好き?嫌い?純粋さって大事
「どーも〜」
「あっ、いらっしゃい」
「いつもの飲みたくなっちゃって」
「はい。今やりますね!」
「おっ?ずいぶん可愛いケーキだね」
「あぁ、これもうすぐバレンタインじゃないですか。その限定メニュー考えてて。試作なんですよ、まだ」
「へぇ〜、2種類作るの?」
「そうなんです。For YouとFor Me」
「???」
「ほら、最近は女子が自分用に買うじゃないですか〜。ご褒美とかで」
「なるほどね」
「それでFor Youは男性向けに甘さ控えめ、For Meは可愛く甘くって 笑」
「ふ〜ん、なかなかやるね。さすがパテシエ経験者!」
「好きなんですよね、やっぱりケーキ作り」
「ところでさ、もう慣れた?彼女のいない生活は」
「う〜ん、そうですね。こんなCafeで仕事してると女性のお客さんも多くて、
ありがたいことに結構おしゃべるもするんですよ。だからなんていうか、
あんまり寂しくないっていうか、一人だって感じもしなくて。」
「そっか。そうかもしれないね。難しいね、男と女ってのは」
「常に側にいてパートナー関係でいるのが幸せの形なのか?
特別に恋人関係を名乗らなくても、親しい友人という形ではダメなのか?
最近、よくわからなくなってますよ 笑」
「その辺が時代の移り変わりとともに、考え方として変わってきてるんだろうね。今の若い人が、恋人なんかいらないって言ってるのもその表れなんじゃないかな〜?」
「そうですね〜。周りを見てると離婚も結構あるんです。
結婚というものに対する価値観は確実に変化してきてますね」
「さっきのケーキの話でもそうだけど、
それが好きだっていうことが何より大事なんだよね。
人でも仕事や趣味でも純粋に「好きだ」という思いが大切なんだと思う。
世間体や周りの目、他人がそう言うからとかではなくてさ」
「仕事や趣味でも、好きだからこそ続けられる、好きこそ物の上手なれってね」
「ホントですね。人間、つまり異性に対しても同じですね」
「この人の側にずっといたい、本気でそう思っているかどうか。
側にいて、その人の人生の瞬間瞬間をずっと見ていたい。
理屈じゃなくて、ただただ好きなんだということ。
それがどんなものでもさ、好きだというものに理由なんかいらないんだ」
「理由、考えても出て来ないですもんね、好きなことには」
「わからないけど、なぜかやっぱり好きなんだという。。」
「ともすれば、人は損得勘定や打算的に答えを出すことが多いじゃない?
自分の気持ちはいつも決まって後回しでさ」
「つまらないですね、そんな人生は。波風は立たないかもしれませんけど」
「自分の本心をどれだけ純粋に出せるか?大事に出来るか?守ることが出来るか?それは人生の満足度に確実に影響するんだ」
「この社会ではなかなか難しいですけど。。」
「何と比べて難しいなんて言うんだい?
それに自分の人生がかかってるんだと思えば、難しいかどうかなんて
関係ないはずなんだ」
「それが人生なんですもんね!」
「そうさ。これからの人生、ますます混迷深くなって
次の瞬間だってわからない世の中になる。
だからこそ、いつどうなっても後悔のない人生にすることが大切なんだ」
「今の瞬間を大事になんて、もうとっくに使い古された言葉だけど、
それこそが、それだけが大事なんだということを、
すべての人が気づく時代に必ずなるのさ」
「ケーキ、試食してみてくださいよ」
「おぉ、う〜ん甘いなぁ〜 笑」
「それ、For Meですもん 笑」
「なんでFor youくれないんだよ!?」
「自分、好きでしょ? 笑」
「うっさいわ! 笑」
「コーヒーも入りましたよ」
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