まもなく日本からスペインフットサル界へ旅立つ１人の日本人フットサル選手がいる。

金森彩加

岡山県の高校女子サッカーで作陽高校としのぎを削る総社高校サッカー部では全国選手権出場を果たしたが、学生時代の吉備国際大学シャルムでは膝の怪我に悩まされてなでしこリーグには僅かしか出場できなかった。

仲良しで同じ学年の西川明花選手の活躍を複雑な思いでみていたのかもしれない。大学卒業前にサッカー引退を決意。以来裏方としてチームメイトを支えてきた。

大学卒業後は地元岡山県のチームLetizia岡山Femminileでフットサルを始めたが、今ほどの熱量ではなかったという。また、同時期にブラインドサッカーチーム岡山デビルバスターズにも参加。ボールを蹴る楽しさを噛み締めていた。

翌2016年、筆者と出会う

きっかけは日本ブラインドサッカー協会公認コーチ講習で岡山デビルバスターズ法人代表の羽根田氏と出会ったこと。羽根田氏も女子サッカーに詳しかったことから金森彩加を筆者に紹介してくれたのであった。

本当は2013年に出会っていた

筆者は2014年までスフィーダ世田谷（現なでしこリーグ２部）の応援をしていた。その中で吉備国際大学シャルム対スフィーダ世田谷のなでしこリーグ入替戦の第２戦が加古川市で行われた際に金森彩加は運営スタッフとして奮闘していたのだった。大量のスフィーダ世田谷応援横断幕を事前搬入する際に挨拶をしていた時に出会っていた事を後に知った。

金森ブラインドサッカーデビュー

金森が所属していた岡山デビルバスターズは2016年当時公式戦に登録してなかった。その為運営面でのノウハウを内側から見て活かして欲しいという願いを込めて金森を含む３選手を筆者が所属するGlauben Freund Tokyo（ブラインドサッカー東日本リーグ）にレンタル加入してもらい、2016年夏のアクサブレイブカップブラインドサッカー日本選手権に出場したのだった。

西日本リーグでゴールを決める

2016年の日本選手権後に岡山デビルバスターズは西日本リーグに加盟。金森はチームの得点源として活躍。金森はこのシーズンでフットサルに専念することを決意した。

フットサルチームでは大学チームメイトの山本彩可（福井丸岡RUCK）、岡本亜子（作陽高校サッカー部）や元愛媛FCレディースの浅野加帆里（ウノフットDione）とプレーした。

フットサルへの熱量が日に日に増してるのがよくわかった金森。

ゆる体操を続けていたお陰で痛めていた膝が回復。競技としてのフットサルで「極めて行く」という感覚が更に増して行くのであった。その努力が実り、2017年度に中国女子フットサルリーグで得点女王に輝いた。

更に上を目指したい！

競技を極めて行く中で「もっともっと極めたい」という気持ちが溢れてきた金森。目標の一つは日本代表。やるからにはとことん極めたい。そんな金森はスペイン短期フットサル留学を決行。日本では得られない貴重な経験を積んできた。

やっぱりスペインでプレーしたい

短期留学後に気持ちが更に膨らんで行く金森。仕事と海外フットサルへの思いの狭間で揺れていた。悩みに悩んだ。

やるなら今しかない！

フットサル選手として良い時期にスペインで勝負する機会はなかなか巡ってこない。やるしかない。やるなら今しかない。やれる理由を探してようやく決断をした。

スペインフットサル界でプレーする！
金森彩加はまもなくスペインへ出発する。

金森彩加（かなもり あやか）
1992年生まれ、岡山県出身
フットボール歴
岡山県立総社高校サッカー部
吉備国際大学シャルム
岡山デビルバスターズ（ブラインドサッカー）
Letizia岡山Femminile（フットサル）

2010年度高等学校女子サッカー選手権本大会に進出。大学でチームメイトとなる三宅あゆみ（NGUラブリッジ名古屋）の日本航空高校と対戦し1-6で敗退。
吉備国際大学シャルムのチームメイト西川明花（AC長野パルセイロレディース）と仲良し。大学卒業後にフットサルに転向。メンタルトレーナー、ゆる体操講師。

筆者
鈴木康夫（すずき やすお）
1972年生まれ、神奈川県出身
スポーツ歴
少年サッカーではスイーパー
少年野球では左翼手
中学時代は卓球
高校時代はスキンダイビング
社会人になってからは余暇としてフットサルを楽しむ。
2015年からグラオベンフロイント東京でブラインドサッカーを始め、2015年3月のクラブ選手権では2日間レンタル移籍でコルジャ仙台のガイドとして公式戦デビュー。2017年8月から岡山デビルバスターズに所属、2018年8月からグラオベンフロイント東京に復帰。日本ブラインドサッカー協会公認コーチ、初級障害者スポーツ指導員。