トレラン研究ノート

八木(旧姓:小林)慶太。トレイルランニングアスリート。湘南・鎌倉エリアで育ち、2012…

トレラン研究ノート

八木(旧姓:小林)慶太。トレイルランニングアスリート。湘南・鎌倉エリアで育ち、2012年よりトレイルランを始める(メインは50~100マイル)トレイルランニング(特にウルトラトレイル)に関するコラムやエッセーを中心に書いていきます。

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高強度トレーニングの手応えを感じなくなったら、基礎構築期間を設けてはいかが? 〜Berunに向けた取り組みを事例として〜

昨年、ある一冊の本に衝撃を受けました。「ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト」という本です。「早く走るためには、ゆっくり走ること」。足りないものがまさにそこにあったという感じでしたね。 実は、チーム100マイルに加入して以来、大幅にフィジカルを成長させてくれた「高強度トレーニング」に固執して練習をしてきました。でも、段々とキツイ練習をしても、疲労は溜まるばかりで成長を感じることが少なくなり、レースでのパフォーマンスも上がらなくなり、焦るから更に高強度トレーニングを、、

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    • 入賞!甲州アルプスオートルートチャレンジ クレーシャ108

      2018年Trans Jeju以来となる100km超のトレイルレースに出場してきました。 このチャレンジの背景背景は「比叡山50マイル」と同じです。詳細はそちらを参照してください。山を走らずにウルトラトレイルにどこまで対応できるか、この制約(縛り)を続けています。ただし、今回は1回だけ10kmほどのトレイルを走る機会がありました。その際に得た発見をもとに坂ダッシュを強化しました。やはり、山を走ることの重要性を実感しました。行ける人は行くべきですね。 なぜこのレースを走るの

      • 再挑戦!比叡山50マイル 〜山に行かずどこまで走れるのか〜

        このnoteは、2023比叡山50マイルを振り返る個人的な記録を公開するとともに、山に行かないでウルトラトレイルをどの程度走れるのかを考察するために書きました。仕事や子育てなど様々な事情で遠出はしにくい、、、でもトレイルレースには挑戦したい!という方にとって、少しでも参考になればと思います。 比叡山50マイル出走について経緯 2023年5月12日に行われた比叡山インターナショナルトレイルラン2023を走ってきました。2019年1月の左足首骨折以降、50マイルは最長の距離に

        • 目標達成のために、目標を公言することは有効か?

          目標の達成確率を高めるために、どのように行動し発言していくべきか、先日とあるツイートが目に飛び込んできて、考えるきっかけになった。 吉原くんのツイッターでは復帰・優勝戦と公言して、その大会まであと●日あるというような内容だった。これに対して、自分は脊髄反射的に以下のようなツイートをした。 そして、田中さんからも同様の意見だというリツイートをもらった。 これまでの成功体験の経験則から、自分の場合は、目標を公言したり紙に書いて貼っておいたり、成功した場合のイメージを膨らませ

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        高強度トレーニングの手応えを感じなくなったら、基礎構築…

          川内優輝 Yuki Kawauchi 2018年野辺山100kmウルトラマラソン・71km優勝インタビュー全文書き起こし

          DogsOrCaravan.comのインタビュー記事、いつもYoutubeは貼り付けてあるけど、iRunFarみたく全文書き起こしが載ってない!読みたい!!(でも多分書き起こしって面倒で大変なんだろうなぁ・・・) というわけで、勝手に……うそです、岩佐さんに許可をもらって(Google Speech to Text APIというクラウドサービスを使い)、全文書き起こしを試してみました。 お題は「川内優輝 Yuki Kawauchi 2018年野辺山100kmウルトラマラソ

          川内優輝 Yuki Kawauchi 2018年野辺山100kmウルトラマラソン・71km優勝インタビュー全文書き起こし

          第15回 乳酸研究会@東大 メモ

          【レクチャー1】 乳酸をつくる能力と使う能力のトレーニング効果 by榎木先生  ●講義メモ ・乳酸をつくる能力と乳酸をつかう能力を分けて考える ・ゲーレン・ラップとキプチョゲの比較  →乳酸をつくる能力がないとマラソンでも厳しい ・乳酸をつくる(解糖系)能力をつけるには大きな筋発揮出力を利用 ・パワーを生み出すには筋肉が必要だが、走るだけではつかないので、ウェイトトレーニングも行う ・レジスタンストレーニングの効果  →高筋力発揮の持久力に重要な酸化系代謝に有

          第15回 乳酸研究会@東大 メモ

          左足関節脱臼骨折の状況に関する覚書

          今年の年始は九州にいる予定で、折角なので、UTMFにむけたプチ合宿をしよう!と同じくUTMF出場予定の九州在住のトレラン仲間と阿蘇を1月4日,5日の2日に分けて走り倒そうという計画をしていた。初日は自分ともう一人、二日目は一人増えて3人の予定。 初日は俵山交流館萌の湯を出発し距離と累積標高を稼ぎつつ初日のパートナーもいったことがないというので俵山峠に一度おりて、登り返し俵山方面から地蔵峠の方へ阿蘇ラウンドトレイルのコースを逆走しつつ適当なところで折り返して駐車場に戻るという

          左足関節脱臼骨折の状況に関する覚書

          液体のみで14時間走り続けた感想について語ろう(TransJeju2018)

          ドリンクのみでどこまで走り続けられるだろうか? 韓国済州島で行われた110km, D+4000mのウルトラトレイルレース「TransJeju」を走り切る上で決めたサブテーマがこれだった。 遡ること今年4月UTMF。でトップ1,2位のDylan BowmanとPau Capelの補給はドリンクのみだったという確かな情報をサポートクルーから得ていた。専ら固形食は適度にモグモグする派の自分としては(本当にそんなこと可能なんだろうか?)という疑問があった。 今年9月下旬にDyla

