見出し画像

WEEK49 散歩の効用とDr.キリコと。

こいぬずが3歳になりました。とはいえ、彼らには時間という概念がないので、この日は謎におやつがたくさんもらえたなあ〜というだけなんですが。

カバー写真でこいぬずがつけているスタイ(ビブ)は、シッターさんがプレゼントしてくださったものです。うちのこいぬずは服や新しいリードが苦手なんですね。それをわかってくださってるシッターさんのぴったりサイズといい、センスといい…!

犬と暮らす前は「犬はただの映像」「人生の負債」

もともと私は命あるものと一緒に暮らすことにあまり…いや、かなり興味がなく、ましてや、人間に100%依存することでしか生存を許されない命に責任を持つって、そんな人生の選択肢ある??などと思っていました。一度飼ったら、10年以上長期旅行も出張もふらっとカフェ巡りもできない、冷暖房費に保険に病院費にトイレ費用、散歩にごはんは一度たりとも忘れてはならず、最後は24時間つきっきりで介護という人生拘束コースをなぜあえて?と信じていました。私は読書と漫画を描くためだけに時間を使いたいので、犬は人生の負債でしかないと信じていたんですね。離れて暮らす妹が犬を買い始めたときは、会いに行こうとも思わなかったし、送られてくる写真も「ピクセルの集合体だなあ」としか思っていませんでした。

が、コロナ中の移動制限が緩和されて、妹が犬をつれて私の家にきたとき、上記の全てが一瞬で崩壊しました。「なに、この、あったかい、やわらかい、自ら動くもの…!」私の足に触れて動いていった毛のふわっとも、つやっともいえる躍動感のかたまり。部屋の中に自分から動く物体がいる新鮮さ。毛のある動物のじんわりあったかみ、やわらかまるみ。なにより会った途端、「これがゆうき姉なん?姉!姉!」と見返りなど全く期待しない目と仕草で、わ〜っと寄ってこられてきたので、人生の負債どうのこうのが、一切合切ふっとんでしまったんですね。さすが、かわいさ一本に生存戦略を切り替えてのりきってきた小型犬…!

猫でも鳥でも魚でも兎でもない

愛玩動物種は、野生から家庭に生存圏を移す際に、こうやったら、人間からごはんがでてくる!あったかいベッドがでてくる!という門外不出のマニュアルを遺伝や環境から学んでいったと思うんですよね。そうとでも思わないと、「犬はピクセルの集合体」と思っていた社会人が、急転直下「今日はおやつ用にささみジャーキーを焼こう♪」とはならないかと…。愛玩動物軍団おそるべし。ただ、猫でも鳥でも魚でもうさぎでもない「犬」を選んだことで、人生の拘束だと思っていたことが、すべて人間が現在置かれている立場を考えるきっかけ、トリガーになっていったのは驚きでした。

コミュニティに入れる

ひとつは近所の人との交流。犬を連れて散歩にいくと近所のあらゆる情報が入ってきます。まず第一にあがるのが評判のよい動物病院、犬の学校(トイレやむやみに吠えないなどのトレーニング)、トリミング、散歩に適した公園、ドッグラン、おやつ、おもちゃの通販、ペットシッター、ペット可ホテルにペット可カフェ、近所の新しいお店や美味しいパンなど、犬と暮らしていないときは全く手に入らなかった事実に裏付けられた厚みのある情報群…!東京ということもあるんだと思いますが、いろんな経済層、言語層に犬を介してスっと入ったり、そちらの世界を垣間見たりすることができます。

早寝早起き

私は朝が苦手タイプなんですが、毎日ではないものの、6時半に起きてお湯をわかして蒸し野菜+焼き肉/魚のごはんを作れています。こいぬず命パワーすごい。野菜を切っていると頭がクリアになってきて、めざめてくるものなんだと気づいたのも面白いです。もちろん、朝が早いので、自然と早く寝るようになりました。妹の家にいるときは12時には完全に寝ています。神奈川の家にいるときは気づくと1時、2時とかなんですが。

散歩で地域パトロール

SJも散歩好きでしたが、散歩は物を考えるのにいいそうですね。私もそんな逍遥をしたい…と思いつつ、だいたいいつも道路や公園に変なもの(犬が口にしてはいけないチョコレートなどのお菓子や、金属やガラス、なにかの死骸や糞)が落ちていないか地面を気にしています。公園に、パンやらお菓子がまるごと落ちていることもあり、公園管理の人が来るのを待たず、園内のゴミ箱まで持っていって捨てたことも1〜2度あります。私の仕事じゃないけども、そうでもしないとうちのこいぬずやほかの犬がそっちに寄っていっちゃうから…!(笑)

