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【2017年夏休みの自由研究】北ア表裏銀座縦走〜6Lザックの限界に挑む

「テント泊で行っちゃえば?」

前々から北アルプスに行きたいと思いつつ、富士山なんかに比べて、都内からアクセスの時間がかかり、トレーニングの効率を理由に、行くのを避けていた僕にとって友人からのアドバイスは、中々良いアイデアでした。

結果的に、北アルプスの表裏銀座の主なルートを「単独行」+「TRコンポ6Lザック」+「一泊二日」+「ツェルト泊」という旅ランを、8/12-13にしてきました。

個人的には久しぶりにチャレンジングな内容で、充実した2日間でしたね。初モノ(に近いものも含め)が多く、準備の段階から緊張感は高く、ちょっとしたレースに出場するよりドキドキしてしまったということは告白しておきます。

以下、旅の記録ということで、思いつくままに書いていきます。お時間許すようであれば、軽くお付き合いください。

動機

そういえば、そもそも何で北アルプスに行きたいと思ったんでしょう?

実は小学生の頃に家族で上高地あたりからどこかを登った以来で、久しく行ってないというのが一つ。中央や南は行ったので北も行っとこうというのスタンプラリー的な感覚が一つ。最近、ガッツリ山岳系なルートを行ってないというのが一つ。がつんと山に行ってトレーニングボリュームあげたらどうなるだろう?というアスリート的好奇心が一つ。その他にも、、、まぁあの山に行きたいという願望の理由を数え上げ始めたらキリがないというのは、登山をする人たちに共通するところだろうとは思います。

ルート選び

行くとなれば、どんなルートが良いだろう?と、地図を買ったりヤマケイの本を読んだりブログを検索したり、色々と調べた。その中でヒットしたのが、信州トレマンさんのサイト。この中でも、とりわけ歯ごたえがありそうな、表裏銀座縦走というコースが気に入りました。

ただ、さすがに1Dayで実行というのもする気にはなれず(夜通し動き続ければできるだろうけど)、やはり宿泊は必須だろうと。山小屋泊も検討したけれど、冒頭の友人のアドバイスから、テント泊というアイデアを実現できないかと検討を始めました。

あと、登山計画はコンパスで事前に提出しておきました。

装備

正直なところ、ウルトラライトやファストパッキング的なスタイルというのも、個人的には少々重過ぎるきらいがあって、行くならやっぱり100マイルを走る時のような身軽さで行きたい。

そこで辿り着いたのは、TRコンポ6Lでやっちまえ!という結論でした。というか、結論ありきで、どうやって最小限の装備でいくか?という発想に近かったわけですけど。

で、参考にしたのは、クッチーさんのTJAR2016パッキングリストです。この中から、ストックシェルターPROと山と道ミニマリスト Minimalist Padをチョイスすることにしました。あとは、UTMF/UTMB準拠のいつもの装備という感じですかね(詳細は後述します)。

ツェルト泊は初めてなので、事前に近くの公園で練習はしておきました。

交通手段

電車かバスで行くことを検討してましたが、やはりバスタ新宿からのバス便が楽だろうといことで、基本はそっちをメインに。中房温泉に東京・新宿からバスでアクセスする方法というサイトを参考にしました。

さわやか信州号の深夜便は直前までキャンセル待ちを粘って、空きがでたので運良くゲットできました。実際に乗車したら結構ガラガラだったんだけど、なんだったんだろう・・・。

あと、帰りのことは、そもそもどうなるのかわからないので、出たところ勝負であんまり考えませんでしたね。

プランB

おおよその準備は固まりましたが、万が一に備えて、以下の心構えはしておきました。

・天候不順の場合は、そもそも辞めるか途中下山する。
・寒かったり天候不順でツェルト泊が難しい場合は、大人しく小屋泊(もしくは最悪、夜間行動を行い低体温症を防ぐ)

あと、ありがちなリスクの予防線としては以下のような内容でしょうか。
・怪我・事故の防止:テーピング、ファーストエイドキットは必須
・滑落防止:飛ばすことは考えず、ゆっくりペースを意識する
・補給ミス防止:2時間に1回は何かしら補給できる食料の持参、山小屋の経由

Day1/Day2備忘録

前述の準備のおかげか、2日間にわたり、大きなトラブルはありませんでした。本当によかった。

記憶に残ってる点は以下です。
・中房温泉の登山口取り付きの渋滞(ある程度予想してましたが)
・表銀座はご機嫌なトレイルだった
・槍ヶ岳付近で、とあるお二人からのアドバイスで、双六で妥協せず、三俣まで行けた
・低酸素トレーニングのおかげか、思ったより標高の高さは感じなかった
・ツェルト泊は、会いたく会いたくて、、、ではなく、普通に寒くて震えた
・夜明け前の鷲羽岳の登りは2013UTMBのグランコルフェレを思い出した
・2日目は高所の弱さが出たのか、6時間で力尽きた感があった
・裏銀座も烏帽子岳あたりまではご機嫌なトレイルだった
・船窪峠から針ノ木峠に行きたいな〜と思ったけど、力尽きてたので辞めた
・いくつか色づいてる葉があった。もう秋がきてる
・日曜日に家で布団で寝てるのが夢心地だった

ギャラリー

道中撮影した写真をいくつかあげておきます!

