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【前編】起業家ではなく事業家。真っ直ぐに事業と向き合った2年を振り返って。(BALLAS 代表取締役・木村)

BALLASの成長や組織進化を支えるマネジメントメンバーを、インタビュー記事を通して紹介いたします。

今回は、創業者である代表・木村 将之に、商社からスタートアップへのキャリアシフト、BALLAS創業までのストーリー、経営者として事業に向き合う面白さについて聞いてみました。
前編と後編の2本立てです。

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━━ ではまず、木村さんの新卒キャリアについて教えてください。

2014年入社で商社の双日株式会社にお世話になりました。双日と入社を悩んだ鉄鋼メーカーの方々が、みなさん口を揃えて「鉄は国家なり」とおっしゃっていたことが印象的で、入社時の配属面談でも「鉄であればより強い想いを持って働けると思います」と伝えたところ、希望の鉄鋼事業部への配属になりました。

双日入社後は、合弁会社である鉄鋼商社の主管業務、カーボン製品を扱うグループ会社での輸出入・事業投資、そして本社で金属3Dプリンター事業に従事し、その延長線上でドイツ赴任を経験しました。双日での7年は、輸出入、事業投資、経営管理と総合商社の基本的な業務を一通り経験し、ビジネスパーソンとしての土台を叩き込んでいただいたと感じています。

━━ 商社から一変、スタートアップの経営へキャリアがシフトしたきっかけはなんだったのでしょうか?

今振り返ると、金属3Dプリンター事業に携わる中で、特に欧州のスタートアップと関わりが多かった影響かもしれません。ドイツから日本に帰国した後に出会った会社が前職の株式会社Catallaxyです。プロダクトドリブンにリアルビジネスを変革する志向性が自身の考えとマッチしており、ジョインを決めました。

━━ スタートアップへの環境の変化はご自身にどのような影響がありましたか?

気づきが大変多かった前提で、より本質を追求する思考になったと思います(ならざるを得なかったと思います)。デジタルベースの働き方は当然ながら、スタートアップとしての意思決定、思考力、手の動きがスピードと共に精度も上がりました。

また、経営企画としてスタートアップを全社の視点から見れたことも大きかったです。シリーズA調達直後だったこともあり、優先順位の付け方、時間軸の捉え方、そして経営・事業戦略を「会社・事業フェーズ」とアラインさせることの重要性を身をもって経験しました。

━━ そこから2022年2月、BALLAS創業へはどのようにつながっていったのでしょうか?

父が建築士という生育環境も影響していたとは思いますが、「規模が大きい領域で、できるだけ社会全体に貢献したい」という想いが元々ありました。市場規模の大きさに加えて、双日やCatallaxyでの経験から建設業界が抱えている課題の深さを感じていたのですが、自分が実現しようとしている事業を行っている会社がなかったのです。

ある種の自惚れでもあると思うのですが、自分の原点である領域において、課題や必要性を認識しつつ、その取り組みが社会に存在していないと認知したのであれば、自分がやるべきだと使命感を持った次第です。

━━ BALLASの事業構想はどのように形成されていったのでしょうか?

着想は金属3Dプリンター事業を行っていた2018年頃からです。3Dプリンターの本質は、設計データを送れば材料と装置のある複数の場所で部材製造できるという既存サプライチェーン変革の一つだと捉えました。設計データの精度・柔軟性によっては、カスタマイズしながらも大量生産と同じ生産性を追求できると考えたのです。

上記の考えを持ったうえで、当時製作工場を経営していた創業メンバーの大川さんに出会い、点と点が繋がりました。特に建設業の生産プロセスにおいて、最大のボトルネックでありドライバーにもなる工程が「図面バラシ」、つまり発注者(建設工事会社)と受注者(製作工場)間のコミュニケーションを含めた設計データの構築プロセスだと確信しました。

実は、創業前には「設計の自動化」のみをスコープにした事業プランもありました。ニーズは多くあったのですが、潜在的にお客様・業界が求めているのは、図面に関わる業務工数の削減だけではなく、QCD高く部材調達ができるサプライチェーン体制の持続性だと認識し、設計自動化を内包した部材調達サービスに振り切りました。

━━ 創業メンバーはどのように集まったのでしょうか?

そもそも自分一人の能力は大したことがないと思っており、誰かと一緒に創業することは自然に考えていました。大川さん、またCatallaxyで共に働いていたエンジニアの田所さんとは同じ想いを持っていた中、たまたまお二方もキャリアチェンジのタイミングを迎えており、ご一緒することになりました。また、知財などコーポレート業務の経験者である益田さんは、大学時代の寮の同期で、「会社をやろうと考えている」と話したらやぶさかでもない様子でしたので。(笑)

それぞれ3名に声をかけたのは、タイミングもありますが、「信頼」できると思ったからです。人として信頼・尊敬できる前提で、各々が各分野のプロフェッショナルであり、信頼して役割分担ができると思えました。とはいえ、4人の相性も大事だと思いましたので、それぞれを繋げる場を設けたり、食事にいったり、最終確認はしましたね。

結果的にこの2年間、余計な忖度なく、優先順位と時間軸に帰結する真っ当な議論・アクションに集中することができました。また、会社全体の文化や考え方の土台づくりにも一役買っていただき、素晴らしい方々だと改めて感じています。

━━ 木村さんが思う経営とは?

起業する前から、会社はあくまでも箱であり、大事なのは事業・人だと考えていましたが、この2年でより一層「経営 = 事業を通じて社会・ユーザーに価値を提供すること」だと思いましたね。

会社運営の中で想定よりも早く問題が起きたり、立場上、色んなご意見を頂く中で、経営者が事業から離れがちになる環境下にあることは理解できましたが、全ての考えや行動が企業理念に紐づいていると自然に事業中心に洗練されていきます

余計なことは考えずに真っ直ぐに事業と向き合い、言い訳なしで結果を出し続ける、それが経営者だと改めて思います。

少し話を広げると、「人を巻き込むこと」が貨幣経済における経営の本質と拡大解釈もしています。どれだけ技術が進歩しても、人が価値をつくり、人が対価を支払い、人が投資をする原理原則は現在の貨幣経済では変わりません。そんな中で、人生の一部を素晴らしい方々と共有できることは経営者冥利に尽きると思います。


社会的な意義や木村さんの事業への真っ直ぐな想いを感じるインタビューでした。
後編は、BALLASのこの2年の組織作りや事業の成長、またそれらの未来について聞いています。

後編はこちら >> 【後編】起業家ではなく事業家。真っ直ぐに事業と向き合った2年を振り返って(BALLAS 代表取締役・木村)

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