先日は電柱の根本が錆びているのに気づきました。よぎる腐食電柱の倒壊による怪我ニュース…。こういうのを見るとほっとけないotakuなんですよねえ。電柱番号から管轄先を調べて、撮った写真をフォームを通じて送ったあとそのまま忘れていたのですが、数日後の散歩でそこを訪れてみると、電柱に、近々リニューアル!のカバーがついていました。ダメ元で送っていたので嬉しかったです。犬の散歩してる人って、近所の小さな変化に鋭いし、基本、地面をチェックしてるので報告の方法さえわかれば、犬が安全に歩行できるようになるわけだし、頼めばやってくれるんじゃないかなあ。マンホール報告アプリとかありますもんね。お散歩電柱報告アプリとか作れないもんかしら。

あと誕生日は12回?

犬の命はだいたい15年なので、あと12年一緒に暮らせることになります。とはいえ、11,12歳を越す、2034,5年ごろには、階段が上れなくなったり、カリカリしたものは食べられなくなっていたり、目が見えなくなったり、おもらしをしたりするんだろうなあと想像しています。最近は犬の認知症もあるので、ずっと鳴いていたり徘徊したりもあるかもしれん。

欧米(犬放し飼いが普通の南米でも!)ではペットの安楽死が一般的です。私はDr.キリコに魂を売ってるので、人間なら命を停止する選択肢は多いほうがいいと思っているほうですが、犬は違うんじゃないかなーと「今は」思っています。

↑アマゾンの「サンプルを読む」で1話の途中まで読めるんですが、キリコ師匠が無駄にぱんいちでボディチェックされてるとこがありまして…ええ…。私は白い死神バージョンが大好きです。かっこいいよううう。3巻か4巻のカフェエプロンしてるとことか…!ブラック・ジャック現代版もモダンな絵柄で、美しい黒髪くるんくるんの黒男くんなので、昔の絵柄はまだ自分にははやいかなーと思ってる方は、現代版をぜひ…!

3歳になったこいぬずに、3歳になった自覚がないように、犬は時間という概念がないんですよね。人間なら苦しみの先に楽(死)があるという保証があるから痛い注射をしてもOKです、となるところを、犬の場合、今苦しんでいても、その先に楽があるのか死があるのかわからないまま、ただ、痛いな、息がうまく吸えないな、少し楽にならないかなと思いながら最後の最後まで呼吸を繰り返してるんじゃないのかなと思っています。楽になりたいとは思っていても、死にたいとは思っていないと思うんですよねえ…。そうなると、ある日、苦しいなと思いながらも、飼い主にずっとなでられていたのに、お医者さんのにおいをさせた人が来て、ちくっと注射されて、痛い!と思ってそのまま死んでいくんでは…と思うんですよね。注射されたあと、飼い主がずっとなでていれば注射の痛みとかはすぐになくなるのかもしれませんが、犬からしたら「なんで注射されたんだろ…」と謎をもったまま死んでいくのかなあ。理由とか考えないのかなあ。うちのこいぬずのピンクいほうは、かなりコミュニケーションが高めなので、最後の最後に飼い主に裏切られたって思うのかな、いや、裏切るっていう感情が犬にはないからな…。Dr.キリコ師匠から言わせたら、ようは愛犬が苦しむ姿を見続ける力がおまえにないだけだ、人間は死の前に無力で、2033年にはおまえも骨も心臓も10年分老化が進んでいて、とっくに24時間愛犬を見る気力も、なで続ける集中力もないよ、と言われそうな気がします。

こいぬずの死については、全力で考えてから決めねばの…。どっちにきめても、あっちのほうがよかったのかこっちのほうがよかったのかと何度も思うだろうことは想像に難くないのですが、「少なくとも私は全力で調べてとことん考えて結論を出した」という免罪符が欲しいです。まあ、最終的に決めるのは妹なんですが。なにはともあれ、無事3歳になってくれてありがとう!4歳の誕生日前には、トリミングいこうね…。記念写真なのにぼっさぼさだわ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?