サナアはやっぱり美しい、どこどことは違うね」などとジョーク(しかし紛れもない事実笑)を言っているのを聞くこともあります。

これはうちの家で、当時一緒に住んでいたイエメン人の家族とは本当の家族のようになり、今でも(誇張ではなく笑)毎日ワッツアップのメッセージが届きます。

イエメンの内戦が早く終わり、また、イエメン北部への観光ビザの発給が再開されることを祈ります。

こちらはセイユーンで見かけたウォールアートで、最後の「NO WAR」と言うペイントが心に響きます。

以前イエメンに住んでいた関係で、実は私はイエメン北部のパーミッションを取得することが出来る(実際パーミッション自体は取得していました)ので、次回サナア空港に直接飛ぶ予定です。

今回元々イエメン南部からイエメン北部へ陸路で行こうとしていましたが、諸事情によりその計画はやめましたが、もしご興味のある方がいればその辺の事情も記事にまとめたいと思います。

イエメンのビザについて

今回イエメンへのビザは、かれこれ10年?来のイエメン人の友達がやっている旅行会社にお願いしました。

オールドサナアに住んでいた頃のご近所さんで、お互い家族とも全員知り合いです。ちなみに彼は大の日本びいきです。

一緒に取った写真がないか探して見ましたが一枚もなかったですww

今回の旅行で彼とさよならをする前日に私のおごりで、サナアから運ばれてきた最高級のカートを一緒に嚙みました。

勝手に「大統領のカート」と名付けています

当時、2015年の2月(か3月)にイエメンを出国しましたが、その直後にサウジアラビアなど連合軍からの空爆が始まり、友達には空爆前に見た最後の外国人だったと言われました。

話が脱線しましたが、イエメンのビザは事前に旅行会社を通して申請し、入国の際にアライバルビザを取得することが出来ます。

イエメンでの観光においては、ビザ以外にもパーミッションと言う制度があり、事前にツーリストポリスに大体どの日程で、どこに行くかを申請する必要があります。

旅行中は、至る所にあるチェックポイントや、違う都市など行政区間をまたぐ場合に、ビザとパーミッションを提示する必要があります。

それらは全て旅行会社がやってくれるのでこちらから準備することはないですが、念頭に置いておくと混乱しなくて良いのではないかと思います☆

次回以降、どのようにセイユーンからサウジアラビアを目指したのかを書いていきたいと思います。(と言っても大体待たされてただけですが笑)

他の陸路国境超え情報はこちらをどうぞ☆

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