【主なデータ】

●ルート
・Day1:中房温泉〜燕岳〜大天井岳〜槍ヶ岳(山頂は混雑でスルー)〜双六岳〜三俣小屋(ツェルト泊)

・Day2:三俣小屋〜鷲羽岳〜水晶小屋(水晶岳はスルー)〜野口五郎岳〜烏帽子小屋(烏帽子岳山頂はスルー)〜船窪岳〜船窪小屋〜葛温泉

●距離や累積標高など行動時間
・距離:約77km (40.5km +35.5km) 
・累積標高:約D+5600m (3500m + 2100m)
・行動時間:20時間50分(休憩込み) (10:21 + 10:28)
・CT(コースタイム):おおよそ50%(休憩込み)

●補給
・Day1 
 出発前:おにぎり2つ、大福0.5
 行動中:大福0.5、羊羹2つ、トレイルミックス適量、水3.5L
 就寝前:アミノスパイク20粒、牛乳200ml、メープルパン、レーズンのお菓子、パワーバー、水0.5L
・Day2 
 出発前:おにぎり2つ、大福0.5
 行動中:大福1.5、羊羹2つ、トレイルミックス適量、柿の種、あんぱん1つ、水3.5L

●行程
・8/11 2305 バスタ新宿発
・8/12 0430 安曇穂高駅着
・8/12 0500 穂高駅発
・8/12 0600 中房温泉着 & 出発
・8/12 1630頃 三俣山荘着 & テント泊準備と食事
・8/12 1830頃 横になる(全然寝れない笑 1.5時間の仮眠×3回ほど)
・8/13 0330頃 起床&食事&撤収
・8/13 0410頃 三俣山荘出発
・8/13 1440頃 葛温泉着
・8/13 1530頃 葛温泉〜信濃大町(タクシー)
・8/13 1556 JR信濃大町駅発(帰宅&山と自然ネットワーク「コンパス」下山報告完了)

●装備一覧
・ウェア類
THE NORTH FACE ディプシーカバーイットキャップ
OAKLEY Rader EV(プリズムトレイルレンズ)
THE NORTH FACE ベターザンネイキッドクルー*2
THE NORTH FACE フライウェイトレーシングショーツ*2
C3fit ペーパーファイバー5フィンガーソックス
THE NORTH FACE ハイブリッドスピードスタージャケット
THE NORTH FACE ホワイトランニングジャケット
THE NORTH FACE ストライクトレイルパンツ
THE NORTH FACE ランナーズ2イーチップグローブ

・シューズ
THE NORTH FACE ULTRA VERTICAL

・ギア類
THE NORTH FACE ティーアール6L
HydraPak SOFTFLASK 500ml*2
Runblur RS-98
信州トレマン ストックシェルターPRO
山と道ミニマリスト Minimalist Pad(1/4にカット)
Petzl Nao(+予備バッテリー1つ)
Petzl Elite
熊鈴
GONTEX テーピング(25cm*4)
ポイズンリムーバー
ファーストエイドキット
エマージェンシーシート
携帯トイレ
現金
クレカ
保険証
家の鍵
THE NORTH FACE テックペーパーウォレット
山と高原地図(槍ヶ岳、鹿島槍)
SUUNTO Ambit3
Polar H10

・補給食
おにぎり4つ
羊羹4つ
豆大福4つ
トレイルミックス(レーズン、ミックスナッツ、バナナチップス、ひまわりのタネ、かぼちゃのタネ各5掴み)
パワーバー1つ
パワーバージェル3個(未使用)

振り返って

さて、これらは、出来る人にとっては、大したことの無い内容なんでしょうし、やってみたら案外あっさりできたという印象があります(もちろん反省点はいくつかあります)

ただ、個人的には初モノに滅法弱いので、それなりに準備して上手くできたというのは少し経験値アップしたなという手応えもありました。

レーサーとしてトレーニングをしていくと「効率」という名の下、通い慣れたルートを使って同じようなメニューを行っていき、、、というような単調なサイクルに陥りがちだったりします。

そういう時に、こうやってガツンと冒険的な要素満載で、自分自身に挑戦するというような、遊びなのかトレーニングなのか、よくわかんないけど、勢いで楽しんでやっちゃえ!的なものをやっていく(こういうのを何と総称したらいいんでしょうか)のも、一つありだなあと思った次第です。

おわり。

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