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「虎の巻」の現在

中学や高校のころ、「虎の巻」、いわゆる「教科書ガイド」を買うか買わないか、で友達と意見が分かれたことがあります。特に英語については、積極的に買う派も多くいました。

予習を効率的にやるためには、ガイドは有用で、訳がわかるだけじゃなくて、解説もしっかりしているから、使うべきだという意見もありました。「ノート提出があるから、ぜんぶ書き写すし、書いているうちに理解できるから、ちゃんと勉強になってる。辞書引きながらとかやってたら、時間かかるし、訳間違うし」
これはこれで説得力がありました。

しかし教科書ガイドを使うというのは、やはり「やっちゃいけない」ことだという意識はあり、机の上には出さないのが、暗黙のルール。
そして、「プライドが許さない」という意見もありました。「ちゃんと辞書をひいて、訳を考えて予習しないと、教科書以外の英語訳せないよ」
これは正論ですが、けっきょくテスト前に、「訳の確認」といって、使う派の友達のノートを借りていたり…。

今話題の生成AIを教育現場で積極的に使わせるのか、禁止するのかという議論を見ていて、なぜかこの虎の巻のことを思い出しました。

何か質問すると、まるで人が回答しているかのように、瞬時にさらさらと回答を示してくれる生成AI。これは禁止をしても、教科書ガイドのように、使わない手はない、と思う子供はたくさんいるでしょう。

なかなか難しい問題です。

いや、学校だけではなく、会社でも、この新しい虎の巻とどうつきあうかは大問題です。
昭和人、この虎さんとうまくつきあえないと退場宣告されてしまうかもしれません。

え?その前に「虎の巻」って何?
あ、もう使いませんか…「虎の巻」ということば…。