          液体のみで14時間走り続けた感想について語ろう(TransJeju2018)

          ハセツネ2018最速回顧録

          追記(2018/10/9):TrainingPeaksの記録を最後の方に追加しました。 3回目の今回は、月夜見でリタイヤだった。おそらく10時間ゴールほどのペースで、6時間で月夜見に到着。正直、脚もカラダもピンピンしてる。全然元気(翌日の今も、筋肉痛は一切ないし、睡眠時間が短い以外は、走った割にほとんどダメージを感じないレベル)。ただ、月夜見到着のタイミングでジェルの残数が5個。これは全然足りない。浅間峠〜三頭山で手がピリピリしてハンガーノックに近い兆候がでていたりとエネル

          ハセツネ2018最速回顧録

          Re:信越五岳100マイルでペーサーがしてくれた7のこと

          この記事について須賀くんが書いてくれたブログの返信的な形で時系列に近い形で書いてみました。レーサーとペーサー双方の視点をそれぞれ見れて面白いんじゃないかと思ってまとめてみました。 日曜朝のあれこれ2018年9月16日午前5時20分、鳴るはずの予定のない自分のスマホが鳴る。一瞬、出走せずにペーサー終了のイメージが脳裏に浮かぶ。 「すいません、マーライオンになりました。。。」 黒姫にフラフラしながら到着した時、須賀くんは17位(一時的に18位まで下がっていたらしい)。 1

          Re:信越五岳100マイルでペーサーがしてくれた7のこと

          CALIFORNIA 覚書

          THE NORTH FACE ENDURANCE CHALLENGE CALIFORNIA 50mileについて。 レースは27mile地点で棄権しました。 直前1ヶ月の練習・調整不足に加え現地入りから下痢が続きレースとして成立させることができなくなったためです。 目標の中に完走を含めていれば走り切るという選択肢もあったでしょう。しかしながら、今回のレースは目標とする順位や時間、そのために為すべきタスクを決めており、それらが遂行できなくなった以上、続ける意味がないと判断

          言い訳の塊

          "This race is over!!" CP1(5.5km)までに集団ロストを繰り返し、先頭と30分差あると聞かされて、隣のガイジンは吐き捨てるように言い放った。 (いやいや!レースは始まったばかりでしょ〜!!)と内心呟いて、もちろん前を狙う気満々で自分はちょっとペースアップ。 こっちの気合を感じ取ったのか、彼も後ろからついてきた。なんだあ、案外根性あるじゃんかよ。ちょっとしたら彼は自分をパスして登り上がって行った。 TransJEJUは10/14に開催された韓国

          【2017年夏休みの自由研究】北ア表裏銀座縦走〜6Lザックの限界に挑む

          「テント泊で行っちゃえば?」 前々から北アルプスに行きたいと思いつつ、富士山なんかに比べて、都内からアクセスの時間がかかり、トレーニングの効率を理由に、行くのを避けていた僕にとって友人からのアドバイスは、中々良いアイデアでした。 結果的に、北アルプスの表裏銀座の主なルートを「単独行」+「TRコンポ6Lザック」+「一泊二日」+「ツェルト泊」という旅ランを、8/12-13にしてきました。 個人的には久しぶりにチャレンジングな内容で、充実した2日間でしたね。初モノ(に近いもの

          【2017年夏休みの自由研究】北ア表裏銀座縦走〜6Lザックの限界に挑む

          こういうBack to Backもありかな

          7月31日月曜日。いつもより少し早く眼が覚める。 気持ち良く家の周りを走りたい。もう8月に入るというのに、外の空気はヒンヤリ冷たい。ふわふわ綿菓子みたいに進んで行きたいな。 そんな願望とは裏腹に、ベタベタとカラダに纏わりついた何かを振り払うようにカラダを動かす。 うーん、できないものはできない。諦めよう。波がこなければ乗れないもんだよね。計画を大幅に縮めて、30分ほどでコソコソと家に帰る。 まあそんな日もある。実際問題、予想はしていたことだ。ともあれ、今日の朝食は決め

          こういうBack to Backもありかな

          もしトレイルレースがなくなったら

          このスポーツに出会わなければ、そこに行かなかっただろうし、その人に会わなかっただろうし、まさか起こらなかっただろう、という様な事柄が、ここ数年でいくつもあります。 三陸・雄勝海の幸トレランNEXTはそのうちの一つになったのかもしれません。石巻市雄勝町、運営者・参加者との交流、今後のトレランのあり方について想ったこと。これらは全て印象深いものとなりました。 そもそもの参加の経緯は、須賀くんからの招待でした。正直言うとレーススケジュールの関係などもあり、都合がつけば参加しよう

          もしトレイルレースがなくなったら

          トレーニングとしてレースを活用するにはどうするか【スリーピークス八ヶ岳トレイル編】

          ●スリーピークス出走の経緯スリーピークス、3年ほど前から良いよという評判を聞きつけ、2年前にはコース整備の手伝いにいき良いコース・大会に違いないとの確信を持ちつつ、出場する機会を伺っていました。そして、今年は何とか出場できそうな目処がったので、出場することにしました。 とはいえ、一ヶ月前にBE RUNでがっつりピーキングをしていたこともあり、また既に新しいトレーニングフェーズに移行している関係からも、38kmを走るのはレースのダメージを考慮すると少々厳しいなと感じていま

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          トレーニングとしてレースを活用するにはどうするか【スリ…